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1時間連ドラで異例の13話構成 日テレ系「推しの殺人」Pの飽きがこない工夫とは

スポニチアネックス / 2025年12月23日 10時1分

「推しの殺人」トリプル主演の(左から)横田真悠、林芽亜里、田辺桃子

 多くの10月クールドラマが終わり年の瀬を感じる中、現在も放送中のドラマがある。10月2日にスタートした、読売テレビ制作の日本テレビ系「推しの殺人」(木曜後11・59)だ。今月25日にいよいよ最終回を迎える。1時間の連ドラとして、最近は8~10話、長くても11話で完結する作品が多い中、異例の13話目となる。プロデューサーの中山喬詞氏に気になる話数について聞いてみた。

 今作は、トリプル主演の田辺桃子、横田真悠、林芽亜里が演じる3人組地下アイドルが事務所社長を殺してしまったことを隠蔽(いんぺい)することから物語が始まる。次々とピンチに襲われ、未解決の連続殺人事件にも巻き込まれていくサスペンスだが、「謎解きだけで終わるよりも、主人公たちの成長を描きたい」と話す中山氏。話数があることで、その世界観を実現させている。

 第1話から謎が続いていた連続殺人事件の犯人(増田貴久)が第9話で判明。事件解決だけならば、ここで結末に向かうところだ。だが、さらに4話あることで「犯人が分かってから、主人公たちがどう敵対していくのか」を描くことができる。

 話数が多ければ情報量も増える。3人の主人公それぞれに焦点が当たる放送回があり、「人物の心情や過去をじっくり描ける。消化不良にならず、キャラクターに愛着をもってもらえる」と効果を実感。だからこそ、犯人(増田)判明後の主人公たちの立ち居振る舞いに視聴者がより引きつけられる。

 一方、「これまでは8話がジャストサイズなのかなとも思っていました」とも告白。これまでの経験から「10話でも全体構成を考えると、1、2話分くらい停滞しそうなところがあると感じたりもしていました」という。それだけに、今作の13話構成には「ストーリーが薄味になったり停滞しないようにしなければ」という課題が当然あった。

 そこで、原作小説は大阪での物語だったが、ドラマでは大阪だけでなく東京を舞台にしたオリジナル要素も追加。1~6話が大阪編、7~13話が東京編となった。また、連続殺人事件も実はオリジナル要素で、主人公たちの殺人隠蔽以外の大きな軸も作り出し、飽きがこない工夫を凝らしている。

 13話を描くことで大きな気付きもあった。「登場人物の出し入れは勉強になりました」。例えば、8話で主人公のうちの1人(横田)の弟(本島純政)が登場し、3人組を揺さぶる存在となった。「新しい登場人物を出すことで、無理に引き延ばさずに盛り上がりを作れる」と手応え。その弟は8話ですぐ3人の前から姿を消しており、メリハリもあった。

 また、6話で主人公たちに瀕死(ひんし)の状態にされた後に姿が消え、死亡説もささやかれていたマーケティング会社代表の男(城田優)が、9話ラストで殺人犯(増田)の監視下で生きていたことが判明し、視聴者に衝撃を与えた。「消えてもすぐ次の話で登場したら驚きはなかったと思います。間がしっかり空くことで本当に消えたと思わせられたのは、話数が長いからこそ」と振り返った。まさに出し入れで物語にアクセントがついている。

 放送局の編成事情によることは間違いないが、今後、話数が長い作品は生まれるのか――。中山氏は「ジャンルによるのかもしれない」と考える。「例えば、恋愛モノで挑戦したら難易度が高そうです。長くなると、先延ばしや似たような展開の連続に思われてしまう難しさがありそうです」と分析。その点、サスペンスやミステリーではヤマ場や展開を多く作れる見込みがありそうだ。実際に「あなたの番です」「真犯人フラグ」のように2クール連続で描かれた作品もある。

 今年は映画「国宝」が大ヒットし、175分という放映時間の長さも大きな注目を集めた。映画館に足を運んで視聴する映画と、今や配信などで好きな時間にどこでも見られるドラマでは形態が大きく異なるが、ドラマの話数に着目することも、新しい発見がありそうだ。

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