“広報のお手本”イギリス王室 10年以上前からSNSを駆使 きっかけはダイアナ元妃の事故死
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月24日 17時10分
宮内庁が最近、SNSを開設し話題になっていますが、イギリス王室は10年以上前からSNSを駆使しています。きっかけは、あの出来事でした。
イギリスを公式訪問されている天皇皇后両陛下。その様子は、2か月前に開設されたばかりのインスタグラムにも投稿されました。すでに160万人以上のフォロワーを抱え、陛下が自ら撮影されたという皇后さまや愛子さまの写真も。
こうしたSNS発信の大先輩と言えるのが、イギリス王室です。世界の王室に先駆け2007年にユーチューブを始め、その後も次々とSNSを開設してきました。さらに。
記者
「イギリスの街中には王室グッズが溢れていて、国民だけでなく世界中の観光客を魅了する一つのアイコンにもなっています」
イギリス王室は「観光資源の一つ」とも言われるほど人気で、インスタグラムのフォロワー数は1330万人にのぼります。
なぜ、SNSでの発信に力を入れ始めたのか。
2008年から王室の広報官としてSNS戦略を担当したニック・ローグランさん。エリザベス女王がSNSの発信に乗り出したことは、きわめて自然な流れだったといいます。
元王室広報担当 ローグランさん
「エリザベス女王は、テクノロジーや世論といった点で常に時代の風を読んでこられました。例えば(1953年の)戴冠式が初めてテレビ中継されたのも、女王陛下の決断によるものでした」
そして、さらなる“情報発信”の必要性に迫られたきっかけが、「あの」出来事でした。
ダイアナ元皇太子妃の事故死です。
沈黙を保つ王室に対し、国民からは「冷淡」だと批判の声が上がり、支持率は2003年には60%を割り込むまでに。
それまで王室の日々の公務はあまり知られることがなく、女王は国民とのコミュニケーション方法を模索していました。
元王室広報担当 ローグランさん
「王室の意義を国民に理解してもらうためには、その関心事や日々の仕事をまず見てもらうことが必要でした」
さまざまな公務の様子や女王のチャーミングな一面が知られるようになると、国民との距離は再び縮まっていきました。
イギリス王室も日本の皇室も、安定的に維持していくためには若者からの支持を高めることが課題です。
国民からは。
イギリス国民
「王室は昔より地に足がついているような感じがしていいと思う」
「数十年前まで王室の普段の様子は見ることはできなかったので、疑問を持つ人もいたと思います。でも今はネットを通じて王室を知ることができるので嬉しいです」
存在意義を国民に伝えるために時代に合わせて柔軟に対応する姿は、世界の王室“広報”の「お手本」になっています。
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