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【王将戦】永瀬九段 逆襲に飲まれた3連敗 ブドウ糖補給しフル回転も猛攻及ばず崖っ縁

スポニチアネックス / 2025年2月7日 5時1分

<ALSOK杯第74期王将戦第3局2日目>熟考する永瀬九段

 ◇ALSOK杯第74期王将戦7番勝負 第3局第2日(2025年2月6日 東京都立川市「オーベルジュ ときと」)

 1勝が遠い…。先手番の永瀬拓矢九段(32)はシリーズ初の角換わりを選択。難解な中盤戦を切り抜けて決定的なリードを奪ったかに見えたが、またも逆転負けを喫した。屈辱の開幕3連敗。第4局以降は一つずつ返していくしかない。

 どこかで見た光景が、またも繰り返された。永瀬は125手目を指す前に右斜め前に体を向け、両肩を激しく落とす。顔面を天井に向け、フーッと一息。可能な限り手を尽くしたが、脳内で敗戦を悟っている無念の所作だ。藤井に全8冠奪取を許した23年10月の王座戦第4局。京都の夜に衝撃の逆転を食らい、精も根も尽き果てた、あのポーズそのままだった。

 「終盤でやっぱりちぎれてしまって…。とにかく経験値が足りなかったです」

 この日の昼食休憩前に打った93手目▲6五歩(第2図)。右王の弱点でもある王頭を鋭く突く犠打だ。「少し指せていてもおかしくないと思ってました」。3手後に払われたが、代償として97手目に待望の▲3七角が実現する。藤井が千日手を回避した応手△3六歩を見て猛攻を開始。自王の安全を担保にして、小刻みにリードを奪っていく。

 相手王を中段に釣り出して決定的な金の両取りをかけた113手目▲4四桂を見た正立会の青野照市九段(72)は「先手の一手勝ちになりました」と控室での検討を打ち切った。藤井は手順に同王。だが、その手を見た永瀬の様子が明らかにおかしい。▲3八銀を打つまで不自然な22分が流れた。自然過ぎる両取りの一手は、読めば読むほど藤井の王を捕獲できない!

 ブドウ糖補給の「inゼリー」を計3個摂取し、脳内フル回転で挽回策を探ったものの、どの進行も一歩及ばない。最終盤の手番では席を外した間に秒読みが無情に流れる。午後7時3分、砂をかむ思いで投了せざるを得なかった。

 これで藤井相手のタイトル戦先手番は8連敗となった。1月の開幕局を含め、その大半が逆転負け。「自分なりに分析している」と言うものの、またも結果につながらなかった。「一局一局、とても勉強になっているので、次は精いっぱい頑張る」。土俵際に追い込まれた永瀬だが、ここで白旗を揚げる訳にはいかない。傷だらけの体にムチを入れて立ち上がるしかない。(我満 晴朗)

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