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「冷凍チャーハン」「カップ麺」に革命が…町中華の“あおり炒め”や“ゆでたての旨さ”を再現した日本の新技術【THE TIME,】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月20日 7時30分

TBS NEWS DIG

“劇的に美味しくなった”と言われる「冷凍チャーハン」や「カップ麺」。その裏には世界からも注目される日本の技術がありました。中華料理人の技を再現し“革命を起こした”とも評されるチャーハンマシン!これまでは取材NGだった売上No1のカップ麺工場にも潜入!その“おいしい新技術”を探りました。

今アツい!「中華料理マシン」

「日本の食品機械が、今海外でもすごく注目されている」と話すのは、『月刊食品工場長』の統括デスク・木下猛統さん。

欧米やアジアも人手不足で、日本の食品製造マシーンが飛ぶように売れているといいます。また食品安全への関心の高まりもあり、食品機械の販売額は、2016年(5200億円)⇒2023年(6000億に!)

中でも今アツいのは「中華料理マシン」だといいます。

日本食糧新聞社『月刊食品工場長』木下さん:
「冷凍チャーハンの業界で、ものすごい革命を起こした機械があるんです」

職人の“あおり炒め”を再現した3枚の羽根

その革命的なチャーハン製造機を開発したのは、奈良県にある『品川工業所』。創業114年、菓子や惣菜など、食品を素早く大量に作る機械を製造しています。

「約3分で100人前のチャーハンが作れる」という新製品、「BR-1200F」(約900万円)。これまでと大きく違うのが炒め方です。

ひとつ前のチャーハン製造機は、大きなフライパンに入った米や具材を、上からのびたアームで水平に混ぜながら炒めていました。

しかし、「BR-1200F」では…

『品川工業所』社長 小笠原昭典さん:
「町中華で職人さんが中華鍋を振ってあおっている姿から着想した」
チャーハンが美味しい街中華に通いつめ、「お米が高く舞うことで、水分が飛び、パラパラになる!」と着想を得て、料理人の「あおり炒め」を機械で再現したのです。

チャーハンの水分を飛ばすことで、うま味が凝縮される「あおり炒め」。

それを可能にしたのが、アームについた、形も角度も違う3枚の羽根です。ねじれるように取り付けられた3枚の羽根が、回転しながら鍋からチャーハンをすくい上げることで、最大60cmの高さにチャーハンを舞いあげることができるんです。

1枚目の羽根が鍋中心部のチャーハンをすくい、2枚目の羽根がその外側を。3枚目が一番外側をすくい上げることで、全部のお米が舞い上がる仕組み。

「羽根の角度が少し違っても出来上がりが全然違う物になる」とのことで、試行錯誤を重ね2年かけて開発したあおり炒め機。冷凍食品メーカーやコンビニに続々導入されているといいます。

売上No1のカップ麺工場へ潜入!

さらに、中華の職人技を再現した新技術はカップ麺にも!

『月刊食品工場長』木下さん:
「職人が“麺を茹でて”作るラーメンを再現したんです。意外とそこをやっているメーカーは無い」

カップ麺の製造では、麺は蒸すのが一般的。茹でるより麺の水分量が減るので、乾燥させやすいのが理由です。

そんなカップ麺の常識を破り、茹で麺の“プリプリでコシのある食感”にこだわったのが、『ヤマダイ』。ご当地カップ麺シリーズ「凄麺」は、ノンフライカップ麺の全国売上No.1の大ヒット商品です。(※インテージSRI+カップ麺ノンフライ市場 2023年4月~2024年3月累計販売金額ベース)

どうやって、ゆで麺を、カップ麺にしたのか?木下さんはこれまで何度も取材を試みるも、「工場の中は取材NG」…

しかし、木下さんの長年の熱烈オファーが実り、初めて工場内部の取材がOKに!
「実は僕これから取材に行くんですよ」という木下さんに、THE TIME,も便乗させて頂きました!

「ゆでたての旨さ」の秘密は全長50mの乾燥レーン

茨城県にある『ヤマダイ』工場で作られている『凄麺』を調査!

まず案内されたのは、「凄麺を作る上での出発地点」というミキサー室。

上部にある巨大タンクから、これまた巨大な攪拌機に、小麦粉や、液体系、粉体が投入されています。

特別に撹拌機の中を見せてもらえることになり、「わくわく。わくわく」とはしゃぐ木下さんとTHE TIME,マーケティング部・重松文部員。
中華麺用の黄色っぽい粉が混ぜられている様子に「おおー!」と感激の声も。

小麦粉も徹底的にこだわり、小麦の風味が最大限引き出された麺を練り上げていました。

そして、木下さん注目の茹で麺機へ!
マシンの中では、湯がブクブクと沸き、麺が踊るように茹でられています。

『ヤマダイ』開発室リーダー 松澤伸明さん:
「町のラーメン屋さんもお店でしっかりと麺を茹でる。それを、工場レベルで再現してるというのが凄麺の製法」

コシのある最高の状態で取り出して湯切り。この段階で、つけ麺や、冷やし中華のような麺質になっているといいます。

続いての行程は「乾燥」。
一般的なノンフライ麺は、水分の少ない蒸し麺を熱風で乾燥させます。しかし茹で麺の場合、そうはいきません。

『ヤマダイ』松澤さん:
「茹で麺は水分をたくさん麺が含むので、乾燥させるのがノウハウになってきます」

他社には真似できない、水分の多いプリプリのゆで麺を乾燥させる“独自技術”。その秘密が潜む乾燥室へ…。

しかし残念!「企業秘密」とのことで、内部撮影はNGでした。
ただ、廊下の両側に長く続く乾燥室には、全長50mもの乾燥レーンがあるとのことで…

『月刊食品工場長』木下さん:
「もっと短い距離で一気に乾燥させてしまうと麺へのダメージがある?」

『ヤマダイ』松澤さん:
「その通りで、あまり早く乾燥させてしまうとダメージが起こってしまう。たかが乾燥なんですけど、されど乾燥」

10年以上かけてたどり着いた独自製法。これが「ゆでたての旨さ」を生み出していました。

「私はネガティブなので…」安住アナの注目記事

毎号1人の工場長にスポットをあて、フードテックの最前線を追う『月刊工場長』。スタジオでは、出演者が気になった記事を紹介した。

乃木坂46の一ノ瀬美空さんは【食品工場のユニフォーム】の記事。
正しく着用するため工夫として、フロントファスナーが襟元まで閉まっていないと黄色い下地部分が見える仕様のユニフォームを見つけ、「私、ライブの早着替えとかでチャックを閉め忘れちゃうので、こういうのあればいいな」

宇賀神メグアナは【工場での手袋の干し方】に関する記事。指の部分を洗濯ばさみでつまんで干せば、中のゴミや水が排出され衛生的との内容に、「すごくニッチな情報」

一方、「私はちょっとネガティブなところがあるから」と安住紳一郎アナが上げたのは、【原因別・食品回収事例】の記事。なかなか赤裸々に書かれているとし、「すごい気になっちゃった。結構私たちも勉強になることが載っている」と感心の様子で話した。

(THE TIME, 2024年6月19日放送より)

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