1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「大みそかにおせち」「年越し寿司」北海道の“年越し”を本州出身・宮永アナと百瀬記者で紐解く

STVニュース北海道 / 2024年12月29日 9時26分

【動画】「大みそかにおせち」「年越し寿司」「口取り」北海道の“年越し文化”をナゾトキ

生活に潜む様々なナゾを解き明かす「ナゾトキ」です。

きょうのナゾはこちら!「正月の食文化のナゾ」です。

本州では元日におせちを食べるのが一般的ですが、北海道では大みそかに食べるという人が多いのではないでしょうか。

そのナゾを紐解きます。

ピークのおせち…北海道の配達日は他より早い?

(宮永キャスター)「お邪魔致します。いまこちらではどういう作業を?」

(鱗幸食品営業部 浅野里子さん)「おせちの盛り込みの作業をしていて、一段重を製造しています」

札幌市西区の食品会社です。

年末年始に向けたおせち料理の製造がピークを迎えていました。

カニやエビ、イクラなど入った豪勢なおせち。

すべて道産の食材で作られているそうです。

(宮永キャスター)「こちらの工場ではどのくらいの数を製造?」

(鱗幸食品営業部 浅野里子さん)「ことしのおせちのセット数・台数でいうと約1万台くらい」

(宮永キャスター)「すごい数ですね」

こちらでは冷凍おせちをメインに作っていますが、来週中に製造を終えなければ年末年始に間に合わないといいます。

(宮永キャスター)「配達の日にちを北海道用に合わせたりしている?」

(鱗幸食品営業部 浅野里子さん)「北海道では大みそかに召し上がる方が多いので、弊社から発送する分には、(すべて)12月30日に届くように商品をお送りしている」

なぜ、大みそかにおせち!? 昔の”名残”が残る北海道

なぜか北海道では大みそかの夜におせち料理を食べる習慣があるんです。

道外の人に聞いてみるとー

(百瀬記者)「北海道は31日に食べる方が多いんですが」

(愛知から来た人)「(明ける)前ですか!」

(千葉から来た人)「初耳です」

(東京から来た人)「元旦に食べると思っていました」

本州では、おせち料理を元旦・元日の朝に食べるのが一般的です。

なぜ、道民は大みそかにおせちを食べるのか。

北海道の食文化に詳しい学芸員の平井郁さんに聞きました。

(北海道開拓の村 平井郁さん)「日が沈めばもう翌日が始まるという考え方です。日が沈んだところからもう新年が始まったという考え方でごちそうを食べようというのが続いているんだと思います」

明治初期まで使われていた「旧暦」では、太陽が沈む日暮れが1日の始まりとされています。

つまり、12月31日に日が暮れると正月を迎えたことになり、おせちを食べる家庭が多いといわれています。

ところが、道民にさらに話を聞いてみると意外な答えがー

令和の正月…おせち料理いつ食べる?道民も”二大派閥”

(名寄市民)「12月31日」

(石狩市民)「私1日派」

(札幌市民)「31日に食べます」

(札幌市民)「1日です」

(百瀬記者)「ずっと子どものころから?」

(札幌市民)「1日です。そういうものだと」

(百瀬記者)「道内だと31日に食べる人も多いと思っているが?」

(札幌市民)「そうなんですか?うちはずっと1日です」

去年、大みそかにおせちを食べた人の割合は…?

2023年、道内で大みそかにおせちを食べた人は67.7%。

全国で比較してみると青森県は80.8%、新潟県は70%と、北海道より割合が多くなっています。

札幌市内のデパートでは、おせちを食べる習慣が変わってきたことから、冷凍おせちの取り扱いを増やしたということです。

(大丸札幌 大山里奈さん)「2、3年前から(需要が)増えてきていまして、正月に働く方もいるので、解凍して三が日のうちに召し上がるという方が増えてきている」

(北海道開拓の村 平井郁さん)「核家族もあって年末年始に限らなくなっていたり、結婚などそういった形で別の地域と別の地域が混ざり合って、家族の形態が変わってきたのと、やっぱり一人一人が持っていた文化がかつてよりは複雑ですよね」

“大みそかに年越し寿司”文化出現!?老舗すし店「一年で一番繁盛する日」

実は、大みそかに食べるのは「おせち」だけではありません。

こんなごちそうも人気があるようです。

こちらは2023年の大みそかに撮影したデパートの様子です。

お客さんが次々と手に抱えているのはそう、「お寿司」です。

(客)「お寿司です。ありました。バトルしました。ゲットしました」

丹精込めて握るお寿司。

地元客から愛されまもなく100年。

昭和2年創業の江別市にあるすし店です。

老舗の技を受け継ぐ三代目の大将・津田喜昭さん。

大みそかは目が回るような忙しさだといいます。

(やま六鮨 津田喜昭さん)「北海道は多いですよね。お寿司を大みそかに食べられる人。一年で一番繁盛する日です。大変な日です」

予約殺到「年越し寿司」なぜ大みそかに寿司?

50年ほど前から大みそかに提供しているのが、年越しそばならぬ“年越し寿司”です。

この光輝くトロ!

記者も食べずにはいられなかったようです。

(百瀬記者)「おいしい!この脂がですね、口に入れた瞬間に甘みがすぐに伝わってきて、まさに大みそかのごちそうなんじゃないですか」

(やま六鮨 津田喜昭さん)「そうですね」

大みそかには、すでに驚くほどの予約が入っていました。

(百瀬記者)「こちらは何ですか?」

(やま六鮨 津田喜昭さん)「こちらはことしの注文票ですね」

(百瀬記者)「だいたい何人前あるんですか?」

(やま六鮨 津田喜昭さん)「800人前です」

(百瀬記者)「800人前?」

(やま六鮨 津田喜昭さん)「はい」

(百瀬記者)「大みそかだけで800人前?」

(やま六鮨 津田喜昭さん)「はい、そうです」

次々生まれる“令和の正月文化”

マチで聞いてみてもー

(札幌市民)「お寿司ですね」

(百瀬記者)「年越し寿司?」

(札幌市民)「年越し寿司」

(札幌市民)「そばも食べます。寿司も食べます。大みそかはむしろ豪華な感じで」

(北海道開拓の村 平井郁さん)「(大みそかに)ごちそうを食べるという意味でのお寿司なんだと思います。最近はかつてより、回転ずしとかの普及もあって、お寿司が近くなった。年越し寿司というのはごく最近の話で、あとでつけられた言い方だと思う」

北海道に古くから伝わる正月の「口取り菓子」のいま

新たな食文化もあれば、古くから伝わる正月の食べ物がもう一つ、「口取り菓子」です。

函館市内の和菓子店では、正月に向けて「口取り菓子」の製造が続けられています。

道内では正月に無病息災などを願って食べる習慣がありますが、これまで使ってきた木型を見せてもらうと、なぜかタイやエビの形をしたものばかりです。

(吉田食品 吉田貴之社長)「本州からタイやエビがあまり手に入らなかったという時代から、お菓子でタイやエビを表したりとか縁起のいいものを(パックに)詰めていると聞いてます。(創業が)昭和17年からなので、昭和20年くらいのころには作っていたと、私のおじいさんの時代ですね」

学芸員の平井さんによると、口取り菓子は北海道の開拓とともに、移住した人から持ち込まれたものとみられます。

(北海道開拓の村 平井郁さん)「移住してきた人たちがもともと持っていた文化といいますか方法で、こちらでもしようとした結果、それがいまだに形として残っている。本州の方のいろいろな地域のものがちょっとずつ入ってると考えると、北海道には全国の文化が入り混じって今があるというふうに思うんですね」

全国から多くの方が北海道に移住し、それぞれの”ふるさとの文化”を北海道に残してきたことが分かりました。

一方で、家族の形態が変化していくことで薄れていく文化もあるかもしれませんが、北海道の豊かな食文化として残していきたいですね。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください