【内田雅也の追球】ベテランスカウトと見たヘルナンデス 染みついた広角姿勢に掘り出し物の可能性を感じた
スポニチアネックス / 2025年2月3日 8時2分
昼下がり、沖縄・宜野座のブルペン横ベンチで休んでいると三宅徹に会った。阪神国際部のベテランスカウトである。
「もう、今年で70やで」と言う。「え!?」と驚いた。古希70歳には到底見えない。1979年に通訳として入団し、後に国際スカウトとなった。トーマス・オマリーを皮切りに多くの外国人獲得にあたってきた。
自然と2日連続でランチタイム特打を行った新外国人ラモン・ヘルナンデスの話になった。
つい「予想以上に良かったですね」と言ってしまった。前評判以上という意味である。すると三宅も「いや、オレも予想以上だった」と応じた。
何しろ、ヘルナンデスは年俸30万ドル(約4650万円)と安価な買い物だった。巨人が前中日のライデル・マルティネスを年俸12億円、新外国人トレイ・キャベッジを年俸1億6000万円で獲得。DeNAもトレバー・バウアーを総額9億円規模で獲得している。
優勝を争うライバル球団の大型補強を横目に、阪神の編成方針はどうなのかという声もある。
ただし、今の陣容を見れば、外国人で必要なのは先発、救援の投手か、打者では左翼か。その左翼も若い前川右京、井上広大、豊田寛……らの成長が見込まれる。「大物不要」は新監督・藤川球児や球団の方針だった。日本選手と競争する刺激剤としての意味もある。
ヘルナンデスは昨年、メキシカン・リーグで打率3割1分3厘、22本塁打。もちろん、高地で打球が飛ぶ「打高投低」リーグでの数字は間引いて見ないといけないが、元阪神のエフレン・ナバーロ(現駐米スカウト)の強い推薦があった。
三宅によると、伸び盛りだった2020年、コロナ禍で働き口を失う不運もあったらしい。「監督の考えにも見合い、日本で成長しようという気概もある。思っていた以上にパワーもあるし、コンタクトもできる」
目立ったのは本人が心がけていると言う「センター返し」だった。左翼への柵越えでスタンドの拍手を浴びた直後、外角低めを二塁頭上、右中間にライナーで運ぶ。この素直な広角姿勢は体に染みついているとみた。
映画『人生の特等席』で描かれたように、パソコンの分析より老スカウトの目が優れている時もある。これは思わぬ掘り出し物かもしれないと感じている。 =敬称略=
(編集委員)
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