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巨人・田中将 「魔改造」久保巡回投手コーチとみっちり85分 菅野と同じ「再生プログラム」スタート

スポニチアネックス / 2025年2月2日 5時30分

久保巡回投手コーチ(右)から指導を受ける田中将(撮影・光山 貴大)

 【阿部巨人の新風】プロ野球の12球団は1日、宮崎、沖縄両県で一斉にキャンプイン。巨人に新加入した田中将大投手(36)が背番号「11」のユニホーム姿を初披露した。ブルペン投球は行わなかったが、昨年15勝を挙げリーグ優勝に導いた菅野智之投手(35=オリオールズ)を復活させた久保康生巡回投手コーチ(66)とフォーム修正に着手。「魔改造」で知られる名伯楽とのタッグで、雪辱を期す新天地でのスタートを切った。

 誰もいなくなった昼過ぎのブルペンへ、田中将が向かった。打ち付ける雨音が響いた木の花ドーム。それをかき消すように、白球がネットを打つ音が途切れることはなかった。約120球、1時間続いたネットスロー。久保巡回投手コーチとマンツーマンでの特訓を終えた田中将は「疲れましたね」と言いながらも、顔には充実感が漂っていた。

 新天地でのキャンプイン。右肘手術の影響もあった昨年はわずか1試合の登板で、プロ18年目で初めて白星なしに終わった。オフに楽天を退団して迎える雪辱のシーズン。木の花ドームは開場前から長蛇の列ができるなど、ファンも待ち望んだ巨人での再出発だった。ウオーミングアップを終え、背番号「11」のユニホーム姿を初披露したキャッチボール。早くも再生プログラムが始動した。久保コーチが密着マークし、身ぶり手ぶりで助言。場所を変えたブルペンで、さらに本格的に取り組んだ。

 最大のポイントは明確だった。久保コーチが挙げた理想のフォームは、24勝0敗で伝説となった楽天時代の13年。「勝ってる時期は凄く正しいよね。偶然じゃないんですよ、必然的なものがある」。当時は体が縦回転に近い「縦振り」のフォームで、リリースポイントも今より打者寄りだった。だが「年々、横にどんどん、体の回転軸が右側に寄っていくんですよ」と久保コーチ。ボールにしっかり力が伝わらなくなる横回転の「横振り」気味になっていた。その矯正のために行ったのが、マウンドで本来とは反対向きに投げる逆傾斜のネットスロー。通常より左足をしっかり踏み込む必要があり、無意識のうちに縦回転を体に染み込ませる狙いがある。気づけば逆傾斜のみで約100球を投じていた。

 「魔改造」と呼ばれるフォーム修正に定評のある久保コーチとの、計1時間25分の熱血練習。当初は第1クールからブルペン入り予定だったが、前日に2人で話し合い約10日間は“改造”に専念することを確認した。「感覚をガラッと変えようとしているので大きな違いを感じてますけど、うまく投げられる時の感覚は凄くいい。なんとかものにしたい」。手応えと期待を胸に、田中将が再出発した。(村井 樹)

 ▽久保コーチと菅野 23年開幕前に右肘の張りで出遅れ状態が上がらなかった菅野に、久保巡回投手コーチは一から投球フォームを再構築することを提案。田中将と同じ逆傾斜や、坂道の上からの急傾斜でのキャッチボールなどで軸足の使い方や体重移動など、基本的な部分から見直し。理想の「縦振り」を追い求めた。体重移動がスムーズなシンプルな投球フォームを習得し、昨季15勝3敗と復活。4年ぶりのリーグ優勝に貢献し、MVPに輝いた。

 ▽魔改造 元々はプラモデル、フィギュアなどに無意味な改造を加えることを意味する俗語だったが、発展して「対象を大きく作り替える、大幅な改造を行う」行為を指すようになった。球界では投手の指導について用いられる。久保巡回投手コーチは近鉄時代に岩隈、阪神時代は能見、メッセンジャー、ソフトバンク時代は大竹(現阪神)らを指導した。

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