【孤独にグルメ】西武ドラ2・渡部聖弥 宮崎県日南市の「とんかつ大晃」の大晃ロース膳

300グラムの大晃ロース膳を注文したドラフト2位・渡部聖

　時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たす時、つかの間、野球選手は自分勝手になり、自由になる。野球選手が独りメシの様子を明かす新連載「プロ野球版　孤独にグルメ」の第1回は、宮崎・南郷キャンプで奮闘中の西武ドラフト2位・渡部聖弥外野手（22＝大商大）。即戦力と期待のルーキーが、日南市の「とんかつ大晃（たいこう）」に足を運んだ。

　今日も疲れたな～。全体練習後の特守に、気合を入れて居残りで打ち込みもした。宮崎・南郷キャンプ2クール目を終えて、体が徐々に重くなってきたぞ。連日のランメニューにウエートトレ。もう足は張ってしまってパンパンだ。プロのキャンプって、想像以上にハードだ。

　あ～それにしても腹が減った…。明日は待ちに待ったオフ。今日はおいしい肉が食べたい。そうだ！同い年の長谷川から教えてもらった「とんかつ大晃」に行ってみよう。軟らかい豚肉に自慢の特製ソースが絶品らしい。これは行くしかない。

　どれどれ、まずはメニューを見てみよう。ヒレかつにチーズかつ膳、チキン南蛮まであるのか。なんてぜいたくなスペシャルオーダー。メニューが豊富すぎて悩ましい。お、「大晃ロース膳」はとんかつが300グラムだと。しかもご飯、キャベツ、みそ汁がおかわり自由。これだ。中村剛也さんに負けないくらいおかわりしてやる。

　いや、何という迫力。一切れがでかい。まずは特製ソースをかけて、ひと口。う、うまい。うますぎる。何だこの甘みのある衣に肉厚でジューシーなとんかつは。米が止まらない。これは炭水化物の千本ノックか、こんなノックならいつまででも受けていたい――。

　ん？岩塩もあるのか。気になる。非常に気になる。少しかけてみよう。肉の甘みと塩が絶妙すぎる。これは最高の“隠し球”だ。塩に戻れる俺、少しは大人になっているかな。それにしても箸が止まらない。ソースと肉汁が染みた千切りキャベツと、おしんこ、酢の物もアクセントにいい。メインのとんかつと一丸になっての全員野球だ。

　結局、ご飯大盛り3杯もおかわりしてしまった。疲れた体に豚肉のビタミンBが染み渡っている。これぞ至福の時だ。これできょう11日からの第3クールも頑張れそうだ。開幕スタメンをつかみ取るためにも、キャンプでしっかり体をつくって、宮崎のおいしいご飯を食べて最高の1カ月にしていくぞ～。（埼玉西武ライオンズ外野手）

　◇渡部　聖弥（わたなべ・せいや）2002年（平14）8月31日生まれ、広島県府中市出身の22歳。小1から南少年野球クラブで野球を始め、中学では府中野球クラブに所属。広陵では1年秋からベンチ入りし、2年春に選抜出場。大商大では2年秋に1シーズン最多記録となる5本塁打を達成。昨夏の大学日本代表では主に3番を打った。50メートル走6秒1、遠投110メートル。1メートル77、88キロ。右投げ右打ち。　

　▽とんかつ大晃　豚肉と米は地元宮崎県産を使用し、肉汁たっぷりでピンク色の新鮮な豚肉を厳選。最高の状態で届けるため、高温の揚げ油で肉汁を閉じ込めたあと、低温でじっくり中まで火を通す。タレ類は全て手作り。とんかつソースは3日間かけて煮込んで仕上げる。宮崎名産であるチキン南蛮も絶品と評判で、地元サイト上で投票されたチキン南蛮50選に選出された。宮崎県日南市上平野町1の4の1。（電）0987―23―6505。

　【ふらっと番記者】絶品とんかつを食べたい一心で記者も「とんかつ大晃」に足を運びました。さすがに300グラムは厳しいので、とんかつ140グラムの「十四ロース膳」を注文。今まで食べたことのない衣の甘さと肉厚の豚肉が衝撃でした。

　「選手が来てくれて、たくさん食べて喜んでくれるのが何よりうれしい」と店長の河野友洋さん。西武だけでなく、同じ日南市でキャンプ中の広島の選手からも大好評で、特に野間選手がお気に入りだそう。

　それにしても渡部聖は300グラムのとんかつに、ご飯大盛り3杯をおかわりしたとは驚きました。ベンチプレスはマックス130キロを上げる強靱（きょうじん）な肉体は、規格外の胃袋からつくり上げられていたんですね。（西武担当・福井　亮太）

　≪送球と打撃で猛アピールに成功≫渡部聖は開幕スタメンを狙い猛アピール中だ。7日のシートノックは中堅から三塁へ鋭いノーバウンド送球で首脳陣の視線をくぎ付けにした。同日の初のランチ特打では西口監督の前で柵越えも披露。8日にライブBPで打席に立ち、若手の黒田、山田らから3安打して持ち前の打力を発揮した。外野はいずれもレギュラーはおらず、新外国人ネビン、西川、長谷川、蛭間、岸らと3枠を争う構図。「逆方向にいい打球が出てきている。もっとプロの球に慣れてレベルアップしていきたい」と見据えた。