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豊昇龍“強くなったな”22年前の叔父・朝青龍と同じ日に横綱昇進 31日に一族の前で雲竜型土俵入り披露

スポニチアネックス / 2025年1月30日 4時33分

☆<豊昇龍 横綱昇進 伝達式>両親から祝福のキスをされた豊昇龍は笑顔(撮影・西海健太郎)

 日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で春場所(3月9日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議と臨時理事会を開き、モンゴル出身の豊昇龍(25=立浪部屋)の第74代横綱昇進を満場一致で決めた。新横綱は東京都台東区の立浪部屋で行われた昇進伝達式で口上に大関昇進時と同じ「気魄一閃(きはくいっせん)」で決意表明。花田家に次ぐ角界2例目の親族複数横綱誕生で、あす31日の明治神宮奉納土俵入りでは叔父の元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏ら一族の前で雲竜型を披露する。

 使者を待つ間、屈託のない笑顔を振りまいていた豊昇龍の表情が一気に引き締まった。午前9時34分、境川理事(元小結・両国)、大鳴戸審判(元大関・出島)から満場一致で横綱に推挙されたことを知らされる。新横綱はしっかりとした口調で「横綱の名を汚さぬよう、気魄一閃の精神で精進いたします」と決意を述べた。

 23年名古屋場所後の大関昇進時に述べた口上から「努力」が「精進」に変わっただけ。同じ四字熟語を選んだことには「大関に上がるときから、この言葉が一番気になって頑張ってきた。自分に何が起きても、何があっても力強く立ち向かって頑張りたいと思って使った」と説明した。

 初土俵から所要42場所は年6場所制となった1958年以降、6番目のスピード。夢であった最高位に上り詰め「優勝の数を2桁にしたい」と目を輝かせた。

 「ハレの日」はくしくも22年前の朝青龍と同じ1月29日。会見では前日の28日に叔父に電話をかけたことを明かした。

 元朝青龍「よくやったな。もう横綱なんだ。これからは協会の看板力士なんだから、しっかり考えていきなさい」

 豊昇龍「しっかりやっていきます」

 短い会話だが言葉には重みがあった。「うれしかった。“強くなったな”と言われたので、もっと強くなりたい。相撲がもっと好きになった」と感謝の思いをにじませた。

 一族からは2人目の横綱誕生。初代若乃花と、そのおいの貴乃花、3代目若乃花の花田家に次ぐ快挙だ。豊昇龍の叔父で元ブルー・ウルフのセルジブデ氏によると、あす31日に奉納土俵入りが行われる明治神宮に祖父母や元朝青龍ら一族が集結する。一族期待の星は叔父と同じ雲竜型を披露し、最高の恩返しをする。 (黒田 健司郎)

【立浪親方「最高。尊敬される人間に」】

 師匠の立浪親方(元小結・旭豊)は感慨に浸った。「最高です。こんなに師匠冥利(みょうり)に尽きることはない」と笑顔で語った。愛弟子の初土俵から7年。時代に即した指導法で力士との距離感をうまく取ってきた。当時から「この子は強くなると思って入れた。途中ケガなどもあったけど、見る目は間違っていなかった」と力を込めた。立浪部屋4人目の横綱に「相撲で強いのは当たり前なので、尊敬される人間になってほしい」と期待を込めた。

 ▽立浪部屋 大正時代初期から続く名門。不滅の69連勝を樹立した横綱・双葉山、怪力の横綱・羽黒山、長身の横綱・双羽黒、名寄岩や旭国ら大関も輩出した。現師匠は1999年2月に継いだ。先代の立浪親方(元関脇・羽黒山)と年寄名跡の譲渡を巡って裁判で対立。部屋移転を余儀なくされた。貴乃花一門から無所属になり、2018年に出羽海一門へ加入。21年7月から所在地は東京都台東区橋場。

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