ホコリが溜まりにくいチャンスは「1日に2回」 効果的な掃除の時間をプロに聞いてみた
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月29日 6時45分
こまめに掃除をしているはずなのに、いつの間にか部屋のいたるところで、フワフワと漂う“ホコリ”。もうキリがない、まるでイタチごっこだ。しかし、ホコリの性質を意識して掃除をすると、ホコリが溜まりにくい環境をつくることができるらしい。さらに、秋にピークを迎えるアレルゲン対策のヒントが梅雨時期の掃除にあるという。
服を着るときにホコリが発生 綿製品は洗う回数が増えるほど発塵量が多くなる
60年にわたり、ホコリの研究をしている清掃大手のダスキンが、全国の20歳以上の男女に調査した「リビングを掃除する頻度」によると、回答した68%が週に1回以上、掃除をしているという。
誇ることではないが、筆者も同様の頻度で掃除をしている。さらに気分が乗ると仕上げに水ぶきまですることもある。それなのにすぐホコリが溜まるのだ。なぜだろう…。
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──そもそもホコリの正体はなんなのでしょうか?
株式会社ダスキン 広報担当 冨田萌美さん
「ホコリには様々な種類があるのですが、圧倒的に多いのが衣類や寝具、カーペット、家具などから発生する“繊維ボコリ”です。
それに絡みつくように髪の毛やフケ、食べ物のクズ、カビの胞子、ダニの死がいの一部やフン、また花粉や土砂など色々なホコリがくっついています。
つまりホコリは、生活する上での動作で発生するか、外から侵入してきたものでできているんです」
なるほど。しかし筆者は食べ物をこぼせばすぐに片づけるし、細かいホコリを発見したら、粘着クリーナーでコロコロしている。散らかしっぱなしにしているつもりはないのだが、なぜホコリと縁を切ることができないのだろう。
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「残念ながら、ホコリをゼロにするのは難しいんです。繊維ボコリのひとつである『衣類』の発塵量を調べたところ、畳んだり脱いだりといった動作でもホコリは発生しますが、服を着るときの動作が最も多く発生することがわかりました。
“ポンピング発塵”というのですが、服を着るときに袖口や襟元から勢いよく空気が押され、衣類の内側の塵や繊維くずを伴って噴き出すように発生するんです。
また、綿製品の場合は洗う回数が増えれば増えるほど毛羽立ち、劣化によってさらに発塵量は多くなります」
ホコリが落ちてくる朝と帰宅後が掃除のベストタイミング
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──掃除をしているけれど、常にホコリも生み出している。イタチごっこですね。
「ホコリの発生を抑えるのは難しいですね。しかし『ホコリがたまりにくい環境』をつくることはできます。ちなみにお掃除はいつやっていますか?」
──お休みの日、ゴロゴロしながらテレビを見て、さぁやるかって…ダメですか?
「そのタイミングですと、『掃除したのに もうホコリがある!』と感じるかもしれません。実はホコリは、家具や床にたまっているだけではなく、空気中にも常に舞っているんです。
ホコリは空気の流れに乗ってフワフワと舞い上がる性質を持っています。目に見えないような空気中の小さなホコリは、動きのない空間(人が歩いたり風が吹いたりしない空間)で1メートル落ちるのに約8~9時間かかります。
『ホコリがたまりにくい環境』づくりのポイントは、空気中のホコリが床に落ちて溜まった、朝起きたときや、学校・仕事などから帰宅したらすぐに行うことです。
またホコリを舞い上げにくくするために、空気中のホコリをとってくれる、集塵機能がついた空気清浄機の使用も効果的です」
梅雨こそ要注意! ダニの繁殖が活発に 掃除で気をつけるポイントは
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さわやかな風の吹く過ごしやすい日々が終わり、ジメジメと蒸し暑い梅雨の季節がやってきた。何となく気分が滅入って、掃除がおっくうになりがちだが、この時期の掃除が不十分だと、アレルギーの原因であるダニが爆発的に増える可能性があるという。
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冨田さん
「人の汗やフケなどをエサに、寝具やカーペットを住みかにしている“チリダニ”は、室温20〜30℃、湿度60%以上の高温多湿な環境を好みます。
チリダニは生きているうちは人間に大きな影響を与えませんが、そのフンや死がいがアレルゲンとなって、アレルギー症状を引き起こす原因といわれています。
つまり梅雨のころから夏にかけてチリダニのフンが発生し、寿命である2~3か月後には死がいも増えることで、秋ごろにアレルゲンがピークを迎えるのです。
梅雨入り前後からは、ダニが繁殖しにくい状態をつくるように意識をしてお掃除することをおすすめします」
【ダニを繁殖させない環境つくりのポイント】
『1.高温多湿な環境をつくらない』
除湿機やエアコンのドライ機能を使って室内の湿度を下げ、換気を心がけること。
『2.エサとなるものはこまめに掃除』
エサとなるような汚れ(フケ、アカ、髪の毛など)はこまめに掃除をする。
『3.布団は内部まで乾燥させる』
布団は万年床にせず、天日干しや布団乾燥機を使ってしっかり乾燥させること。ただし、ダニは50℃以上の環境を20分以上維持しない限り死滅しないため、天日干しだけではなく、枕カバーやシーツをこまめに洗濯し、垢やフケを取り除くこと。
掃除をおろそかにして、ホコリが溜まってしまうと、部屋を汚すばかりではなく、アレルギーの原因物質が溜まって身体に悪影響を及ぼす可能性もある。「ホコリくらいで」と軽視せずに、こまめな掃除と、ダニを繁殖させない環境つくりを心がけていきたいと思う。
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