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『天気の子』ヒロイン陽菜役・森七菜ってどんな子!? その魅力を探る

日本タレント名鑑 / 2019年7月19日 16時45分

本日19日に公開された、新海誠監督の『君の名は。』以来の3年ぶりの新作映画『天気の子』でヒロイン・陽菜の声を演じ注目度急上昇中のさん。

この春出演したドラマ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)で、その演技力と愛らしい存在感で話題になり、今回の『天気の子』で一気にブレイクしそうな勢いです。

そんな彼女の、女優としての魅力や17歳の女の子としての素顔を探ります。

■デビュー当時からオーディションで抜群の強さ発揮 大物監督の作品に次々と出演

 

森さんが芸能界に入ったきっかけはスカウト。中学3年生のとき、地元・大分で家族でご飯を食べているとき、現在のスタッフから「写真を撮らせてください」と声をかけられたのがはじまりでした。

2016年、『ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタi』web広告(行定勲監督作品)でデビューし、2017年、ドラマ『東京ヴァンパイアホテル』(Amazonプライム・ビデオ/園子温総監督作品)、映画『心が叫びたがってるんだ。』(熊澤尚人監督作品)など、オーディションで数々の大物監督の作品に出演、当時からマスコミで話題になっていました。

 

その後は嵐の櫻井翔さんが校長先生役を演じた異色のドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)で生徒役の一人として出演、これが連続ドラマデビューとなりました。

そして2018年に出演したドラマ『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』(NHK)でいじめにより自殺をはかる中学生を演じ、その迫真の演技が話題になり、ドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ系)でさんの少女時代役を演じたときにはその可憐さでネットニュースを賑わせ、この頃から業界内だけでなく、一般の視聴者にも認知されるようになってきました。

 

そして今年出演したドラマ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』に、3年A組の生徒・堀部瑠奈役で出演。

この作品は、旬のフレッシュ女優が多数出演するということで放送前から大きな話題になっていましたが、そんな中で森さんは当初はすごく目立つ存在というわけではありませんでした。電脳部に入っている、ゲームが好きな女の子という瑠奈は、いわば“萌えキャラ”で、物語が進む中で徐々に注目され、第8話で物語が大きな展開を見せるきっかけになる存在となり、これを機に一気に人気に火がつき、『3年A組』以降は、公式インスタグラムのフォロワー数がドラマ以前は6000人くらいだったのが18万人に増え、7月現在では約24万人になっています。

 

■“気持ち”を大事にして演じることが信条 演じていくにつれ役柄と同化していく

 

そして、新海誠監督の『君の名は。』以来の新作ということで、製作が発表されるや否や大きな話題になっていた『天気の子』。その声のキャストにも注目が集まりましたが、2000人以上が参加したというオーディションで森さんがヒロイン・陽菜役に選ばれました。

 

陽菜は、雨空を晴れにできる特殊な才能をもった少女。家出少年の帆高(醍醐虎汰朗)が出会い、帆高は二人でさまざまな出来事を経験して、次第に陽菜に惹かれていきます。陽菜は、年代的には森さんと同じくらいですが、実際の森さんよりちょっと大人びたキャラクターでもあります。そんな陽菜を森さんは違和感なく演じています。

 

声の演技はほぼ初めての森さんですが実に自然な演技が見どころです。観る人の心に溶け込んでいくような柔らかな声質や落ち着いた演技、それが陽菜の持つキャラクターと相まって、帆高だけでなく、観客もその魅力に引き込まれていきます。

 

最初に新海監督が森さんに陽菜のキャラクターを説明する際、“天気みたいな子”という大まかな説明はあったようですが、陽菜の詳細な役柄は森さんの個性や一回一回の芝居を通して形作られていったようです。森さんは監督から「最初の段階では陽菜をあまり作り上げてなくて、でもそれを七菜ちゃんが教えてくれた」と言われたといいます。

 

新海監督からは、陽菜は森さんに似ていると言われたようですが、森さんにインタビューの機会に「天気みたいな子?」と聞くと「気まぐれです。私はそんなつもりはないんですけど、いろんな人から『感情がコロコロ変わるね』と言われます」(HUSTLE PRESS、2019年7月)と語ってくれました。

 

収録の前には自分で陽菜のイメージを作り込んでいったわけではないとのことですが、収録が進むにつれ、だんだん自分と陽菜が近づき、やがて陽菜が自分自身と同化していったといいます。取材で陽菜の印象を聞かれると「なんだか自分のことを聞かれているようで恥ずかしい」(同上インタビューより)と語りつつ、だんだん陽菜と一体になっていく感覚が楽しかったともいいます。

 

それは今回に限らず、これまで出演した実写作品でもいつも同じような感覚になるそう。実写作品とアニメ作品の違いはあれど、“気持ち”を大事にして演じることが森さんの信条。今回の『天気の子』のオーディションでも「いつも通りの『役柄の気持ちを誰かに届けよう』という心構えで、実写作品と同じ感じで挑みました」(HUSTLE PRESS、2019年2月)とインタビューで語ってくれていました。そんな森さんには感情が爆発したり、難しい役どころが多いのが特徴。役にどっぷり入ってしまう、“気持ち”でお芝居をする人だからこそ、クリエイターから求められるのでしょうか。

 

いじめにより自殺してしまう中学生役を演じた『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』(NHK)では、当時のインタビューで「撮影期間中は気持ち的にかなりしんどかったです。重い内容の役柄をやると私生活でも元気がなくなってしまって……」「日々の撮影の中で常に頭の中に自分がいじめられている立場にいるんだということが心に積み重なっていって、元気がなくなっていったのかもしれません。撮影期間中は役柄のことが常に頭にあって、それを忘れちゃうとその感情がゼロになってしまいそうだと思って。未希(役柄)の感情や悩みを自分でも考えたいなと思っていました」(HUSTLE PRESS、2018年5月)と語っていました。

 

『3年A組』はほぼ全編にわたってハードなシーンが続く作品でしたが、中でも森さんが修羅場といえるシーンを撮影する日には「つらくて現場に行くのが嫌だなとも感じていました」といいます。「次の日に重いシーンの撮影があることを知ると、心にも重いものが降ってきます」(HUSTLE PRESS、2019年2月)と、その頃思いを明かしてくれました。

 

■脚本家・坂元裕二さんのファンで映画大好き少女

 

森さんのそれ以外の素顔を挙げると……。森さんは脚本家の坂元裕二さんのファンであることを公言しています。「坂元裕二さんの脚本の作品にいつか出てみたいと思っています」と思いを語ってくれました。ドラマ『Woman』(2013年)を観て衝撃を受けた森さん、その頃は坂元さんが作者だということは意識しなかったのですが、その後に観た『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016年)、『カルテット』(2017年)にもハマり、いずれも坂元さんの作品だったことからのめり込んでいったといいます。

 

また、映画好きという森さんは、散歩中に一人でふらっと映画館に入ることもあるそうで、若者向けの作品だけでなく、アニメや時代物でもなんでも観るそう。『クレヨンしんちゃん』の映画を一人で観て感動したこともあるそうです。

 

プライベートでは地元・大分の高校に通う3年生。最近は東京での仕事が忙しくなり、学校が休みの日は上京して仕事をしているようですが、修学旅行など大きな行事は2年生までにほぼ参加でき満足できたので、今は放課後に友達とおしゃべりしたり遊んだり何気ない日常の時間を大切にしたいと語る森さん。でも高校生活最後の文化祭はぜひ満喫したいと目を輝かせていました。

 

■『東京喰種 』など今年〜来年にかけて話題の映画に続々出演

 

『天気の子』以外にも今年話題の映画が続々と公開される予定。まず『天気の子』と同日公開となった『東京喰種 トーキョーグール【S】』。前作が大ヒットしたこのシリーズで、森さんは今作からの登場。ヒロイン・トーカ(山本舞香)と同じ学校に通う親友・小坂依子役を演じています。親友であるトーカの正体には気づいておらず、学校を休みがちな彼女を心配し、得意な手料理で元気づけようとする女の子です。

 

森さんは撮影を振り返り、「イメージが完成しているキャラクターを演じるのは難しかったですが、窪田正孝さん、山本舞香さん、監督をはじめとするスタッフの皆さんに助けていただきながら心地よく撮影させていただき、すごく楽しかったです。『東京喰種』チームに参加させていただけて幸せでした」(Girls News、2019年2月)と撮影を振り返っています。

 

それ以降も『最初の晩餐』(11月1日公開予定)、『地獄少女』(11月15日公開予定)と話題の映画の公開が相次ぎ、来年も岩井俊二監督作品『Last Letter』が公開、主人公・松たか子さんの少女時代と娘役を演じており、こちらも注目されそうです。実は、これから公開の作品は『3年A組』『天気の子』で注目される前に撮っていたものが多く、人気が出たあとに待機作品が続々公開されるという、タイミングに恵まれていることにもスター性を感じます。

 

一流クリエイターたちを惹きつける魅力、その演技力とキャラクターを活かし、今後も主に映画を中心に長く活躍できる女優に育ってもらいたいと思いますが、一方で本人が自然に持つ、多くの人に愛される“アイドル性”のようなものを活かすべく、特に若いうちはテレビドラマでの活躍にも期待したいです。

文/田中裕幸

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