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巨人の大先輩・中畑清氏がマー君直撃!「覚醒する雰囲気伝わってくる」本人も久々の凄くいい感覚」

スポニチアネックス / 2025年2月6日 5時32分

笑顔でガッツポーズの田中将(右)、中畑清氏(撮影・光山 貴大)

 楽天を退団して巨人に移籍した田中将大投手(36)が、巨人OB会長である中畑清氏(71=スポニ本紙評論家)の直撃取材に答えた。名投手の育成や復活を支えた手腕から「魔改造」とも称される久保康生巡回投手コーチ(66)のマンツーマン指導で、投球フォームを一から再構築中。日米通算200勝へあと3勝と迫るプロ19年目の右腕が、復活への確かな手応えを対談の中で明かした。 (取材・構成 後藤 茂樹)

 中畑 凄く充実しているね。横振りになっていた投球の腕を、縦振りへ。テーマもはっきりして、久保コーチのアドバイスが、的確にマッチしているなという手応えは、今までにない感じ?

 田中将 そうですね。久保コーチにも、若い頃は自然とできていたんだと思う、と言われたんですけど。自分の中でも知らず知らずにずれていき、今大きくずれてしまっているという。こう投げるんだぞというのを教えていただき、基礎の基礎からやっていただいています。いい感覚はこういうものだというイメージは、自分の中にもあるので。

 中畑 そこに近づいてきた?

 田中将 そうですね、やってまだ数日ですけど、凄くいい感覚です。2日目のキャッチボールから、もう自分がここ最近ずっと感じていたものとは違っていて。初日に少しやったことが、翌日の朝でもう違いが感じられたので。これをものにできたら、もっとまた良くなる。ずっとなかなか思うように投げられていなかったのが、いけそうな感じは正直しています。

 中畑 見ていてもワクワクしているんだよ。マー君の良かった時の雰囲気って、こういうピッチングフォームだったんじゃないかなというのをね。こう伝わってくるんだよな。喜んでやっているじゃん?

 田中将 楽しく、いい感覚でやらせていただいて。本当にいい感覚なので、久保コーチにもそうお伝えしたら、“いや、本当のこと言ってくれよ~”と。本当のことを僕は伝えているんですけど。

 中畑 それが表情に出ているよ。手応えを感じて、やりがいがあるなと。これは本当に信じてついて行こうみたいなさ。そういう信頼関係があって成り立っているという感じがしているな。楽天から自由契約となって退団を選択して、まだ自分はやりたいんだとそういう気持ちで。その頃の心境ってどうだったの?

 田中将 やめるとかは一切思わなかったです。もうどこであれ、野球は続けようと思っていたので。NPBに限らず。

 中畑 そこまで考えたの?

 田中将 いろいろ、海外とか、そういうのも全部含めてどうにかそこは続ける方向ではいました。

 中畑 その覚悟があったというのはちょっとビックリだけど。

 田中将 その覚悟はしていました。

 中畑 それでジャイアンツから声をかけてもらった時の心境は?

 田中将 物凄くうれしかったです。リーグ優勝したチームから声をかけていただいたというのもですし、またジャイアンツという歴史あるチームから声をかけられたというのも。

 中畑 ジャイアンツのファンだったんだって?

 田中将 子供の頃は、はい。

 中畑 誰のファンだったの?

 田中将 その頃は、松井秀喜さんもそうですけど、ピッチャーだと今は自分が11番つけてますけど斎藤雅樹さんとか。

 中畑 そうか、そんなに年が違うんだ俺と。俺の名前が出てこないからさ。もしかして言ってくれるかな~と。

 田中将 すみません、現役時代は…ちょっと知らないです。僕、88年生まれなんで…(苦笑い)。※中畑氏は89年限りで現役を引退。

 中畑 表情も、練習内容を見ていても、これマー君覚醒するなという雰囲気が伝わってくるのよ。24勝して日本一をつかんだ13年、あの頃と比べての手応えは?

 田中将 まぁ、もう12年前ですから…。ですけども近年、本当にここ数年なかった手応えは感じています。

 中畑 気持ちの面も含めて?

 田中将 そうですね、環境が変わって、またフレッシュな気持ちでできているので。

 中畑 一番いい選択というかさ、結果的には。もしかしたら楽天にいたらこれはなかったかなという。

 田中将 あぁ、もう絶対なかったと思います。それは絶対なかったと思います。

 中畑 いい選択できたな、という感じにしたいね。

 田中将 したいです。

 中畑 はい、今年の目標を聞きましょう。2桁勝っちゃうんじゃないの?

 田中将 個人的には、とにかくもう健康で。

 中畑 おっさん(笑い)。

 田中将 健康で1年いれば、マウンドに立てると思うので。大きなところで言えば、やっぱり先発ピッチャーとしては2桁は勝ちたいと思います。

 中畑 開幕からずっと?

 田中将 ローテーションはやはり狙っていきたい。ただ、今やっていること、これがどれぐらい時間がかかるか分からないので。無理しても、またその時間がもったいなくなると思う。そこは着実にステップアップしていきながら、結果シーズン最後まで完走できればいいかなと思うので。健康で、練習積んで、いい投球して、日本一。ジャイアンツは常にそこを目指さないといけないチームだと思いますし、そこで貢献したいです。

 中畑 いいね、覚悟を感じますよ。いい出会いがあったということだよな。

 田中将 それは間違いないですね。

 中畑 人生の中で一番大事なのはそこだもん。再度新しい自分に変えてくれたという環境、巨人軍という出会いの中で、久保コーチとも出会い。今でも感謝しているだろうけど、今度は結果で恩返しするという。

 田中将 そこで返していかないといけないですし、もう結果残すしかないと思っているので。

 ≪久保コーチ 昨季は菅野を15勝再生≫久保コーチは近鉄、阪神で通算71勝を挙げ、97年に現役引退した。その後は近鉄、阪神、ソフトバンクなどで投手コーチを歴任し、23年から巨人で巡回投手コーチを務める。近鉄では日米通算170勝の岩隈久志や、日米通算176セーブの大塚晶文を指導。阪神では通算104勝の能見篤史や、メッセンジャーを先発に転向させて通算98勝に導いた。ソフトバンク時代に指導した大竹耕太郎は、現役ドラフトで阪神移籍後に花開いた。

 【久保コーチによる  田中将への魔改造】

 ☆ネットスロー 久保康生巡回投手コーチ指導の下、キャンプ初日から体重移動や腕の使い方など、フォームの土台づくりを意識しながら行った。ネットとの間に障害物となるケージを置き、その中に「隠れる意識」で投げる形も。

 ☆逆傾斜 マウンドで本来とは反対向きに投げるネットスロー。通常より左足をしっかり踏み込む必要があり、縦回転を体に染み込ませる狙いがある。昨季15勝3敗と復活したオリオールズ・菅野も同様の取り組みを繰り返していた。

 ☆2球同時投げ 「縦振り」のフォームの確認にもなる練習法。縦振りであればボールは上下の位置関係のまま真っすぐ行くが、横振りの場合は左右に割れる。

 【取材後記】横振りではなく、縦振りで、というのは田中将にとって常に追い求めるテーマの一つではあった。フォームのずれやぶれを感じると、ブルペンでは背後や左前方などに人に立ってもらい、体の開きを抑えて修正するドリルを重ねてきた。ヤンキース移籍後のメジャー時代も続けていた。

 求めていたものと、久保コーチの提示が合致した。加えてキャンプ初日、わずか1日で効果を即実感して確信が深まった。中畑氏は「久保コーチの人柄も凄い。普通197勝もしている投手にあれこれ言えないよ。それを信頼関係築いてさ。表現の仕方とかもうまいな」と何度もうなっていた。田中将も中畑氏も、この出会いは「財産」だという。実りの秋の答え合わせへ、今は期待しかない。(スポーツ部野球デスク・後藤 茂樹)

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