東京農大・前橋健二教授に教えてもらいました|ギルティフリー!「糀甘酒」の甘い免疫力アップ術~その1~

Suits-woman.jp / 2020年11月3日 11時45分

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新型コロナウイルスとのおつきあいも、だいぶ長くなってきました。ウイルスに負けず元気に生きるには、なんといっても免疫の強い身体になること。そのために大事なのは、やっぱり食べもの、飲みものです。

Withコロナ時代に入り、ウチ食が増えたことで偏食になったり、アルコール量が増えてしまったり……そんな中、ギルティフリーかつ、おいしくいただきながら免疫アップもできる食材に注目が集まっています。今回ご紹介するのは、「糀甘酒」(こうじあまざけ)。発酵調味料研究の第一人者であり、『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』という本まで書かれた東京農業大学の前橋健二教授に、そのおいしすぎる魅力を聞きました。

前橋健二(まえばし・けんじ)教授 。

PROFILE:前橋健二(まえばし・けんじ)教授 東京農業大学 応用生物科学部醸造科学科教授。みそ、しょうゆ、糀甘酒、塩麹など、発酵調味料研究の第一人者。

砂糖は一切入っていないのに甘い理由

みなさんは「甘酒」というと、どんなイメージを思い浮かべますか?甘い。日本酒の香り。しょうがの香り……などなどでしょうか。「正月の神社で配っている飲み物」という人もいるかもしれませんね。

前橋教授、はじめに「糀甘酒って何?」から教えてください。

「糀甘酒とは、米こうじに炊いたごはんと水を混ぜて発酵させた飲み物です。甘酒には2種類あって、酒粕(さけかす)を使った甘酒もあります。日本酒の香りがする甘酒は、こちらです。ただ、糀甘酒とは大きな違いがあります。酒粕を使った甘酒は、砂糖を入れることで甘くしているのですが、糀甘酒には砂糖が一切入っていません。また、“酒”とありますが、アルコールは0%です」

砂糖を入れないのに、甘いのですか?

「材料になる糀と米、それ自体は甘いものではありませんが、米糀が持つ分解酵素の働きで、米のデンプンが糖化されて甘くなるため、自然で濃厚な甘みがします。まさに発酵の力です」

こうじとは、米や麦、豆などの穀物を蒸したものに「麹菌」(こうじきん)を付けて繁殖させたもの。つまり菌です。ところで、糀甘酒の「糀」は米偏ですね。インターネットで「こうじ」を検索すると、だいたい「麹」が出てきます。麦偏です。実は、その字のとおり、「糀」は米を原料にした「こうじ」で、「麹」は米に限らず麦や豆など穀類を原料にした「こうじ」です。

米のこうじは「糀」。

腸内環境を整えてくれる栄養の宝庫

では、糀甘酒が免疫力をアップする理由を聞いていきましょう。

前橋教授、糀甘酒にはどんな栄養があるのですか?

「糀甘酒には、350種類以上もの栄養成分が含まれています。必須アミノ酸を含むたんぱく質、ビタミン類、食物繊維、ミネラル、ブドウ糖,オリゴ糖など、身体にいい栄養成分がたっぷり入っているのです。

たとえば、人間の体内では生成できないビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、葉酸など)は、糀が発酵する際に生まれるものです」

「免疫力がアップする」のはなぜですか?

「糀甘酒は腸内環境を整えてくれるからです。『腸は免疫を司る臓器』と言われているのをご存知ですか? 体内に存在する免疫細胞の約7割が、腸に集中しています。その腸の環境を整えているのが、腸内に生息する細菌の集まりです。乳酸菌をはじめとした、いわゆる“善玉菌”が活発に活動することで腸内環境が整い、免疫機能が高まるのです。健康のためにも、美容のためにも、腸内環境を整えておくことが大切です」

糀甘酒の、どの成分が腸内環境に有効なのですか?

「まず、オリゴ糖や食物繊維ですね。腸内の乳酸菌などの善玉菌たちのエサになります。元気になった善玉菌が腸内を酸性環境にし、腸の粘膜にバリアを張って悪玉菌の増殖を防いだりするのです。食物繊維は、腸の動きを活発にしてお通じを改善する成分としても知られていますよね。

また、糀甘酒にはたくさんの酵素が含まれています。酵素は食べたものを消化・吸収する上で欠かせない成分です。消化・吸収がスムーズになれば、ストレスや疲労にも強い体になります。これらの作用で、腸内の善玉菌たちが活発に働き、免疫細胞が元気で活動できるというわけです」

ストレスや疲労感を軽減できる栄養素も入っているのですね。

「糀甘酒は“飲む点滴“とも呼ばれているんですよ。実際に医療で使われる点滴に含まれる栄養素が、糀甘酒に含まれています。

糖分を見ても、砂糖の主成分はショ糖ですが、糀甘酒の糖分はブドウ糖です。ブドウ糖は糖の中でももっとも単純な構造なので、身体に吸収されるのも速い。疲労回復に即効性が高いのは砂糖よりブドウ糖です」

栄養価の高さはよくわかりました。ところで「甘さ」も砂糖とは違うのですか?

「糀の甘みは、米由来の自然な甘さが特徴です。砂糖にも複数のミネラルが含まれていますが、既に述べたとおり、糀甘酒に含まれる成分が圧倒的に多いことから深みのある甘みがあります。そのため砂糖代わりの発酵甘味料としても、すぐれた力を発揮します」

『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』前橋健二/あまこようこ(アスコム/1400円+税)

調理時の糀甘酒の使い方は?レシピを一挙ご紹介!~その2~に続きます。

構成/佐藤恵菜

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