中畑清氏 巨人・久保コーチの“気づき”が復活目指すマー君の“気づき”に

久保コーチ（左）と動画を確認する田中将（撮影・白鳥　佳樹）

　【中畑清　CHECK！】さすが巨人・阿部監督が全幅の信頼を寄せるだけある。去年は菅野を再生させた久保コーチ。マー君復活を手助けするにあたって「いいときのビデオを何度も見ました」と言っていた。その結果、腕の振りが横ブレしていたのを見つけたんだ。

　マウンドの傾斜を逆に使ってのネットスロー。狭い通路をイメージし、横の壁にぶつからないように腕を真上から振り下ろす。素直にアドバイスを聞いたマー君。何か「気づき」があったんだろう。楽しそうに腕を振っていた。

　私にも経験がある。1986年の秋季練習。打撃コーチで来られた「シュート打ちの名人」山内一弘さんに肘を畳んで体の回転で内角球をさばく極意を教わってさ。やってるうちに「これだ」と感じる瞬間があった。翌87年は4年ぶりの3割台となる打率・321をマークしたんだ。

　私の場合は新しい世界が開けた感じだったけど、マー君は元々できていた形を取り戻すだけ。久保コーチとの出会いで、視界が開けたような気がする。