チャオベラ、PASSPO☆、X21……今年は人気アイドルグループの“解散風”が吹き荒れる
日本タレント名鑑 / 2018年10月17日 11時45分
人気アイドルグループの解散が今年に入ってから相次いでいます。このコーナーでも4月、今年解散を発表したグループについて紹介しましたが、それから半年たち、2018年後半になっても、チャオベッラ チンクエッティ、PASSPO☆、バニラビーンズ、X21といった、歴史があり根強いファンを持つアイドルグループ解散のニュースが続き、ファンに驚きと悲しみを与えています。
■「THE ポッシボー」時代から根強い人気に支えられたチャオ ベッラ チンクエッティ
8月に解散したチャオ ベッラ チンクエッティは、もともと「THE ポッシボー」のグループ名で2008年にメジャーデビュー。こちらのグループ名のほうがピンとくる人も多いかもしれません。
ハロー!プロジェクトの研修生「ハロプロエッグ」のメンバーにより2006年に結成され、つんく♂さんのプロデュースにより楽曲をリリース。ハロプロファンから熱い支持を得ていました。ですが2007年に、つんく♂さんが結成した「NICE GIRL プロジェクト」に移籍、ハロプロから離れることになりました。
その後、人気の低迷から2011年ごろには解散説も出ましたが、当時のハロプロのグループとは異なり、特典会イベントや他社のアイドルグループとの対バンライブも積極的に行い、それも功を奏して2013年ごろから人気がV字回復、2014年には念願だった“ハロプロの聖地”中野サンプラザにて単独ライブを実現させました。
2015年に所属事務所とレーベルを移籍、グループ名を改めたのちも熱く根強いファンに支えられていました。今年1月には再び中野サンプラザでの単独ライブを成功させ、さらなるステップアップが期待されるタイミングだっただけに、その解散発表はファンを驚かせ、悲しませました。メンバー4人は、解散後もソロ活動を行なっています。
■独自の世界観とサウンドで人気のPASSPO☆ デビュー時にはオリコン1位も
PASSPO☆は2009年に結成され、2011年にメジャーデビュー。当時は「ぱすぽ☆」のグループ名でした。デビューシングル『少女飛行』がオリコン初登場1位を獲得。女性グループのデビューシングルとして週間ランキングで初登場1位は史上初ということで話題になりました。
グループ名通り、飛行機への搭乗をイメージしたライブやメンバーの呼称(メンバーは「クルー」、お客さんは「パッセンジャー」……)などユニークな世界観、そして他のアイドルグループとは一線を画す、本格的なロックサウンドに乗せて歌うところも特徴的でした。自ら楽器を手にするガールズバンドとしての顔も。メンバーの卒業がありながらも、コンスタントな活動を続けてきましたが、今年9月に行われた中野サンプラザ公演をもって解散しました。
2007年から活動してきたバニラビーンズは、グループアイドル全盛の中、数少ない2人組アイドルとして奮闘。「北欧の風に乗って」というキャッチフレーズで活動をスタート、衣装やヘアスタイル、ステージパフォーマンスなどユニークな世界観があり、根強いファンを持っていましたが、今月で活動を終了。
対バンイベントにも、初期のころから精力的に参加していたことから、同業のアイドルたちからも慕われており、最後にレーベル主催で開催されたイベント『バニラビーンズに感謝祭 ~Final Innocence~』には、Negicco、アップアップガールズ(仮)などレーベルメイトのほか、東京女子流、kolmeなど、多くのアイドルが集まりました。
■レベルの高い美少女集団・X21も11月いっぱいで活動を終了
今月解散が発表された「X21」は2012年開催の第13回全日本国民的美少女コンテストのファイナリスト21名により結成されました。美少女コンテストのファイナリストばかりということで、ルックスのレベルが、ほかのアイドルグループと比べひときわ高いと定評があります。そのルックスの陰に隠れがちですが、楽曲のクオリティの高さと多彩さも持ち味です。
2016年に同コンテスト第14回大会のファイナリストが加入。
2017年にリーダー・吉本実憂さんが卒業。同年10月にメンバーを再編成し、既存の選抜メンバー10名に尾碕真花さん、川口ゆりなさんらを加えた「CDメンバー」が選出され、現在は12名が中心になり音楽活動を展開しています。
最近では、2期メンバーである尾碕さんや川口さんの人気が急上昇し、大々的なブレイクも期待されていた矢先の解散発表だっただけに、驚きを与えました。
従来、国民的美少女コンテストのファイナリストたちというのは、女優、モデルなどの活動が中心で、ファンと直接接する機会が少なく、これまでドラマや雑誌で人気者になった人も、熱量の高いファンはあまり多くない印象でしたが、今回アイドルグループとしての活動も行うことで、より思い入れ度の強いファンが彼女たちについたことは有益なことだと思います。
解散の理由は「メンバー一人ひとりの未来を考えたときに、個々の道を歩んでいくことが、メンバーの成長につながる」というものでした。11月25日に原宿クエストホールにてラストライブを行い、同月30日をもってグループは解散します。その後メンバーたちは、女優、モデル、タレントなど、それぞれの単独活動に入っていきます。
■ハードルが高くなる大手事務所所属のグループ あと一歩の粘りに期待
今年前半に解散したGEM、Cheeky Parade、アイドルネッサンスなどもそうであったように、今年は大手芸能事務所に所属する、キャリアのあるグループの解散が目立ちます。今回紹介したグループも含め、彼女たちはライブ動員力もそれなりにあって、リリースイベントの成果もありCDがオリコンランキングの上位に入っているのですが、ただ、AKB48グループや“坂道”グループ、ハロー!プロジェクト、ももクロなどスターダスト勢に比べると、人気の規模はもう一息というところ。
もっと規模が小さくても長年続いているグループも多数ありますが、それらのグループは一定数のファンに支えられながら、適度な利益が出ればそれでよしということで、こじんまりと活動していくというスタイルで、それは一つの生きる道だと思いますが、以前も書いたように、大手プロダクション所属のグループではやはりAKB48グループら“第1勢力”に続いて大ブレイクすることを目指すと思われ、求められる結果のハードルは高くなってきます。
2010年ごろから始まった“アイドル戦国時代”では、AKB48グループなど当時からのトップランナーのグループの後を追って多数のグループが登場しましたが、今年は大きな曲がり角の年になっているようです。今月に入ってからも、でんぱ組.incの後輩グループ・妄想キャリブレーションが来年の2月23日のライブで活動終了すると発表、約6年の活動に幕を閉じることになりました。
その一方で、今回紹介したチャオベラ、PASSPO☆、バニビと長年親交があったアップアップガールズ(仮)が、これからも
続けていきたいと改めて決意を語っているように、この流れに負けず、長く活動していきたいと奮闘するグループもいます。“解散風”の中「右へならえ」になってしまうのではなく、特に大手事務所の中堅グループの奮起に期待したいところです。
文/田中裕幸
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