日本ドラマの名刑事たち。結局のところ、もっとも優秀な刑事は誰なのか?
日本タレント名鑑 / 2016年3月8日 11時25分
なんと今年の冬ドラマ、「刑事」が出てくる作品だけで、『ヒガンバナ~警視庁捜査七課~』『スペシャリスト』『警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~』『臨床犯罪学者 火村英生の推理』『相棒 season14』『悪党たちは千里を走る』『怪盗 山猫』など7作品も。
やはり刑事ものドラマは見ていて面白いですし、事件を解いていくロジカルな楽しみもあれば、犯人を追い詰める派手なアクション、そして解決した時の爽快感など、その魅力を上げればキリがありません。
そんな刑事ドラマにおいて、もっとも魅力を感じるのは、やはり名物キャラとなる刑事そのものではないでしょうか?今回は、そんなドラマの名物刑事たちの中で、「もっとも優秀なのは誰?」という観点から、発想力・行動力・運動神経・知力など、いくつかのポイントで比較し、改めて整理してみたいと思います。ちなみに各ポイントは筆者の独断と偏見で勝手に付けさせて頂きました。
知性派 古畑&右京
◆古畑任三郎警部補(古畑任三郎)
発想力:5
行動力:3
運動神経:2
知力・記憶力:5
コミュニケーション力:4
総合:19
◆杉下右京警部(相棒)
発想力:5
行動力:4
運動神経:3
知力・記憶力:5
コミュニケーション力:2
総合:19
知的といえば『古畑任三郎』から古畑警部補、そして『相棒』の杉下右京警部あたりがパッと頭に浮かびます。知的イメージの強い二人ですが、古畑さんの方はあまり行動しません。動くにしても部下の今泉くんにお任せ。一方の右京さんは、自分が気になるとどこまでも遠征し、自らが動いて解決に導こうとします。
二人とも、知識に裏付けられた巧妙な話術で犯人にボロを出させたり説得したりと、自供を引き出すのがお得意です。地道な捜査はほとんどせずに、とにかく犯人にボロを出させる手法の古畑さんは、相手の心理を理解し、同調したり刺激したりしながら突破点を見出します。
それに比べ、右京さんは、「現状」の理解と整理は素晴らしいのですが、どうも人の心が分からない。同じ知的レベルの人とでしたら上手にコミュニケーションが取れるのですが・・・。コミュニケーション能力は少々古畑さんに軍配が上がりそうです。
また、右京さんは犯罪者や曲がった人を嫌い、時にはキツいお説教をする「正しい」人間ですが、右京さんが動いたことで余計にこじれて人が殺されたり、傷ついたり、自殺してしまったり、状態が悪化する事も多々。死人を増やさない古畑さんの方が優秀な刑事といえるかもしれません。
アクティブな女性刑事 雪平&姫川
◆雪平夏見警部補(アンフェア)
発想力:3
行動力:5
運動神経:5
知力・記憶力:3
コミュニケーション力:2
総合:18
◆姫川玲子警部補(ストロベリーナイト)
発想力:3
行動力:4
運動神経:3
知力・記憶力:4
コミュニケーション力:3
総合:17
活動的な女刑事と言えば、『アンフェア』の雪平夏見警部補、そして『ストロベリーナイト』の姫川玲子警部補でしょう。二人とも行動的で男勝り。心に傷があり、年齢的にも近く共通点は多い気がしますが、細かい違いもあります。
雪平警部補は、父が殺害された事件を追うために刑事となりました。本当は傷ついているのに表情には出さない淡々とした態度が特徴です。部下もおり、それなりに信頼もされていますが、コミュニケーション能力がある・・・とは言い難いです。一人で突っ走る行動力はすさまじく、それ以上に運動神経は抜群でアクションも見事。銃の腕前もピカイチです。
対して『ストロベリーナイト』の姫川警部補は、自らが犯罪被害者となったトラウマから犯人を逃がさない執念、「負けない」という強い心が魅力です。危険なところでもしっかりと下積み捜査をおこない、その上で直感を信じて真っ直ぐに突き進むなど、行動力はばっちりです。
叩きあげの出世頭なので多方面から叩かれますが、その誠実な捜査とまっすぐな信念に部下や外部協力者には慕われています。クールで男勝りな佇まいは似ている二人ですが、雪平警部補に比べるとコミュニケーション能力は高そうです。
組織からはみ出しても自分のやりたいようにやる雪平警部補も魅力的ですが、時に部下の防波堤となり戦い、組織とも向き合う姫川警部補の方が「刑事」としての誠実さを感じます。運動神経こそ雪平警部補には劣りますが、そこはしっかりとフォローしてくれる菊田巡査部長がいますのでなんの問題もありません。
熱血人情派 青島&タカ・ユージ
◆青島俊作巡査部長【後に警部補に昇進】(踊る大捜査線)
発想力:2
行動力:5
運動神経:3
知力・記憶力:3
コミュニケーション力:4
総合:17
◆鷹山敏樹巡査長・大下勇次巡査長(あぶない刑事)
発想力:3
行動力:4
運動神経:5
知力・記憶力:2
コミュニケーション力:5
総合:19
熱血派刑事といえば、『踊る大捜査線』の青島巡査部長でしょう。近所のおばあちゃんにも優しい人情派。飛びぬけて知的というわけではありませんが、過去の事件を記憶したり調べたりする知識や記憶力は刑事として必要条件です。元サラリーマンという事もあり、フラットな目線や一般人の立場で考える事が出来るところも好評価。
被疑者でも被害者でも分け隔てなく誠実に対応するコミュニケーション力、昇進よりも市民の立場に立った捜査を心がける人情、思い立ったら即行動、即決断の行動力もすばらしく、実は意外にやる男です。青臭いことばかり言っていそうですが、その信念は管理官さえ動かします。体力はありますが、体術や銃の腕前などはあまり奮いません。
一方、青島とは、また違った「チャライ」「適当」という“優れた”コミュニケーション力を持つ『あぶない刑事』のタカ&ユージ。彼らの運動神経もなかなかのものです。
もう定年間近だというのに、ユージの脚力は署内一ですし、タカの射撃の腕も落ちていません。短絡的で少々おバカな一面はありますが、人情に厚く、思い立ったら即行動の行動力。正義感も強く、チャライ言動に反して男気あふれる二人。この勝負、どちらも素敵過ぎて比べようがありません。
特殊能力刑事 当麻&来宮
◆当麻紗綾警部補(SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~)
発想力:4
行動力:4
運動神経:5
知力・記憶力:5
コミュニケーション力:0
総合点:18
◆来宮渚巡査部長(ヒガンバナ~警視庁捜査七課~)
発想力:3
行動力:3
運動神経:3
知力・記憶力:4
コミュニケーション力:0
総合点:13
オリコン好きな刑事ランキング2012年でも5位に入った人気刑事『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』の当麻紗綾警部補も優秀です。行動力もあり知的。片腕が不自由にも関わらず体術にも長けています。裁判にかけずにSPECホルダーを裁く事に抵抗感を持ったりと、警察官らしい正義感も持ち合わせています。数値的にはかなりハイスペックなのですが、いかんせん、その人情や、知力を活かすコミュニケーション能力が皆無・・・。小馬鹿にしているようで、相棒の瀬文を心配しまくる優しい子なのですが・・・。
同じく特殊能力といえば、現在絶賛放送中の『ヒガンバナ~警視庁捜査七課~』来宮渚巡査部長も「人の悪意に反応」するシンクロ能力を持っています。他人とコミュニケーションをとると悪意にさらされ倒れてしまう体質のため、結果的にコミュニケーション能力は0・・・。現在のところ、特異体質以外は少し賢いくらいでしょうか?放送中の連続ドラマ終了後には、評価が変わっているかもしれません。
魅力的な刑事さんはまだまだ数多く、『遺留捜査』の糸村警部補などは、完全犯罪や事故・自殺で処理された案件に疑問を呈し、被害者だけでなく、関係者、被疑者の心までも救う、穏やかで素晴らしい刑事です。『新参者』の加賀恭一郎も、被疑者を偏見でみる事なく公平で冷静なタイプ。
また、現在放送中の『スペシャリスト』宅間善人も注目刑事の一人です。体力は同僚の堀川くんにおまかせ、コミュニケーションも同僚の姉小路さんにおまかせ。しかし、圧倒的な知識(脳内データベース)で犯罪傾向を知るだけでなく、生体肝移植のために、あえて冤罪で有罪になるほどの人情刑事っぷり。「知力」メーターの高い刑事さんは「発想力」は高くても「人情」がやや低め。「知力」と「人情」とを兼ね備えた宅間刑事の活躍、実に楽しみです。
現在の刑事ものドラマの多さを考えると、今後もたくさんの優秀な刑事キャラが出てくる事は間違いありません。個々の能力は比較出来ても、魅力という観点で見ると、数字だけでは判断しかねるそれぞれの“何か”を持った名物刑事たち。ドラマという舞台の中で、これからも視聴者を楽しませてくれる事でしょう。
文/藤原ゆうこ
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