感動物語を書きたいのではなく、愛のおすそわけをしたいだけ!noteの女王が新刊を出した理由

Suits-woman.jp / 2020年9月22日 10時30分

写真

感動物語を書きたいのではなく、愛のおすそわけをしたいだけ!noteの女王が新刊を出した理由の画像

noteやTwitterで話題の作家・岸田奈美さん。堅実女子の中にも、彼女の文章を目にしたことがある人がいるのでは?

自身のnoteは年間800万PVを誇り、 “noteの女王" と自称している彼女の文章は、ギャグに吹き出したと思ったら、涙があふれてくるなど、読む人の心を揺さぶることから、幅広い年代の人たちに愛されています。一体どうしてそんな文章を書けるのか、そして彼女の何が人々を惹きつけるのか、インタビューしてきました!

岸田奈美さん。

PROFILE:岸田奈美 1991年生まれ。100文字で済むことを2000文字で書く作家。年間800万PVあるnoteのキナリ☆マガジンを中心に、数多くの媒体で連載を持つ。2020年9月、初のエッセイ書籍『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(小学館)を出版。

障害のある家族って…?

ーー車いすユーザーのお母さんや、ダウン症で知的障害のある弟さん、そしてベンチャー起業家で急逝したお父さんのことなど、家族のことをつまびらかに書いている岸田さん。実際に読者からは、さまざまな声があるのでは?

「泣いたり笑ったり、応援してくれる人がたくさんいる一方で、中には『岸田さんの文章を読むと、障害のある家族と仲が悪い自分が否定されているように感じる』『私は障害のある家族の面倒をみて、こんなに辛い思いをしているのに……』などの声もあることは事実です。

私は、障害のある家族と健気な女の子の感動物語を書きたいわけではありません。でも、そういう風にとらえられてしまうこともあるのか、と悩んだこともありました。

そんなとき、今回の本でも協力いただいた写真家の幡野広志さんとの会話で、気づけたことがあったんです」

家族だから愛したのではない、愛したのが家族だった

ーーどんなことに気づいたのですか?

「私は、家族に車いすユーザーの母、障害のある弟がいるから、サポートをしているのではないことです。家族だから愛したのではなく、愛したのが家族だったんだって。外から与えられたことをただ受け入れるのではなく、自分で選択することを続けた結果、今があると思っています。

そう思えるようになったのは、母が、『人を大切にできるのは、人から大切にされた人だけだ』と、いつも私のことを尊重し、事あるごとに抱きしめてくれ、事あるごとに褒めてくれたから。弟にも私にも平等に愛を注いでくれたんです。『弟の面倒をちゃんとみなさい』とは、一度も言われたことがありませんでした。

もし、『弟に障害があるから、お姉さんとしてちゃんと面倒をみなさい』と言われて育ったら、私はいつも我慢して、弟のことを嫌いになっていたのではないかと思います。

私は、母や弟と幸せになることを選んでいるんです。だから、私の愛する家族のことを、もっとみんなに知ってもらいたい、 “愛のおすそわけ” のために書いています。

本だからこそ伝えられること

笑顔がチャーミングな岸田さん。

ーー今回の著書には、すでにnoteで発表した記事が多く含まれていますね。

「もしも自分が本を出すとしたら、1冊目はnoteの内容にしたいとずっと考えていました。最も私らしさが出ているのがnoteだと思っているからです」

ーー岸田さんらしさとは?

「速さと熱量です。私は記事をいつも衝動的に書いているんです。まるで友達に、『ねえ、聞いて聞いて!今面白いことがあったんだけどさ』というノリで。後から書き下ろすと、その熱量が消えてしまうだろうなって」

ーーすでにnoteで記事を読んでいる人もいると思うのですが、今回の本はそのような人たちでも楽しめますか?

「今回書籍化するにあたり、noteの内容からかなり書き直したんです。理由のひとつが、横書きと縦書きの印象の違いがあったこと。ネット記事など横書きの文章は流し読み、本の縦書きの文章はじっくり読まれる傾向があると感じていて。例えば、横書きの文章なら、文と文に間があっても、読者の想像で読み進められるものが、縦書きだと、しっくりこないなってことがあるんです。だからnoteで読んだことがある人も、今回の本は楽しんでいただけると思います。

あと、今回の本、ページ番号は弟が書いてくれたんです。1ページ1ページに弟の魂が込められています!」

ページ番号を書いている弟さん。

ーー今回の本をどのような人たちに読んでもらいたいですか?

「世代や属性問わず、どんな人たちでも楽しんでもらえると思います。私が書く内容は、家族の話を中心に、仕事や日常のクスッと笑える話など、かなり幅広いんです。だから、どの世代の人たちにも、何かしら響く記事があるはずです。実際、私のツイッター、フォロワーが8万人以上いるのですが、属性はバラバラなんですよ。本なので、ネットに慣れ親しんでいない世代の人たちにも読んでいただけると思います。

また、今回、装丁をブックデザイナーの祖父江慎さんにお願いしたのですが、祖父江さんは打ち合わせでパッと原稿を読み、『この本は今まで縦読みの本に慣れてない人たちにも、手にとってもらいたいですね。サイズも小さめで、手に取って持ち運びやすい本にしましょう』と言ってくださいました。

私の文章をずっと読んでいただいている人も、初めましての人も、きっと響く何かががあるはずです。文章やページ番号、イラスト、写真など、本だからこそ楽しめる内容になっています。たくさんの人たちに手にとっていただけたら嬉しいです!」

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』小学館刊・9月23日発売

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング