[コラム] “ヘル朝鮮”女優カン・ドゥリさん自殺から見る韓国社会
THE FACT JAPAN / 2015年12月26日 10時1分
先日、『怪しい三兄弟』(KBS)や『スキャンダル』(KBS)で活躍した女優のカン・ドゥリさんが自殺をした。「またか」と思ったのが、率直な気持ちだ。今年に入って自殺で亡くなった芸能人はKARAの妹分としてデビューしたアン・ソジン、俳優のパン・ヨンジン、キム・ヒョンジに続き、すでに4人に達する。日本の芸能界に比べ、圧倒的な自殺者が多い韓国芸能界。それは、芸能界だけに関わらず、韓国社会全体でも状況は同じだ。韓国は、OECD国家の中で自殺者数1位を記録している。2013年を基準としたOECD加盟国の自殺による死亡率は、人口10万人当たり12人。韓国は29.1人で、OECD加盟国のうち、最も高かったのだ。(OECD、「ヘルスデータ2015」)韓国統計庁が今年度、発表した統計によると、全ての年齢層で自殺率が下がったものの、20代・30代男性の自殺だけは増加したとういう。20代男性の自殺率は前年比4.2%増の21.8人、30代男性は同0.5%増の36.6人に上り、自殺は20代・30代の死因1位となっている。2013年まで10代の死因1位も自殺だったが、昨年は旅客船セウォル号沈没事故により運輸事故がトップになったそうだ。なぜ、ここまで前途有望な若者の自殺者が後を耐えないのか。それはいびつな韓国社会が影響しているのではないだろうか。それは韓国人特有の“熱しやすく冷めやすい。思い込んだら猪突猛進”の性格が災いしているのは言うまでもないが、背景にあるのが日本より深刻就職難である。OECDの報告書によると、韓国の若年層失業率は10・2%(6月)と、働き盛りの世代(30-54歳)の失業率と比較し、実に3.51倍に達している(OECD平均は2.29倍)となり、厳しい就職難に陥っている。そんな状況を揶揄して、昨今、若者の間で話題になっているのが“ヘル朝鮮”問いう言葉である。ヘルとはその名の通り英語で地獄という意味。自国に存在価値を見出せない若者が、自国のことをヘル朝鮮と卑下した言葉で呼び、SNSを中心に瞬時に広がったのだ。韓国のネット上の結びつきはいわずもがな、“ネチズン”としてネット上でリーダーシップをとるものもおり、市民権を得ているのだ。その強固たる絆が、11月に起こった朴槿恵政権に反旗を翻すデモにも現れている。 日本以上に名声にとらわれ、体面を気にする韓国人。成功への熾烈な競争に疲れ果てた上に襲いかかった出口が見えない就職難。芸能人たちも成功に執着するあまり、なかなか思うように行かない生活にいつしか疲れ果て命を絶ったのだろう。ヘル朝鮮打破は朴槿恵政権の大きな課題である。THE FACT JAPAN|中西美穂
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
自殺率世界1位の韓国、今年1~5月の自殺者数が10%増加=韓国ネット「自殺する理由は競争」
Record China / 2024年8月8日 7時0分
-
佐渡金山の世界遺産登録、「尹政権の対日外交は総体的に乱脈の様相」と韓国紙
Record China / 2024年8月2日 21時0分
-
深層韓国 韓国の尹大統領夫人は「傾国の美女」となるか 金建希氏の整形、改名、経歴詐称…与党代表との確執の原因、検察組織にヒビ割れも
zakzak by夕刊フジ / 2024年8月2日 6時30分
-
「天才検事」から「政権与党代表」…韓東勲氏、韓国「保守の救世主」になるか
KOREA WAVE / 2024年7月25日 11時0分
-
公務員試験の倍率は驚異の3572倍…「学生の2人に1人が無職」の中国で共産党加入者が殺到する深刻な理由
プレジデントオンライン / 2024年7月15日 8時15分
ランキング
-
1【全文】フワちゃん、やす子への不適切投稿を直接謝罪「自分のしたことを心から反省」誤爆までの経緯も説明
モデルプレス / 2024年8月8日 21時32分
-
2「中途半端」二宮和也、朝ドラ『あんぱん』で北村匠海の“父親役”に辛辣声上がる事情
週刊女性PRIME / 2024年8月8日 18時30分
-
3俳優の不倫に「どうなるかって想像ついたと思う」 中丸雄一、4年半前に「大ブーメラン」投げていた
J-CASTニュース / 2024年8月8日 19時50分
-
4やす子 自身Xで「SNSは明るい言葉を発信したいと思っているので、今後は言及しません」
スポニチアネックス / 2024年8月9日 8時37分
-
5秋野暢子、鹿児島滞在中に地震に遭遇したことを報告 「私は大丈夫です」のコメントに「無事でよかった」の声
スポーツ報知 / 2024年8月8日 19時9分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください