“町中華”での豪快な飲みっぷりで人気の坂ノ上茜、主演映画公開など女優として躍進の1年
日本タレント名鑑 / 2023年2月24日 19時0分
BS-TBSの人気番組『町中華で飲ろうぜ』で、瓶ビールを飲みながらの中華料理の食レポが人気の女優・坂ノ上茜さん。今年は主演映画『ぬけろ、メビウス!!』が公開されたほか、映画、舞台など話題作に続々出演が決まり躍進中です。14年前中学生の時にデビューしたものの、仕事がなく企業への就職も考えていた時期も乗り越え、主演女優になった彼女の試行錯誤の経歴、そしてその魅力を紹介します。
■主演映画公開に続き、話題の映画や舞台にも続々出演決定、今年注目の女優
BS-TBSで火曜午後10時から放送中の『町中華で飲ろうぜ』。前半は玉袋筋太郎さんが、そして後半は女性タレントの案内人が、各地で地元の人に愛されるシブい町中華の名店を訪れレポート。坂ノ上さんはほぼ隔週で出演しています。
店に入るとまず瓶ビールを注文。可愛いルックスとは裏腹に瓶ビールをコップに注ぎ豪快に飲み干す姿が痛快です。そして店自慢の中華料理を食べつつ、店主さんや客のおじちゃんやおばちゃんたちと仲良くなって、和気藹々と楽しく食レポしています。彼女の親しみやすいキャラクターが番組でも人気になっています。
そんな坂ノ上さんの本業は女優。昨年、初主演映画『愛ちゃん物語』が公開。そして2月に主演映画『ぬけろ、メビウス!!』が公開されました。さらに今年は映画『神回』へヒロインとして出演が決定。なんと高校生役ということで「一回り下の役を頑張って演じました!」と苦笑いしていました。
また、これまで舞台出演の経験がなかった彼女ですが、5月、今から大注目されている『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』への出演が決まりました。本作は、新宿の新たなランドマークとなる「東急歌舞伎町タワー」にオープンする新劇場「THEATER MILANO -Za」のこけら落とし公演として上演されます。
現在公開中の主演映画『ぬけろ、メビウス!!』は、建築会社の契約社員として働く櫻川優子(坂ノ上)が、正社員になる前に雇い止めを宣告され、24歳にして突如大学進学を志す……その過程で生じる、母親、婚約者、友人との間での問題に向き合っていく成長物語となっています。
「優子は田舎育ちの普通の女の子。私も熊本で生まれ育って、高校生までは地元の友達と一緒に過ごしてきたので、決して遠くはない存在という気がしました。自分の周りでも専門卒コンプレックスがある友達もいたなと思い出しました」(GirlsNews2月掲載)と語り、自身もこれまでの芸能活動などでもやもやした経験もあったことから、共感できるところもあったようです。
■『ウルトラマンX』で女優デビューを果たすも、仕事が少なくなり就職活動をしたことも
坂ノ上さんは1995年生まれの現在27歳。2009年、13歳のときに所属事務所主催の『アミューズ全国オーディション2009「THE PUSH!マン」』に参加、見事“俳優ルックス部門”で入賞します。ちなみにこのオーディションでの同期には、グランプリの野村周平さんをはじめ、吉沢亮さん、福田彩乃さんらがおり、大豊作のオーディションと言われています。
先述のように、当時熊本に在住していた彼女は、家族や事務所とも相談した結果、中高生時代は地元に在住のままで、レッスンを定期的に受けつつ、仕事があるときだけ上京するという形をとっていました。あくまで学業優先の方針のため、仕事も抑えめだったようで、その間、同期の野村さん、吉沢さん、福田さんが活躍しているのを、地元にいてテレビを見ながらもどかしい思いをしたことも少なくなかったといいます。
ただ、中高生時代普通の学校生活を送ったことで、『ぬけろ、メビウス!!』への出演の話が決まった時に、自身の役と似たような状況だった同級生に話を聞けたり、一般の中高生の感覚を芝居に活かせるなど、財産になることもあったようです。
そして大学入学を機に満を持して上京。翌年には『ウルトラマンX』(テレビ東京系)のヒロイン役でレギュラー出演し、女優デビューを果たします。女優として明るい未来を予感させましたが、その後は思うように出演作が続かず、大学3年生ごろには周りが就職活動を始める中で、自身もその先の人生を考えるようになったといいます。自分は同世代の人の給料と同じくらい稼げるようになるのか、それが難しければアルバイトしながらでも芸能活動を続けていくのか、など試行錯誤した結果、“就職するしないは別にして、せっかくの機会だから経験を積むこともその後の財産になる”という先輩のアドバイスを受け、就職活動をし、数社の企業で面接も受けたとのことです。
結果的に芸能活動を続けることを選択した坂ノ上さん。テレビ番組『王様のブランチ』(TBS系)のリポーターとして注目されたほか、映画&ドラマ『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ-』(2019年)、『監察医 朝顔』(フジテレビ系/2019年)などに出演、女優としても実績を重ねていきます。
またそのころに映画祭出品用に撮影していた主演映画『愛ちゃん物語』が昨年劇場公開され、結果的にそれが彼女にとって初主演映画となりました。
そして今年も映画『BAD CITY』(2023年)に出演。芝居中カッコいいアクションを決めるなど新境地を見せています。
■明るさとコミュニケーション力は演技の現場でも発揮
そんな彼女の魅力は、なんといっても親しみやすいキャラクター。『町中華で飲ろうぜ』で見せる、店主さんやお客さんたちと繰り広げるコミュニケーションは思わずニコニコさせられ、くったくのない笑顔や独特な笑い声は、周りを自然と明るくする魅力に満ちています。
そのコミュニケーション力は撮影現場でも発揮されているようで、主演映画の現場をはじめ共演者との関係性もいいものになっているようです。映画『BAD CITY』で共演した小沢仁志さんはこわもて俳優として知られていますが、うまくその懐に入り込めていたようで、映画のキャンペーンで出演した番組でも息の合ったところを見せていました。
『愛ちゃん物語』と『ぬけろ、メビウス!!』という2本の主演映画では、テイストが全く違いますが、その中で見せる演技の振り幅もお見事。コミカルな芝居が多い『愛ちゃん物語』では、くるくる変わる表情の豊かさが愛らしく魅力的。『メビウス』のような、人生でもやもやを抱える女性を演じる作品では、ナチュラルな同年代の女性の姿をリアルに感じることができます。ただ、もやもやした役でも、どんよりとした感じにならないのは彼女のキャラクターによるところも大きいのではないでしょうか。またハキハキ聞き取りやすいセリフ、声質は舞台でも力を発揮してくれそうです。
今年は先述の映画や舞台のほか、これから情報解禁される作品もまだまだあるようで、今年はさらに彼女の女優としての輝きに触れられそうで楽しみです。
文/田中裕幸
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