DeNA・ジャクソン「ジャック・バウアーローテ」結成喜ぶ「彼は世界最高峰のピッチャー」

球団施設で練習を行ったDeNA・ジャクソン

　DeNAのアンドレ・ジャクソン投手（28）が30日、2月1日から始まる春季キャンプに備えて神奈川県横須賀市内の球団施設で自主トレを実施。21年にドジャースで同僚で2年ぶりにチームに復帰するトレバー・バウアー投手（34）との「ジャック・バウアーローテ」の結成を喜んだ。人気ドラマ「24」で不眠不休で事件を解決する主人公のように2人がフル回転すれば、27年ぶりのリーグ優勝と2年連続日本一は現実味を増す。

　世界的人気を博した「ジャック・バウアー」が、セ界のDeNAで結成される。個性派俳優のようなヒゲを蓄えたジャクソンが、今年初めて球団施設を訪れて自主トレ。ドジャースで同僚だったバウアーの加入を喜んだ。

　「彼は世界最高峰のピッチャー。彼が来ることが楽しみ。加わることでより一層投手陣に厚みが出て、強いローテーションになる」

　来日1年目だった昨季は25試合に先発し、チーム2位の8勝、防御率2・90をマーク。その裏にバウアーの助言があった。ド軍を離れてから会う機会はなかったが頻繁に連絡は取り、緩急を駆使して日本野球に適応することを学び、140キロ台だった「打ちごろ」のチェンジアップの球速を落とすことにも着手。右腕の助言を生かしてポストシーズンもフル回転し、26年ぶりの日本一に貢献した。

　恩人でもあるサイ・ヤング賞右腕が2年ぶりにチームに加わる。球団から復帰が発表されると「来ると聞いたよ。待ってるよ」とメッセージを送った。29日に来日したばかりで、この日は「体をほぐすように動かした」と軽い練習を実施。米国で体を仕上げてから開幕前に来日することが見込まれるバウアーより一足先に、きょう31日に沖縄入りしてチームに合流する。

　リアルタイムで進行する人気ドラマ「24」を「どんなストーリー？」と知らなかったが、捜査官のジャック・バウアーが24時間、休むことなくテロリストに立ち向かったように、メジャー流で中4日も辞さない“ジャック”とバウアーが先発ローテーションでフル回転すれば、27年ぶりのリーグ優勝の可能性は高まる。

　昨年12月には第1子となる長女・ロミちゃんが誕生したジャクソンは「自分に任されたところを守り抜きたい」と力を込める。尊敬するバウアーとともにチームの先頭を走る。（神田　佑）

　▽ジャック・バウアー　米国の人気ドラマ「24」の主人公で、俳優のキーファー・サザーランド演じるテロ対策ユニットの捜査官。1つのシリーズを24時間としてリアルタイムで進行する画期的な手法で、1話1時間で複数の事態が同時進行するスリルある展開が受けて大ヒット。エミー賞も数々獲得した。米国では01年から放送が開始し、10年の第8シリーズまで日本を含む各国で放送されて社会現象となった。

　≪キャンプでともに汗≫ジャクソンとバウアーは21年にドジャースでプレーした。バウアーはDV禁止規定違反の疑いで7月2日に制限リスト入りし、ジャクソンは8月16日にメジャーデビューと、メジャーで同時期にプレーはしなかったが、春季キャンプではチームメートとして1カ月半をともに過ごした。同年は筒香も5月18日から、マイナー降格する6月5日まで、ド軍でプレーした。