阪神ドラ1伊原 2・8紅白戦での実戦デビューいける 宜野座初ブルペンで順調アピール

ブルペンで投げ込む阪神・伊原（撮影・大森　寛明）

　「2・8」実戦デビューいける！阪神のドラフト1位・伊原陵人投手（24＝NTT西日本）が29日、沖縄・宜野座村のバイトするならエントリー宜野座スタジアムで行われた先乗り合同自主トレ初日から、ブルペン投球を敢行。変化球を交えて36球を投じ、順調な仕上がり具合をアピールした。2月1日から始まる春季キャンプでは8、9日に1、2軍合同紅白戦を予定。かねて実戦登板でのアピールに意欲も示しており、このまま順調に調整を進めれば、デビューを果たす可能性は十分ある。

　ブルペンに足を踏み入れた伊原の表情は、自然と引き締まった。先乗り合同自主トレ初日から捕手を座らせて36球。先輩たちからの熱視線も意に介すことなく、頼もしいばかりに淡々と投げ込んだ。

　「（新人）合同自主トレから順調に徐々に状態を上げてきて、きょうもすんなり（ブルペンに）入れたので、そこは良かった。今の段階ではそんなに悪くない」

　21日を皮切りに、新人合同自主トレで3度ブルペン投球を重ねてきた。ここまでの仕上がりは順調そのもの。スライダーも3球投じて感触を確かめた。捕手を務めた4年目の中川に「切れがありました。伸びがあるような感じ」と言わしめた。今後は変化球の割合を増やしながら、持ち味のボールの精度、球質に磨きをかけていく。

　先輩のパフォーマンスに刺激も受けた。伊原のブルペン入りからわずかな時間を隔て、智弁学園の2学年先輩・村上もマウンドに姿を見せた。間近で投球を見るのは高校以来。気づけば、一球一球を目で追いかけていた。

　「自分が思っている以上に村上さんも仕上がっていたので、ちょっと、まずいなって感じですけど（笑い）」

　かつて痛感した「衝撃」が再びよみがえった。リーグ優勝、日本一の23年にリーグMVPを獲得し、今季も先発の軸として期待される先輩右腕の現在地に「さらにスケールアップした。体も大きくなられていますし、やっぱり意識の差もあると思うので、そういうところも見習っていきたい」と決意を新たにした。猛虎先発陣は、その村上も含めてライバルがひしめく。だが伊原も今やドラ1入団の即戦力左腕。焦ることなく、我が道を行く。

　「（自分は）徐々にゆっくり慌てずにいけたら。あまり周りを見すぎて引っ張られないように気を付けたい」

　マイペース調整は、すこぶる順調。このままステップアップを続ければ、2月8、9日に予定される1、2軍合同紅白戦での実戦デビューも視野に入ってくる。かねてキャンプ中の実戦登板に意欲を示しており、望むところだ。「アピールしないといけない立場なので、徐々にキャンプの間に自分の持ち味を出せるようにしたい」。藤川監督ら首脳陣からも大きな期待を受ける即戦力左腕。地に足を着け、歩みを進める。（山手　あかり）

　≪阪神の大学、社会人、独立L出身新人投手の実戦デビュー≫

　☆21年　2月7日、チームの実戦2試合目の紅白戦で2位・伊藤将（JR東日本）と3位・佐藤蓮（上武大）が登板。

　☆22年　2月20日、6試合目の中日との練習試合で2位・鈴木（創価大）と3位・桐敷（新潟医療福祉大）が登板。

　☆23年　2月12日、実戦3試合目の紅白戦で6位・富田（三菱自動車岡崎）が登板。

　☆24年　2月12日、初実戦の1、2軍合同紅白戦で2位・椎葉（四国・徳島）がデビュー。翌12日の紅白戦では5位・石黒（JR西日本）、6位・津田（大経大）、育成1位・松原（日本海・富山）が登板。