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識者はこう見た 二次加害質問記者は「論外」 問題は共有できていない「人権意識」

スポニチアネックス / 2025年1月29日 4時9分

<フジテレビ会見>会見を終え退場する港氏(右から2人目)ら(撮影・三島 英忠)

 ◇フジ“やり直し”会見一夜明け

 フジテレビの“やり直し会見”は異例の10時間超えとなったが、多くの疑問が残り、登壇者だけでなく質問者にも批判の声が上がっている。会見の問題点は何だったのか。識者に聞いた。

 「あれは論外だった」。石戸諭氏があきれながら糾弾する場面は会見が始まって3時間半がたった頃。中居氏と被害者の間の認識のズレについてフジの遠藤副会長が「意思の一致か不一致かということ」と答えてから、しばらくして失言と認め撤回すると、一部のフリー記者らが「しっかり答えなきゃ」「当該女性も見ています」とヒートアップ。その一方で「二次被害にも当たるのでやめましょう」と冷静に制止する記者も現れ、会場は騒然となった。

 その制止した記者の近くで賛同したのが石戸氏。遠藤氏の失言した内容を、もう一度ぶり返して焦点化した質問者らについて「被害女性に対する二次加害のような質問をする記者は、被害女性の権利を侵害している」と指摘。質疑応答の最中には、ネット上で「記者のレベル」などがトレンド入りし「ジャーナリストもジャッジされる立場であることを意識した方がいい」と語気を強めた。

 近年では「会見が一つのショーコンテンツになってしまっている」という。注目が集まる会見が開かれる際、出席した記者が質問する姿を動画に収めるなど、記者がユーチューバー化している現状がある。「今回はフルオープン無制限。混乱は予測できたと思うので、最初の会見におけるフジ側の参加メディア規制にも問題はあったと感じます」。

 弁護士の三輪記子氏も「フジテレビも質問する側も“人権意識”が共有できていない…つまり前提を共有できていないことがあらわになった会見だった」と指摘した。被害女性の二次加害になるような質問をそのまま報じるメディアもあった。

 「人権意識は会社で十分に教えてもらう機会がなければ個々人によって相当の差が出るのではないでしょうか。一方で、人権意識と言えばなんでも許されるわけでもなく、価値観をアップデートすることの難しさを感じた」と話した。

 フジの港前社長が、トラブル把握後の対応の遅れについて「女性の体調回復とプライバシーの保護を最優先した」という趣旨の言葉を何度も述べたことには「女性のプライバシーを盾にすればいいというのはまた違う」と指摘。「そこを守りつつ、フジの社会的責任を果たすことは両立可能だし、そこを両立不可能というように、二者択一かのように考えていたところに問題があったのではないでしょうか」と話した。

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