筆頭はやはり福山雅治!?ミュージシャンと役者の両立について考えてみた!
日本タレント名鑑 / 2016年2月24日 10時52分
ミュージシャンとしても俳優としてもトップに君臨する福山雅治さんが、昨年とうとう結婚されました。ミュージシャンとしても役者としても成功されている福山さん。その様々な分野に突出した「才能」に、無限の魅力や底の深さを感じます。
今回は、そんな福山さんのような「“ミュージシャン”と“役者”の両立」について考えてみたいと思います。
昔は歌手も役者もやるのが当たり前!?
一昔前は、「トップアイドル=トップ役者=トップ歌手」というのは割と普通だった気がします。全部ひっくるめて「スター」と呼ばれていた時代。石原裕次郎さんや吉永小百合さんもそうですし、郷ひろみさん、田原俊彦さんなどもその部類と言えるでしょう。
このように、人気のある俳優さんは軒並み歌手活動をされていました。とはいえ、作詞作曲までおこなう「ミュージシャン」「アーティスト」になる事は珍しく、あくまで「歌い手」としての活動が主流。やはり、歌も役者も“表現”するお仕事。当時も、双方の才能を持ち合わせた“スター”は数多くいました。
1970年代ロック世代は“歌手から俳優”が王道
ロックミュージシャンの世良公則さん。世良公則&ツイストとして『銃爪 (ひきがね)』『燃えろいい女』などのヒット曲を飛ばしました。デビューして2年程経つと、歌と並行してドラマにも進出。特に1982年から出演した『太陽にほえろ!』でボギー刑事を演じ、俳優としての人気も確立しました。
ちなみに、『太陽にほえろ!』や『西部警察』は、番組自体もかなり“ロック”なためか、ロック界からの抜擢が多めです。『西部警察』の巽刑事や鳩村刑事を演じた舘ひろしさんはクールスのボーカル。
『太陽にほえろ!』でマカロニを演じた萩原健一さんもザ・テンプターズのボーカルです。萩原さんは、スタッフとして参加した映画『約束』に代役で主演。この演技が認められて俳優へと転身しました。
歌い手からシンガーソングライターへ
1970年代後半は、それまでのいわゆる歌い手中心の「スター」と違い、作詞作曲なども含め、積極的に音楽活動をおこなうような、ミュージシャン色が強くプロデュース力のある方の活躍が目立つようになります。
『太陽にほえろ!』のオサム役、1981年に『ルビーの指環』で『ザ・ベストテン』12週連続1位という最長記録をマークした寺尾聰さん。シンガーソングライターとしても役者としても成功している一人です。
あまりに歌手としての人気が高くなってしまい、その忙しさからドラマを殉職降板したのはファンには有名な話。最近はむしろ役者としての活動の方が活発かもしれません。2015年『ようこそ、わが家へ』のお父さんや、アイスクリームのCMでもお馴染みです。
ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの宇崎竜童さんも多角的な才能の持ち主。作曲家として国民的スター山口百恵さんの楽曲を担当。作曲家としても超一流でありながら、ご自身も『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』などのヒット曲を出されています。それ以前は、松崎しげるさんをスカウトしてマネージャーを務めるなど、とにかくプロデュース能力に長けていた事が分かります。
自分を魅せる能力に長けたミュージシャンの“カリスマ演技”
1990年代に入ると、「歌手」に主軸を置きながら、表現のひとつとして「役者」としても活動する大友康平さん、さらには長渕剛さん、玉置浩二さんなど、多くのカリスマミュージシャン達がドラマを賑わせます。
日頃から自分の世界を音楽で表現しているだけあり、役者としても実に見ごたえのある演技でした。この時代は、ミュージシャンが俳優活動をおこなうケースの方が成功例が多いかもしれません。
最近でも、大河ドラマ『風林火山』で上杉謙信を演じたGACKTさんや、『相棒』二代目相棒の及川光博さんなど、ミュージシャンとしても俳優としても活躍されています。
役者がミュージシャンとして大活躍するケース
一方、1990年代後半になると、「役者」がミュージシャンとしてヒットする例も多く見られるようになります。
反町隆史さんや、織田裕二さん、藤木直人さん、江口洋介さん、吉田栄作さん、玉木宏さんなど、90~2000年代初頭の人気俳優さんは軒並み歌手活動をされています。
反町さんの『POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~』や織田裕二さんの『Love Somebody』など、当時のカラオケ定番曲でした。
両立のカギはラジオやバラエティ?
福山さんは、役者として所属事務所のオーディションを受け、映画『ほんの5g』で富田靖子さんの相手役としてデビュー。当初は音楽活動を優先し、役者としての仕事は断っていたそうですが、役者としても活躍するミュージシャンARBの石橋凌さんが出演するという理由から、ドラマ『あしたがあるから』に出演。その後『愛はどうだ』で挿入歌も担当し、歌手としても人気を博しました。
しばらくは俳優としての人気やニーズに応えるため、音楽活動を休止していましたが、俳優として主演級になったのち、改めて音楽活動を始めています。俳優として一流になったからこそ、本来の自分のやりたい事が出来るようになったのかもしれません。
そんな福山さんの人気の理由の一つとして、ラジオやバラエティでの軽快なトークがあります。実は昨年末の紅白歌合戦に初出場した星野源さんのラジオもとても人気です。GACKTさんや及川さんもラジオやバラエティでの発言が秀逸ですし、グループ魂の作詞作曲ギター担当、役者も脚本もこなす宮藤官九郎さんもラジオ番組を持っていました。
在日ファンクのボーカルで『仮面ライダードライブ』や『ナポレオンの村』などでもお馴染み浜野謙太さんや、ラテンバンドビンゴボンゴのボーカルだったユースケ・サンタマリアさんは、音楽番組の軽快なMCで多くの方の目に触れ、その認知を広げたと言えます。
役者としてもミュージシャンとしても成功されている人たちは、人間的にも魅力的で、自己表現が得意なのでしょう。
ミュージシャンとしても役者としても大成した福山さん。唯一無二の存在と思われていましたが、役者でも数々の賞を受賞している星野源さんの紅白出場など、これからこのような多角的な才能のスターがどんどん出てきそうな予感がします。第2第3の福山さんの登場もそう遠く無いのかもしれません。
文/藤原ゆうこ
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