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【ニューヨーク旅学事典18】空中散歩「ハイライン」

TABIZINE / 2022年9月5日 15時0分

tabizine.jp

アメリカのニューヨーク。訪れたことがなくても、聞いたことがあるでしょう。でも、実際どこにあるの? どんなところ? 「ニューヨーク旅学事典」は、ニューヨーク市在住の筆者が名所や歴史、雑学、小話などを綴っていく連載です。今回は「ハイライン」について。
2022年8月13日 ハドソンヤードからハイラインはスタート
2022年8月13日 ハドソンヤードからハイラインはスタート
 
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ハイラインとは
2022年8月13日 ハイラインは四季の草木が溢れる自然環境が魅力
2022年8月13日 ハイラインは四季の草木があふれる自然環境が魅力。ニューヨーク市の自生植物も利用し、無造作に見えるよう人工的に植栽されたもの

「ハイライン」とは、マンハッタンの最西部、ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)から34丁目のハドソンヤード(Hudson Yards)をつなぐ、廃線になった高架鉄道上に建設された全長1.45マイル(約2.3㎞)の米国初の空中公園。

ニューヨーク市が管轄しており、15万本以上の植物や樹木、彫刻や壁画などのパブリック・アート、デザインを体験できるハイブリッドな公共スペースとして2009年にオープンしました。

マンハッタンの最西部の空中公園では、心が安らぐ自然に親しみ、大都会の摩天楼、ハドソン・リバーのウォーターフロント、遠くに自由の女神を見ることができます。

ハイラインはどこにある
(C) The High Line 地図
(C) The High Line

ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)から、 34丁目のハドソンヤード(Hudson Yards)まで、マンハッタンの最西部10番街と11番街の間を続いています。

ハイライン(英語名:The High Line)

住所:〒10011 New York
入場料:無料
開園:
秋(10月1日~11月30日):7:00~22:00
冬(12月1日~3月31日):7:00~19:00
春(4月1日~5月31日):7:00~22:00
夏(6月1日~9月30日):7:00~23:00
無休だが雪など天候によってクローズになる場合あり
公式サイト:https://www.thehighline.org
https://www.nycgovparks.org/parks/the-high-line



2022年8月13日 ハイライン入り口 ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)のインフォメーション・センター
2022年8月13日 ハイライン入り口 ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)のインフォメーション・センターではハイラインの地図が貰える

ハイラインの歴史
2022年8月13日 ハイラインの歴史について読むビジター
2022年8月13日 ハイラインの歴史について読むビジター

1800年代 ロウアー・マンハッタンに食料を届けるためのニューヨーク・セントラル鉄道の貨物列車は、歩行者にとって危険なため、10番街は「デス・アベニュー」として知られた(1910年までに540人以上が死亡)
1924年 ニューヨーク市が列車の線路を道路から撤去命令
1933年 現在のハイラインを「ウエストサイド高架線(West Side Elevated Line)」が走り、肉、乳製品、農産物を輸送
1960−1980年代 トラック輸送の増加により、列車利用は減少
2004年 ニューヨーク市とフレンズ・オブ・ザ・ハイ ラインによってデザインチームを選出
2009年6月 ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort St.)から 20丁目の最初の区間がオープン
2011年 20丁目から30丁目まで延長
2014年 10〜12 番街、30〜34丁目の間にある鉄道車両基地だったレイルヤード(Rail Yards)がオープン。
2019年 10番街30丁目の公園「スプール(The Spur)」がオープン

ハイラインのトリビア
入り口やトイレ、エレベーター、車椅子やベビーカー用のスロープ(傾斜通路)はどこにある?
2022年8月13日 ハイライン ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)からの入り口2022年8月13日 ハイライン ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)からの入り口

ハイラインへのアクセスは、2022年8月現在下記の通りです。情報は変更になる可能性がありますので、訪問の際は事前に公式サイトにてご確認ください。
https://www.thehighline.org/visit/

入り口(階段またはエレベーター)について

●ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)とワシントン・ストリートの間
エレベーター、階段、トイレ
●14丁目
エレベーター、階段
●16丁目
階段、トイレ
●17丁目
階段
●20丁目
階段
●23丁目
エレベーター、階段
●26丁目
階段
●28丁目
階段
●30丁目南西
エレベーター、階段
●ハドソンヤード 30丁目
車椅子やベビーカー専用通路
●30丁目北西
階段
●34丁目
エレベーター

The High Line 入り口
(C) The High Line  

ハイラインに休憩場所ってあるの?
2022年8月13日 サンデッキで寛ぐビジター
2022年8月13日 サンデッキで寛ぐビジター

全長2.3㎞のハイラインは、徒歩で約30分の距離。立ち止まって景色を楽しむ、写真を撮るなど、ゆっくり過ごしたいあなたには、途中途中でベンチやたくさんの休憩スポットがあります。ユニークな休憩スポットも、ハイラインの魅力のひとつなのです。

14丁目と15丁目の間のサンデッキでは読書をする人も。夏には水が流れる歩道が向かい側にあり、靴を脱いで足を浸し、涼をとることができますよ。

2022年8月13日 10 番街17丁目(17TH ST 10TH AVE)の展望台
2022年8月13日 10 番街17丁目(17TH ST 10TH AVE)の展望台

劇場のようになった階段の先にはストリートに面した窓があり、ニューヨークの眺めを楽しむことができます。

自然環境について
2022年8月13日 150,000本以上の草木に溢れるハイライン
2022年8月13日 150,000本以上の草木に溢れるハイライン

人々がハイラインに惹きつけられるのは、大都会にありながら、15万本以上の草木が育ち、心が休まるから。

荒れ果て放置されたままになった廃線は、公園化により、園芸チームが組織されました。人工的に植栽されているにも関わらず、作り込まれた植物園のように見えないのは、ニューヨーク市在来種の野生植物を取り込んでいるからです。

●ハイラインに植栽されている植物リスト
http://assets.thehighline.org/pdf/12_High%20Line%20Plant%20List.pdf

摩天楼に似合うパブリック・アート
「無題(ドローン)」サム・デュラント作
「無題(ドローン)」サム・デュラント作
2022年8月13日 パブリック・アート「無題(ドローン)」

米国内外に住む多くの人々の日常生活及び思想が、無人偵察機(ドローン)により監視され続けていることに警鐘を鳴らしています。

タイトル:「無題(ドローン)」(英語名:Untitled (drone))
作者:サム・デュラント(英語名:Sam Durant)
展示期間:2021年5月〜2022年10月予定
展示場所:10番街30丁目の公園「スプール(The Spur)」内
https://www.thehighline.org/art/projects/samdurant/

「女性と子供たち」ニーナ・バイエル作
「女性と子供たち」ニーナ・バイエル作
2022年8月13日 パブリック・アート「Women & Children」

ブロンズ彫刻の噴水像は、涙を流す女性と子供たち。

作品名:女性と子供たち(英語名:Women & Children)
作者:ニーナ・バイエル(英語名:Nina Beier)
展示期間:2022年5月〜2023年4月予定
展示場所:リトルウエスト12丁目
https://www.thehighline.org/art/projects/nina-beier/

「君は僕を知っている」パオラ・ピヴィ作
「君は僕を知っている」
2022年8月13日 パブリック・アート「You know who I am」

なじみのあるものと奇妙なものを組み合わせるのが得意な作者は、自由の女神像が絵文字にヒントを得たというお面を被っています。お面は6種類あり、2カ月ごとに変わるそうです。

作品名:君は僕を知っている(英語名:You know who I am)
作者:パオラ・ピヴィ(英語名:Paola Pivi)
展示期間:2022年4月〜2023年3月予定
展示場所:16丁目
https://www.thehighline.org/art/projects/paola-pivi/


ハイライン 13年前へタイムスリップ

2009年6月12日 ハイライン オープン当時
2009年6月12日 ハイライン オープン当時
2009年6月12日 ハイライン オープン当時
2009年6月12日 ハイライン オープン当時

オープン当時のガンズヴォート・ストリート (Gansevoort St.)から 20丁目の最初の区間の高架下エリアは、まだ再開発中でした。現在は枝を伸ばしてよく育ったハイラインの草木も、まだ植樹されたばかりの初々しさです。

ニューヨーク市の景色は進化し続けています。次回のニューヨーク旅学事典は「ワールド・トレード・センター」を予定。続けて読んでいただくとうれしいです。

[All Photos by Hideyuki Tatebayashi ] Do not use images without permission.

参照
The High Line 公式サイト


【ニューヨーク旅学事典17】世界経済の震源地「ウォール街」
【ニューヨーク旅学事典16】アジアの熱気「チャイナタウン」
【ニューヨーク旅学事典15】夏の幻想「コニーアイランド」
【ニューヨーク旅学事典14】世界屈指の芸術の殿堂「リンカーン・センター」
【ニューヨーク旅学事典13】ニューヨークの春を楽しむ「リバーサイド・パーク」
【ニューヨーク旅学事典12】米大富豪の財力を示す世界最大級の私立美術館「メトロポリタン美術館」
【ニューヨーク旅学事典11】ニューヨークの知性「ニューヨーク公共図書館」
【ニューヨーク旅学事典10】夜空に佇むスタイリッシュな貴婦人「クライスラー・ビルディング」
【ニューヨーク旅学事典9】夢と現実をつなぐ橋「ブルックリン・ブリッジ」
【ニューヨーク旅学事典8】希望のあかりを灯し続ける「自由の女神」
【ニューヨーク旅学事典7】NYCの中にある都市「ロックフェラー・センター」
【ニューヨーク旅学事典6】世界一多く撮られているエンパイア・ステート・ビルディング
【ニューヨーク旅学事典5】人と旅をつなぐグランド・セントラル・ターミナル
【ニューヨーク旅学事典4】セントラルパークは森や劇場もある住民のオアシス
【ニューヨーク旅学事典3】タイムズスクエア・犯罪の温床から観光客の街へ
【ニューヨーク旅学事典2】マンハッタンの名前の由来は「多くの丘がある島」
【ニューヨーク旅学事典1】アメリカ最大都市の名前の由来、歴史、街の変化

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