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観光船沈没事故…被害者家族が会見 桂田社長に怒り噴出 4人の家族が率直な思いを発言

STVニュース北海道 / 2024年7月3日 21時30分

きょう(2024年7月3日)、札幌地裁に訴状を提出したのは、知床・観光船沈没事故で死亡・行方不明となっている乗客14人の家族ら29人です。

2022年4月に知床沖で発生した観光船「KAZUⅠ」の沈没事故を受け、乗客家族らは運航会社の「知床遊覧船」と桂田精一社長に対し、約15億円の損害賠償を求めています。

裁判に参加する家族が、オンライン形式で会見に臨み、苦しい胸の内を明かしています。

【被害者家族の男性】<提訴にあたってのコメント>

「今回、民事訴訟の提起にいたりましたが、桂田氏は民事的な責任を負うだけでなく、刑事的な責任はもちろん、事件に伴う社会的な影響に対してもしっかりと果たすべきではないでしょうか。わたし自身だけでも、今回の事件だけでも心に大きな傷を負い、仕事をやめざるを得なくなりました。空き家となった家族の家を片づけるときの思い出を振り返るときのつらい状況、仕事のときも家族のことを考えてしまい、精神的な負担からキャリア形成にも影響がでてしまった状況、事件対応せざるを得なくなり家族と過ごす時間すら消費される状況に思いを巡らせてもらえればと思います。これは金銭的な賠償の問題だけにとどまるものではありません。また、桂田氏は命を奪っているにも関わらず、個別の謝罪などもしていません。桂田氏が責任に対して、向き合っていないことに非常に腹立たしい思いです。今まで見えていなかったところもあるので、まずは民事訴訟で、桂田氏の責任の果たし方の一端を見ていただけたらと思います」

Q.これまで桂田氏は真摯な謝罪がないと思うが、こうした態度をどう感じているか

「事故直後の会見でもあったように、「この度はお騒がせして申し訳ございませでした」と言ったと思うんですけど、自分のことのように思えていないとすごく思います。事故直後だけじゃなくて、いままで事故に関しては一貫して、船長が悪いと思っている。被害者家族に対しては、なにも自分で対応する気はない、自分の責任だと考えていないと思います。対応に対しても、謝罪が無かったり、会社の状況に関して説明する、事故についてどう思っているかも全く対応がないので、すごく不満に思います。謝罪が欲しければ連絡してと言われたので連絡したんですけど、そうすると、そんな意思はないと言われて謝罪されなかったんです。たらい回しにあったんです。それがすごく腹立たしかったですね。向こうも弁護団がいて、人によって謝罪する意向の人もいれば、そうでもない人もいて、たらい回しにあいました。それはすごく腹立たしい。」

Q.たらい回しにあったのは具体的にいつ頃で、どのような返事がきたのか?

「国交省が毎日、毎週説明会をしていた時だったと思います。国交省に対して、なぜ向こうは謝罪がないのか、謝罪するように言ってくれと要請したのを覚えています。そこで国交省が向こうの弁護士に連絡してくれたが、謝罪を希望の方は担当弁護士に電話くださいと。担当弁護士に連絡をしたけど、そんな話は聞いていませんと言われました。」

Q.謝罪を求めた理由は?

「当然こんな事故を起こしておいて、謝るのは当然だと思うから、過去の事故の話を聞いても、謝罪をするのは普通というか、当たり前、当然なんです。JALの事故にしろ、尼崎にしろ、電車の脱線にしろそれが当然で、むしろなぜ今回ないのかが分からない。」

Q.最後に伝えたいことは?

「今回のこの件で、被害者となった方々は、一家みんな亡くなったケースや遺族の家族を一人残してみんな亡くなってしまったケースがあるんです。私は正直、桂田氏一人が責任をとって終わらせるのも、法的にはそれしかできないけど、納得いかないと思っています。一家皆殺しにあってるんです。にもかかわらず、桂田氏は自分のことだけを考えて、それなりの暮らしを続けているのがどうしても許せないです。」

【息子(当時34)を亡くした父 親(60代)】

「午後3時の弁護団会見でも発言していただいたが、これほどの悲惨な事件を風化させてはならない。集団で訴訟を起こすことで報道機関に取り上げてもらって、世間に知らしめて、こういう悲惨な事件が二度と起きないようにという警鐘を鳴らすという意味で、今回こういう訴訟に踏み切った次第です。これを契機に、運送業、輸送業に携わる方たちが、直接携わる人だけでなく間接的に携わる人たちも、自分たちの仕事が人命に直結しているという意識を常に持って仕事をしていただきたいと、そういうことも訴えたい。もう一つ、あの日から私たち遺族は本当に苦しみと悲しみをずっと持ち続けた毎日を送っているが、桂田は平然と何の謝罪もなく、平然と自分と自分の家族の幸せのために仕事をしているのがどうしても許せない。それを考えると怒りがこみ上げてきます。それも訴えたい。」

Q.これまで桂田氏は真摯な謝罪がないと思うが、こうした態度をどう感じているか「発言を聞いていると、船長に責任を擦り付けている部分がかなりあります。まず、そのことで怒りがこみ上げてきます。確かに運航が始まったら船長の責任に比重がかかってくるけど、発航前は対等、もしくは運行管理者としては対等、安全統括管理者としてはさらに上にいって判断をしなければならない立場だった。まったく責任を感じていない部分は大間違いで、ひどい人間だと思います。謝罪も、全く誠意がない、人間の優しい気持ちを持っていない。桂田が謝罪をしてほしければ連絡してほしい、それなりに対応すると、そういう発言をしている。どう思いますか?信じられないでしょう。この発言を聞いただけで、どれだけ誠意がないと分かると思う。たとえ門前払いを食っても、各家庭を全国行脚するぐらいの態度を示さなければならないと思う」

Q.法廷で桂田氏に言いたいこと

「誠意があるなら潔く、自分の責任を認めなさい。その一言です」

Q.裁判官に求めることや期待することは

「裁判になったら、桂田は船長に責任を擦り付けると思う。ですが、死人に口なしですよね。ですから裁判長には桂田のいうことをまともに受けてもらいたくないと思います。社長だったわけですから、一切逆らえなかったと思うんです。桂田のいうことに対して、船長が。そのことを常に念頭に置いて考えていただきたい」

【被害者家族の男性(20代)】

Q.裁判官に求めることや期待することは「私たち家族のつらい気持ちを汲み取ってもらって、裁判の量刑に反映してもらえたらと思う」

【息子(当時7)が行方不明の父親(52)】

Q.裁判官に求めることや期待することは「自分は桂田は殺人犯だと思っているんです。今回のことは事故じゃなくて、事件なんです。桂田が言い訳していますけど、船が出航していなければこの事件は起きなかったわけですから、大量殺人犯なんです。この男が何も罰を受けないなんてありえないと思うし、そんなことがあろうことなら日本の法律がおかしいと思う。その辺をしっかりお願いしたい。」

Q.これまで桂田氏は真摯な謝罪がないと思うが、こうした態度をどう感じているか「桂田の態度ですが、全く反省していないどころか、たぶん本気で自分が被害者だくらいに思っているということも、現地の方から、桂田に近い方から聞いていたんです。この事件が起きる前から、問題が起きるたびに自分が可愛くてしょうがないから、すべて人に責任を擦り付けて自分が助かりたい、人としておかしい。」

Q.法廷で桂田氏に言いたいこと

「今回の事件では幼い子供も犠牲になっているんですけど、桂田は、自分の子どもと接するときになにか今回の事件について、思い出すことはないのか。本当に反省しているなら何か感じるはずなんですよね。事件にあった被害者や被害者の家族に本当に申し訳ないと思うなら。私たち被害者家族は、もう話がしたくても手をつなぎたくても、できないんです。抱きしめることも…。だけど、事件を引き起こした張本人である桂田は自分の子どもを抱きしめたりすることができるんです。なにかその時にどう思っているのか、いまの心境を聞いてみたいですね、桂田の口から、どう思っているのか。」

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