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[映画レビュー] 「江南1970」ユ・ハ監督が造る新しいイ・ミンホとキム・レウォン

THE FACT JAPAN / 2015年1月20日 18時7分

イ・ミンホとキム・レウォンが主演を演じる映画「江南1970」が1月21日に韓国で公開される。|SHOWBOX Mediaplex


※テキストの中に映画のストーリー(ネタバレ)が含まれていますカメラが青い羅州(ナジュ)平野(地名。韓国・全羅南道44%に当たる平野)を横切るシーンから「江南1970」は幕を開ける。以降、街の物乞いに扮したイ・ミンホとキム・レウォンの顔がスクリーンをいっぱい埋め尽くす。平野と全く異なる灰色のボロ服をかけた二人の男は、たったの一食を解決するために街をうろうろし、生硬な感じがする。映画は、序盤に描写されあの2つのシーンで、強烈な色彩と二人の男の新しい変身が濃く染み出る。

「江南1970」(監督:ユ・ハ、制作:モベラ・ピクチャーズ、配給:SHOWBOX Mediaplex)は、ユ・ハ監督の10年にわたる「街をモチーフにした3部作」を締めくくる作品だ。「マルチュク青春通り」(04年)、「卑劣な街」(06年)を通じて、制度教育の暴力に蹂躙される青春。金が暴力によって消費される現実をスクリーンに収めた監督は、今回イ・ミンホとキム・レウォンという男たちを全面に出して、‘権力が暴力をどのように消費するか’を語ろうとする。

街3部作の完結を飾るこの映画は、エキスだけをぎゅうぎゅうと絞った感じだ。強くて重みのある“男の匂い”が充満しており、その分、残酷なアクションシーンは多少暴力的である。しかし映画は、刺激的なアクションシーンで物語を引っ張っていくのではなく、ばた屋に扮したイ・ミンホ、キム・レウォンの新しい変身に、ユ・ハ監督が持つ特有の繊細な演出で伝えたいメッセージをしっかりと中心に置いてある。
「江南1970」は、ユ監督が幼年時代の登校道によくみかけたばた屋(ごみ箱や道路上で紙くず・ぼろ・金物などの廃品を回収して生活する人)と、江南をめぐった都市開発計画を政治的秘話として紹介する本「ソウル都市計画物語」をもとに制作した。
主人公は、戸籍もまともにない孤児出身のジョンデ(イ・ミンホ)とヨンギ(キム・レウォン)。二人の男はばた屋の生活を続けながら実の兄弟のように互いを頼る。一食を心配しながら路上を徘徊するジョンデとヨンギの唯一の居場所は、無許可村の小さな小屋だ。

凍死しないよう小さな電球を胸に抱いて眠る二人の男には、夢を見る将来さえ贅沢に感じられる。しかし、その生活は間もなく終止符を打つ。再開発区域に指定された無許可の村は一瞬にして滅びることになり、居場所を失った二人はヤクザ出身のギルス(チョン・ジニョン)に救われる。その瞬間からジョンデとヨンギはばた屋生活を整理することになる。
以来、ギルスの勧めでチンピラたちが介入された全党大会の妨害作戦に絡んだジョンデとヨンギは離れ離れとなり、互いの生死も知らないまま各自の道を歩んでいく。ジョンデは、行き場を失くした自分を受け入れてくれたギルスの家で生活をはじめる。しかし、暴力団生活を清算して平凡に暮らすことを望むギルスの願いを拒んだジョンデは、自分の欲望のために情報と権力の首脳部にコネクションがあるミンマダム(キム・ジス)と組んで江南開発の利権争いに飛び込むことになる。一方でジョンデは、自分を家族として受け入れてくれたギルスと、彼の娘ソネ(ソルヒョン・AOA)を命よりも大切にする。

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