【日本三大桜】福島「三春滝」・山梨「山高神代」・岐阜「根尾谷淡墨」の見どころと共通点
TABIZINE / 2023年1月6日 7時30分
日本の春の風物詩といえば「桜」です。毎年のお花見を楽しみにしている人もいるのではないでしょうか。春の訪れとともに桜前線が北上。日本列島の南から北へ順番に桜が開花を始めます。さて、日本三大桜と聞くと、どこが思い浮かびますか? 今回は、それぞれの桜の見どころと共通点をご紹介します。
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「日本三大桜」はどこ?
「日本三大桜」は、福島県田村郡三春町の「三春滝桜(みはるたきざくら)」、山梨県北杜市武川町の「山高神代桜(やまたかじんだいざくら)」、そして岐阜県本巣市根尾の「根尾谷薄墨桜(ねおだにうすずみざくら)」とされています。
古くから知られている、まるで滝のような巨木「三春滝桜」(福島県田村郡三春町)
1922年(大正11年)に桜の木として初めて国の天然記念物に指定された「三春滝桜」は、三春町のシンボルとして歴代の三春藩主をはじめ、多くの地元の人たちから愛されてきました。
2022年(令和4年)には天然記念物指定100周年を記念して、メモリアルライトアップなどを行いました。また、樹齢は1,000年以上といわれ、樹高13.5m、根回り11.3m、枝張りは幹から北へ5.5m、東へ11.0m、南へ14.5m、西へ14.0mの巨木です。
この桜はエドヒガン系の紅枝垂桜(べにしだれざくら)で、薄紅色の小さな花を枝いっぱいに咲かせ、その姿が滝のように見えることから、この名がつけられたといわれています。三春滝桜は見る場所により、さまざまな表情を見せてくれますが、正面から見た花と幹は迫力満点! 芸術的ともいえるその美しさの虜になってしまいますよ。
さらに夜間にライトアップされた姿も見事。周辺には遊歩道が整備されているため、華麗に咲き誇る桜をぐるりとまわって見て歩くことができます。江戸時代後期に京都の公家や歌人たちによって、たくさんの歌が詠まれた桜、一度は見に訪れたいですね。
三春滝桜
住所:福島県田村郡三春町大字滝字桜久保
交通アクセス:JR「三春駅」からバスおよびタクシーで約20分 ※滝桜開花期間中、JR三春駅と三春滝桜大駐車場を結ぶ、乗り合いバスが運行されます
桜の見頃:例年4月上旬
入場可能な時間:6:00~18:00(ライトアップ18:00~21:00)
観桜料:300円(中学生以下無料) ※開花宣言の翌日から葉桜になるまでの期間
公式サイト:https://miharukoma.com/experience/183
ヤマトタケルの伝説が残る、日本最古・最大級の巨木「山高神代桜」(山梨県北杜市武川町)
日蓮宗の寺「実相寺」の境内にそびえる「山高神代桜」は、推定樹齢1,800年から2,000年とされるエドヒガンザクラです。神話の武将ヤマトタケルノミコトが東征の際に植えたといわれる伝説があるほか、13世紀ごろには日蓮聖人がこの木の衰えの回復を祈ったところ、再生したため「妙法桜」ともいわれています。
樹高10.3m、根元・幹周り11.8mの日本で最古・最大級の巨木で、大正時代には、国指定天然記念物に。さらに1990年(平成2年)には「新日本名木百選」にも選定されています。
実相寺の境内には神代桜はもちろん、ソメイヨシノが30本、ラッパ水仙が8万株も植えられていて、花の盛りには、ピンクやイエローに咲き乱れる花々と、冠雪をまとった白い南アルプスの「美」の競演を楽しめます。悠久の時の流れを感じさせる、神代桜の神々しい姿に魅了されてしまいますよ。
また、国際宇宙ステーション「きぼう」にて、8カ月間無重力の中で過ごし、地球に戻ってきて発芽した「宇宙帰りの神代桜(地涌の桜)」も2016年より公開! ぜひあわせて観賞したいですね。
山高神代桜
住所:山梨県北杜市武川町山高2763
交通アクセス:JR「日野春駅」からタクシーで約15分
桜の見頃:例年4月上旬
公式サイト:https://www.hokuto-kanko.jp/sp/sakura_jindai
継体天皇が植えたとされる、樹齢1,500余年の大木「根尾谷淡墨桜」(岐阜県本巣市根尾)
m.y.m09 / Shutterstock.com
「根尾谷淡墨桜」は、樹齢1,500余年を誇る孤高の桜です。この桜は継体天皇が根尾谷を去るときに、記念として植えたと伝えられ、その際、「身の代と遺す桜は薄住よ 千代に其の名を栄盛へ止むる」という詠歌一首を残しています。
また、薄いピンクのつぼみが、満開になると白に、そして散りぎわには薄い墨を引いたようになることから、「淡墨桜(うすずみざくら)」と名づけられたそうです。樹高17.3m、幹回9.4mの大木で、前述の2つの桜の木と同じく、国の天然記念物に指定されています。
ただ、古木であるため、大正初期の大雪で太さ約4mの「一の枝」が折れ、本幹に亀裂が入ったことも。その後、村で保護に努めてきましたが、1948年(昭和23年頃)には枯死の危機に陥りました。しかし、詳細な調査の結果、回生が可能であると断定され、根接ぎなどが行われました。
その結果、往年の盛観を思わせるほどに。さらに幾度もの延命手術をへて、老桜は不死鳥のごとく蘇ってきました。そんな逞しい古木が可憐な花を咲かせる姿は、感慨深いものがありますね。
根尾谷淡墨桜
住所:岐阜県本巣市根尾板所字上段995
交通アクセス:樽見鉄道「樽見駅」から徒歩約15分
桜の見頃:例年4月上旬
公式サイト:https://www.city.motosu.lg.jp/soshiki/4-2-1-0-0_7.html
日本三大桜の共通点は?
いずれも樹齢1000年を超えていて、国の天然記念物に指定されています。樹勢が最もあるのは、三春滝桜です。また、どの桜も個性があり、趣が大きく異なるのがポイント。機会があったら、一度は日本三大桜それぞれを観賞しに訪れたいですね。
[All photos by Shutterstock.com]
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