Bitter & Sweet、初の自作詞曲をCDリリース 二人のあたたかさが滲み出たニューシングル
日本タレント名鑑 / 2023年7月26日 17時40分
高い歌唱力と美しいハーモニーで定評があり、良質なポップスを聴かせる二人組女性ボーカルグループ「Bitter & Sweet」(読み:ビター・スウィート)。今月ニューシングル『私が飛行機を嫌いな理由(わけ)/雪と花火』をリリースしました。二人それぞれが作詞を手掛けた2曲は、初の自作詞曲のCDリリース。彼女たちのあたたかな人柄が滲み出るような曲になっています。
★結成まもなくから自作曲を積極的に制作 ライブで披露
2012年「第2回FOREST AWARD NEW FACEオーディション」でグランプリを受賞し2013年にソロデビューした田﨑あさひさんと、2013年開催の第3回の同オーディションでグランプリを受賞した長谷川萌美さんにより、2013年末に結成されたBitter & Sweet。主に田﨑さんがピアノ&ボーカル、長谷川さんがボーカルを務めます。シングル曲では二人ともボーカルのみの体制だったり、最近は田﨑さんの手首などの痛みの影響で、二人ボーカル+長谷川さんのギターという編成で歌う形も。
結成当初から、歌唱力や音楽の力で勝負するアーティスト系ではありましたが、初期の頃は同じ事務所のハロー!プロジェクトのメンバーと共演する機会も多く、彼女たちのフレッシュなキャラクターを生かした可愛い楽曲やパフォーマンスも目立ちました。結成3年目ごろからは、アイドル的な面を見せる活動は少なくなり、ライブハウスでのアコースティックライブや、ロックアーティストとのコラボや対バンライブも積極的に行っていました。また、この頃から、CD リリース楽曲のほか、二人それぞれが作詞作曲するオリジナル曲もコンスタントに製作し、ライブで披露するようになりました。
2017年、『幸せになりたい。/写真には残らないシュート』でメジャーデビュー。同世代の女性に共感を得られそうな等身大の音楽を聴かせるようになりました。その後は、70年代フォークや80年代ニューミュージックのテイストをとり入れたり、大人がじっくり聴ける音楽性をみせていました。
★二人の家族思い、あたたかさが溢れるニューシングル
そして今年7月、ニューシングル『私が飛行機を嫌いな理由 /雪と花火』をリリース。今回のシングル収録曲で『私が飛行機を嫌いな理由』を田﨑あさひさんが、『雪と花火』を長谷川萌美さんが作詞を手掛けています。前述のように、これまで積極的に作詞作曲を手掛け、ライブで披露してきた彼女たちですが、自作詞楽曲がCD化されるのは今回が初となります。
長崎出身でオーディション合格後、本格的に歌手活動を始めるにあたり単身上京した田﨑さん。『私が飛行機を嫌いな理由 』は、そんな彼女が長崎に帰省して家族と過ごしたあと、東京へ戻る日に長崎空港での家族との別れ際に感じている気持ちを綴っている楽曲です。飛行機に乗って東京に戻るときの寂しさ、せつない心情がリアルに表れていて、その素直な詞をドラマティックなサウンドが盛り上げ、心にぐっときます。活動開始直後は、長崎で頻繁にリリースイベントを実施していましたが、まだ東京に慣れていない時期には特に「飛行機で帰京するのが寂しい……」という思いをかかえていたのかもしれません。ちなみに田﨑さん、乗り物として飛行機自体は決して嫌いではないそうです。
『雪と花火』は、長谷川さんが地元である新潟・長岡の祖父母の物語を綴った曲です。小さな頃から可愛がってもらったおばあちゃん、そして、彼女が生まれてすぐになくなったというおじいさん。おばあちゃんから聞いた思い出話をもとに、その愛情物語が描かれています。歌詞を大切に抱きしめるように歌うボーカルが、あたたかなメロディとサウンドに乗り心に染み入る楽曲で、筆者も初めてライブで聴いた際には熱いものがこみ上げてきました。歌詞には、有名な長岡の花火が二人の愛の象徴のように登場します。同曲は昨年長岡で開催されたライブイベント『長岡 米百俵フェス』に彼女たちが出演した際、初披露されました。長谷川さんの地元で初披露できたことが嬉しかったのではと察します。
その後この2曲はワンマンライブや、ハロー!プロジェクトのOGや現役メンバーたちと開催しているライブイベント『M-Line Special ~My Wish~』などでも披露、ファンにとってはお馴染みになっており、今回満を持してのリリースとなりました。デビュー当時からライブなどのMCでも家族や地元のエピソードがよく話に出ていましたが、彼女たちの家族思い、故郷を愛する、そのやさしさが、今回の2曲からもたっぷりと伝わります。
以前もこのコーナーで紹介しましたが、二人のライブの特長は、ステージで歌う姿から“歌うことが大好き”“音楽が大好き”という思いが伝わってくるところ。その気持ちが歌から溢れ出て、聴いている人たちを幸せな気持ちにします。それに加え、特に実感できるのは、会場全体があたたかさとやさしさにつつまれたライブであるということ。今回の2曲は、そんな彼女たちの魅力を十分に堪能できる内容となっています。配信のみの楽曲リリースが増えている時代ですが、二人の思いがこもったこの2曲、CDとして手元に置いておきたい、そんな気持ちになります。
彼女たちの自作曲はこのほか、可愛い恋愛ソングや自身を見つめたような歌詞など、楽曲も軽快なポップスからハードなものまで多彩なレパートリーとなっています。
提供楽曲も良曲ぞろいですが、彼女たちの個性がより強く出た自作曲も、今後より多くの人に届く、リリースという形で発表されることを期待したいところです。
9月~10月にはこの2曲を携えて、長崎、新潟含む全国6ヵ所のライブツアーを実施。CDでももちろん感動が伝わりますが、ライブで聴くとさらに感情を動かされるこの2曲。この機会にライブでも彼女たちのあたたかな歌声を実感してみてはいかがでしょうか。
文/田中裕幸
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