『あさが来た』ののぶちゃんに始まり“レディ・ダ・ヴィンチ”まで 今年最も飛躍した女優・吉岡里帆の魅力
日本タレント名鑑 / 2016年12月21日 11時0分
今年はじめ、NHK連続テレビ小説『あさが来た』で、あさの娘の親友“のぶちゃん”役で一躍注目され、以降連続ドラマ出演が続き、今年最も飛躍した女優の一人・吉岡里帆さん。また現在オンエアされているリクルート ゼクシィのCMで、お茶の間の人気者になりました。そんな吉岡さんの魅力とは?
オーディションに落ち続けた日々を乗り越え成長
吉岡さんは京都出身の23歳。実家が撮影所で知られる太秦にあったことや、家族の影響もあり、幼少時から映画や演劇に触れる機会が多く、自然と演技に興味を持ち始めたといいます。そして高校3年生の時に観た小劇場の作品がきっかけで、本格的に女優の世界を志し、俳優の養成スクールに通うとともに、大学生になると友人の誘いで自身も小劇場の舞台に立つようになったとのことです。
プロダクションに所属後は、ドラマや映画のオーディションを頻繁に受けるも、落ちることが多かったといいます。最終審査まで行くことも多かったものの、いつも最後のところで役をつかめなかったとか。ただ最終まで進めるということは役者としての技量はある程度評価されたものの、役に合うか合わないかのギリギリのところで落とされているわけですが、実際、その素質はその後作品出演という形になって表れ始めます。
余談ですが、先日、トーク番組『ダウンタウンなう』にゲスト出演した際には、『あまちゃん』のオーディションに落ちた時の失敗談を披露していました。審査員から「『じぇじぇじぇ』と言って」と言われ、面接での会話のすべてを「じぇじぇじぇ」で受け答えしたと話し、笑いを誘っていました。
女優の勉強に励むとともに、水着グラビアに登場したこともありました。そして2014年、チャットモンチーの『いたちごっこ』のミュージックビデオに出演、2015年には映画『マンゴーと赤い車椅子』に出演します。
そんな吉岡さんが女優として注目され始めたのは、2015年に放送されたNHKの連続ドラマ『美女と男子』。物語の後半からレギュラー出演していました。芸能界の舞台裏を描いた作品で、彼女が演じたのは清純派女優の朝倉かれん。清純なイメージとは裏腹に、共演俳優を誘惑するなど小悪魔的な女性でした。この役が朝ドラのスタッフの目に留まり、『あさが来た』出演につながったといいます。
朝ドラでは、分厚い眼鏡をかけた、生真面目なキャラクターで、「吉岡里帆」の素はほぼ見えず、完全に役柄になり切っていましたが、強い印象を残す役柄で、女優として注目されるきっかけになりました。
朝ドラ後連続ドラマ出演が続々 CM出演でお茶の間レベルで知名度アップ
『あさが来た』で注目されたあとは、『ゆとりですがなにか』(TBS系)で民放連続ドラマ初出演。朝ドラと同じく、まじめで一生懸命なキャラクターでしたが、現代劇ということで、「吉岡里帆」の可愛さが認知された作品となりました。その可愛さは、大量出稿の結婚情報誌『ゼクシィ』のCM出演で一気に広まりました。
その後も、連続ドラマ『死幣-DETH CASH-』(TBS系)、『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(関西テレビ/フジ系)と立て続けに出演、一躍人気女優の仲間入りを果たしました。そして主演映画『ハッピーウエディング』も公開されました。
美人すぎない、親しみやすい可愛らしさが魅力
基本的には素朴で、サバサバとした一生懸命なキャラクターが似合う吉岡さんですが、『美女と男子』で見せた小悪魔的なキャラクターも上手くハマるなど、役柄にによってさまざまな顔を見せてくれるのが持ち味です。
親しみやすい可愛らしさで、いい意味で美人すぎないというのも強みではないでしょうか。主役を演じると、リアリティ、説得力があり、脇役の時には、主役より目立ちすぎず、でも視聴者に強い印象を残す、クセの強さやキラッとした存在感を示すのが魅力です。
どんな役にも染まれるのも強みといえるでしょう。「吉岡里帆」というイメージが強すぎないため、どの役を演じても、フラットに役として見ることができます。
また、清潔感があり、まじめで一生懸命な女性というイメージは、CMのスポンサーからも好まれそうで、今後もCMはどんどん増えていくのではないでしょうか。
23歳という年齢で可愛いルックスだと、アイドル女優的に見られることも多いものですが、吉岡さんの場合、アイドル活動や雑誌、CMなどで注目されて女優業に進出した形ではなく、演劇志向でこの世界に入ってきたところからも、女優らしい雰囲気をまとっています。また自然体のキャラクターから、男性だけでなく、女性にも受け入れられやすいと思われます。前述の『ダウンタウンなう』でも、酔っ払って浜田雅功さんに絡むなど、あけっぴろげなところも面白かったです。
主役もやりつつ“息の長い”女優になってくれることを期待
今年は生真面目で一生懸命なキャラクターが目立った吉岡さんですが、今後、「えっ、こんな顔も見せるの!?」といった役柄も見せてほしいものです。もともと演劇志向の強い吉岡さん、まじめで一生懸命とは真逆のエキセントリックな役柄など、その振り幅はどこまであるのか楽しみです。
そして連続ドラマなどでの主演も期待できますが、どちらかといえば、『~レディ・ダ・ヴィンチの診断』で共演する相武紗季さんのように、主役をやる機会もありつつ、2番手、3番手で多くの作品に出続け、息が長く活躍できる女優になっていくのではないでしょうか。1月期のドラマ「カルテット」(TBS系1月17日スタート)では松たかこさんや満島ひかりさんらと共演します。
また、ドラマだけではなく、現在日比谷シアタークリエにて公演中の『ナイスガイ in ニューヨーク』で初舞台を踏んでいます。
今後の彼女がますます楽しみになります。
文/田中裕幸
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