映画「カップルズ」4Kレストア版でよみがえる 2007年に59歳で永眠したエドワード・ヤン監督作品
スポニチアネックス / 2025年1月27日 12時2分
「クー嶺街(クーリンチェ=クーは牛へんに古)少年殺人事件」や「ヤンヤン 夏の思い出」などで知られ、2007年に59歳で永眠したエドワード・ヤン監督が1996年に発表した「カップルズ」が4Kレストア版としてよみがえり、4月18日から東京のTOHOシネマズ シャンテ、シネマート新宿ほかで上映される。
17年に「※嶺街少年殺人事件」が日本で25年ぶりにリバイバル上映されて大きな話題を呼び、23年に台湾の台北で開催された大回顧展も盛況をみせるなど、没後15年以上が経っても、映画ファンの心の中で生き続けるエドワード・ヤン監督。「カップルズ」は「新台北3部作」の第2作にあたる一編で、多彩な国籍の人間が割拠する90年代半ばの台北が舞台。レッドフィッシュをリーダー格とする4人組はお金も自由も愛も、思うがままに手に入ると信じている。ホンコンは女性をもてあそび、トゥースペイストはニセ占い師として稼ぐ日々。ある日、フランスからマルトという女性が台北にやってくる。新入りのルンルンはひそかにマルトに心を寄せ、彼らの関係が変化し始める―。
現代社会において欲望を追い求めることに夢中となった先にある「悲劇と希望」を描き出す作品は、約30年前の製作ながら、ますます現代性を帯びてきている。
エドワード・ヤン監督を「最も敬愛する映画作家の1人」と語るのが、「ドライブ・マイ・カー」や「悪は存在しない」で世界を舞台に活躍する濱口竜介監督(46)だ。4Kリストア版の公開決定に寄せて「『※嶺街少年殺人事件』の少年たちが成長し、『恐怖分子』の鋭利さと『恋愛時代』の軽みを併せ持つ映画をつくりあげた。『カップルズ』における協和と不協和の絶え間ない交替とその滑らかさは、エドワード・ヤンのフィルモグラフィの中でも際立っている。危険なる傑作。」とコメントを寄せた。
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