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[INTERVIEW] 王になったヒョンビン、「僕の演技に満足できない!」

THE FACT JAPAN / 2014年5月17日 15時58分

映画「逆鱗」の主演俳優ヒョンビンが13日、ソウルのあるカフェで<スポーツソウルドットコム>とのインタビューを行った。|© ALL THAT CINEMA


[スポーツソウルドットコム|ソン・ジヨン記者] 俳優ヒョンビン(31、実名:キム・テピョン)はデビュー11年目の俳優だが、今もどんな事でも慎重に動く。対面する人さえ緊張させるほど、彼の言動一つ一つには謙虚さと真摯な面がにじみ出る。そんなヒョンビンの性格は、朝鮮王の正祖(チョンジョ)を演技するのに役に立ったのだろうか。
ヒョンビンは除隊後の復帰作としてイ・ジェギュ監督の映画「逆鱗」を選択した。朝鮮の第22代王である正祖。幼い頃に父を失った正祖は一生、死の脅威に苦しめられた悲運の王。だが、現在にも“聖君”と称されるくらい、尊敬された王でもある。そんな“聖君”を「逆鱗」を通じてヒョンビンが演じたのだ。しかし、彼に「満足していますか」と尋ねると、寂しい表情で静かに答えた。
「満足していません」
彼は、愉快だったり刺激的な人ではない。そのためか、より一層深い味が感じられる俳優だ。王になったヒョンビンを13日、ソウル・三清洞のあるカフェで直接対面した。
◆ヒョンビンが選択した「逆鱗」、言えなかった裏話
ヒョンビンが除隊後復帰作として選択した「逆鱗」は、朝鮮時代の第22代王である正祖の話だ。ドラマ「チェオクの剣」「ベートーベン・ウィルス~愛と情熱のシンフォニー~」「The King 2Heart」を演出したイ・ジェギュ監督がメガホンをとり、ヒョンビンのほか、チョ・ジョンソク、チョ・ジェヒョン、ハン・ジミン、キム・ソンリョン、パク・ソンウン、チョン・ウンチェなど演技派俳優たちが大挙出演して、封切りの前から話題を集めた。
映画ファンたちの高い関心は、映画の興行につながった。おりしもヒョンビンを直接向き合ったその日、「逆鱗」が損益分岐点を超えたという嬉しいニュースが聞こえ、彼にお祝いの言葉を渡した。
「嬉しいです。ファンの方々の関心のおかげです。『逆鱗』の舞台あいさつに100回以上も回ったと思いますが、3万人以上の観客と直接会いました(笑)。コンサートをする歌手のような気持ちになりましたよ。多くの方が映画を観覧していただき、出演者たちも、監督も皆、感謝しています」
ヒョンビンは「逆鱗」で朝鮮の王を演じた。11年目の俳優だが、初めて挑戦する時代劇だった。女優との甘いロマンスもなかった。“ロマンスなしにひげまでつけたヒョンビン”は、ファンにとって、想像できない“難題”と同じものだった。
「僕はむしろ良かったです(笑)。男たちとロマンスのような友情を交わしたので、大変良かったんです。軍隊のことで2年以上のブランクがあったので、演技に対する渇きがひどかった。そんな中で出会った作品が『逆鱗』です。僕にとっては、大きな幸運だと思います。“正祖”という人物に出会ったのは、もう一つの演技勉強になりました。それで『逆鱗』は、僕のフィルモグラフィー中でも特別な作品として記憶されると思います」
ヒョンビンは“正祖”を演じたことと関連し、「幸運」という言葉で感想を表現した。彼は今回の作品で多くのことをもう一度考え、たくさんのことを学ぶきっかけになったと説明した。
「“正祖”という人物を演じながらキャラクターの勉強を一生懸命にしました。ファンが送ってくださった関連本を読んだり、監督との話もたくさん交わしたんです」
「王を演技する際に難しいことは、馬に乗ることでも、弓を射つことでもありませんでした。正祖の性格を作品の中に溶かし出すことが複雑で難しかったです。もちろん、今回のキャラクターだけでなく、すべての作品を終わらせた後には、物足りなさが残りまして、それが当たり前のようになりました。僕はまだ未熟ですね」
◆“ヒョンビン”という名前とプレッシャー
“ヒョンビン”。自分にとっては負担になる名前ではないだろうか。“ヒョンビン”という名前で主演したドラマ「アイルランド」「私の名前はキム・サムスン」「彼らが生きる世界」「シークレットガーデン」で、トップスターになり、いつも多くのスポットライトが“ヒョンビン”に降り注いたからだ。
彼に「キム・テピョンという実名が逆にぎこちなくなったのではないか」と半分冗談で聞くと、笑いながら「大丈夫です」と答えた。
「今は僕も“ヒョンビン”の方が慣れています。家族も僕に“ビン”と呼ぶんですよ。ただ、作品をする時に“ヒョンビン”という名で注目される場合は、少し辛いです。“ヒョンビンの筋肉”とか、“ヒョンビンの映画”とか、そういうタイトルは本当に残念に思います(笑)。そういうことで、我々が作品を通じて伝えたいメッセージの力が弱まる気がして、気に入らない時があります」
彼のこの言葉で演技に対する情熱、仕事に対する愛着が感じられた。除隊後に演技への渇きを感じたという彼の言葉で、彼の才能が「逆鱗」で100%発揮されたような気がした。冷めない彼のエネルギーと俳優というタイトルを守りたがる理由が知りたかった。
"僕は、限界が多い人です(笑)。しかし、作品を介してカメラの中に入ると、そういう限界が消えるんです。演技を通じて僕はさまざまな人生を生きることができますし、それは絶対飽きないんです。別の空間、別の時代で生きて、別の人になって、人と対面する。それが本当に楽しいです」
正祖に扮したヒョンビンに最後の質問を投げた。「映画の中の正祖は“小さな変化の力”を信じていた。『逆鱗』を通じて再び変身した俳優ヒョンビンの“変化”は何だろうか」
「まずはゆっくりといきたいと思います。今のようにですね(笑)。より良い人に、そしてより良い俳優に変化する努力を続けたいと思います。様々な作品に出演するために、自ら限界を設定しないようにして進みます。個人的には、人を理解する方法をもっと学びたいです。一つ一つゆっくりと進んでいきます」

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