度会!森敬!松尾!DeNA ドラ1トリオが先頭から衝撃の3者連続アーチ

初回、ソロ本塁打を放つDeNA・度会（撮影・島崎忠彦）

　◇練習試合　DeNA16―5中日2軍(特別ルール)（2025年2月12日　読谷）

　DeNAは12日、沖縄県読谷村で中日の2軍と練習試合を行い、初回に“ドラ1トリオ”が衝撃の3者連続アーチを見舞った。23年ドラフト1位の先頭・度会隆輝外野手（22）、続く19年1位の森敬斗内野手（23）がともに右越えにアーチをかけると、締めは22年1位の3番・松尾汐恩捕手（20）が左越え弾。「打てる捕手」として期待される高卒3年目の若武者が、正捕手獲りへ向け猛烈にアピールした。

　松尾は覚悟を決め、自らに言い聞かせた。「もう、いったろう」。初回に先頭の度会、2番・森敬がともに右越え弾。「ドキドキした」とも振り返った打席で見事にファンの期待に応える。福田の初球の直球を捉えて左翼席に一発を運び、“ドラ1トリオ”による3者連続アーチを完成。「感触は凄くよかった」と白い歯を見せた。

　中日2軍との練習試合に「3番・DH」でスタメン出場。重圧をはねのけて初回に快音を響かせると4回は左越え二塁打、7回は左前適時打を放ち、3安打2打点をマークした。6回からは捕手として投手陣を好リード。今キャンプは打撃で手応えを感じており「思い切りのいい打撃はできた」と胸を張った。

　近い将来の正捕手候補として22年ドラフト1位で入団。2年目だった昨季は念願の1軍デビューも果たすなど27試合に出場した。CS、ソフトバンクとの日本シリーズにも出場して安打も記録。濃密な1年を過ごした。今季は一気に開幕スタメンを狙う20歳は「いけますよ！」と鼻息は荒い。最大の壁は正捕手の山本だが、負けるつもりはない。オフは2年連続でベテラン捕手の戸柱に弟子入り。34歳から技術を学んだ。

　三浦監督は初回先頭からの3者連続アーチに「なかなか見られない」と驚いたが、まだまだ発展途上の松尾には「課題もある」と言った。それでも20歳がアピールすれば捕手陣の競争も激化するだけに「もっと迷わせてもらいたい」とさらなる奮起に期待する。

　三塁打ならサイクル安打達成だった8回は、大阪桐蔭の先輩である根尾と対戦。中飛に倒れたが、今は全てを肥やしにして前に進む。「もうやるしかない。どんどんアピールする」と松尾。年齢も実績も関係ない。とにかく結果を積み重ね、正捕手の座を射止める。（大木　穂高）

　〇…プロ野球の公式戦の初回先頭から3者連続本塁打は過去に5度だけ。直近は20年9月20日広島戦でヤクルトの浜田→青木→山田哲が記録。DeNAは大洋時代の65年8月13日阪神戦で1度あり、近藤和→桑田→黒木の3人で達成した。なお、大リーグの直近では昨年8月31日のダイヤモンドバックス戦でドジャースの大谷→ベッツ→フリーマンがマークしている。