「若乃神」こと青学大・若林 引退レースで初マラソン日本最高記録「悔いなし これからは市民ランナー」
スポニチアネックス / 2025年2月3日 4時16分
◇スポニチ後援別府大分毎日マラソン(2025年2月2日 大分市高崎山・うみたまご前~ジェイリーススタジアム)
9月の世界選手権の選考会を兼ねて行われ、今年の箱根駅伝で5区新記録で青学大の総合優勝に貢献した「若乃神」こと若林宏樹(22=4年)が、日本人歴代7位となる2時間6分7秒の初マラソン日本最高をマークした。日本人トップで、学生日本記録も更新。参加標準記録を突破したが、今大会限りの引退を改めて表明した。ビンセント・キプチュンバ(34=ケニア)が2時間6分1秒で優勝。世界選手権代表の有力候補・平林清澄(22=国学院大4年)は9位に沈んだ。
若林は両手を広げ、競技人生のフィニッシュを刻んだ。勢い余り、その場に倒れ込みながら笑った。「陸上生活10年間を締めるレースだった。やめるからこそ出た記録」。昨年2月の大阪で平林が出した初マラソン日本最高&学生日本記録を11秒更新。世界選手権の参加標準記録も突破したが、これが有終の美だった。
「山あり谷あり」という競技生活を凝縮した42・195キロ。30キロまで先頭集団につき、沿道の歓声をかみしめる余裕があった。35キロ過ぎにキプチュンバの揺さぶりに一人だけ食らいつき、一騎打ちに。ラスト2キロで一度はトップに立つ意地を見せた。「最後なので、ちょっと格好いいところを見せたかった」。最後は苦悶(くもん)の表情で全力を絞り出した。
愛称は「若乃神」。箱根駅伝で青学大の山上り5区を任され、原晋監督(57)から授けられた。1、3、4年時に5区を走り、全て往路Vのテープを切った。今年1月は驚異の区間新記録をマーク。その礎は20キロや25キロのクロスカントリー走だ。マラソン練習の王道とされる40キロ走は一切行わず、起伏の激しいコースで心肺や足腰を鍛え抜いたアプローチは箱根路以外にも生きた。「箱根の山の方が心肺的にきつかった。小涌園からの急激な上りと比べると、ラスト3キロはきつくなかった」と胸を張った。
現地で見守った原監督は「想像を超えた。4代目・山の神でしょう」と興奮。卒業後に就職する日本生命で社業に専念する若林は「悔いはない。これからは市民ランナーとして楽しみたい」。箱根から世界へ、その入り口にたどり着いたところで「若乃神」の挑戦は完結した。 (大和 弘明)
【平林は9位 医務室直行】
9位に沈んだ平林はゴール後、車いすで医務室に直行した。30キロ過ぎに一度はトップに立ったが、その後の揺さぶりでついていけず、終盤は失速。優勝者が世界選手権代表に決まるJMCシリーズ4のポイントを上積みできず、大阪、東京の2レースを残した状態で暫定トップになれなかった。代表争いから後退し「この経験を踏まえて、新たなチャレンジに取り組んでいきたい」と主催者を通じてコメントした。
▽世界選手権マラソン代表選考 男女とも最大3枠。参加標準記録(男子2時間6分30秒)を突破した上で、ポイントで争うジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズ4(23年4月~25年3月)の優勝者が内定。また、選考期間内に日本新記録を出し、3月2日の東京マラソンまで保持した選手も決まる。さらに、選考大会で参加標準記録を突破した選手の中から記録、順位などを総合的に判断して選ばれる。
◇男子マラソン日本歴代10傑◇
順 タイム 選手名(所属) 大会
(1)2時間4分56秒 鈴木健吾(富士通) 21年びわ湖毎日
(2)2時間5分12秒 池田耀平(花王) 24年ベルリン
(3)2時間5分16秒 吉田祐也(GMOインターネットグループ) 24年福岡国際
(4)2時間5分29秒 大迫 傑(ナイキ) 20年東京
(5)2時間5分51秒 山下一貴(三菱重工) 23年東京
(6)2時間5分59秒 其田健也(JR東日本) 23年東京
☆(7)2時間6分 7秒 若林宏樹(青学大) 25年別府大分毎日
(8)2時間6分11秒 設楽悠太(ホンダ) 18年東京
(9)2時間6分16秒 高岡寿成(カネボウ) 02年シカゴ
☆(10)2時間6分18秒 平林清澄(国学院大) 24年大阪
☆は初マラソン
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