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就活生必見!“成功するキャリア”の選び方は? ――リクルート出身スタートアップ社長 加藤史子さんに聞く

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月13日 9時0分

TBS NEWS DIG

現代の就職市場は、かつてないほど多様化している。「大企業に就職する」という伝統的なキャリアパスに加え、学生起業家やスタートアップが増加し、若者たちの選択肢はますます広がっている。就職か?起業か?新たな時代の「キャリア」をどう選んでいけばいいのか? リクルートに18年間勤め、その後、40歳で起業し、300人のスタッフを抱える会社へと成長させたWAmazing株式会社の代表取締役CEO・加藤史子さんに、就活中の学生が“逆面接”を行い、キャリア形成の考え方に迫る。

起業家としてのキャリアパス

大学卒業後、新卒で入社したリクルートで約18年間、新規事業開発に携わってきた加藤さん。観光や地域活性化の事業に携わる中、40歳を目前にして、これからの仕事人生をどうするか考え、スタートアップという手段で再び社会にスケーラブルに貢献できる事業をやりたいと、起業を決意した。 もし加藤さんが今、「新卒」の立場だったらーー学生起業家としての道を選ぶのか、あるいは、企業に就職して経験を積むのか。加藤さんは起業することにおいて、会社という組織の中で働く経験が重要だと語る。

「私はリクルートのような会社に、少なくとも3年は勤めるかなと思います。結局、『起業家』というのは最初、『事業家』なんですね。事業を作らなきゃいけないんだけど、会社を大きくするためには組織を作らなきゃいけなくなる。その組織を動かす人が『経営者』だと思うんです。つまり、『起業家』は途中から、『事業家』から『経営者』に変わっていかなきゃいけない。ここでみんな苦しんで、組織崩壊とか起こすんです。最初に大企業に勤めると、この『組織で動く』とはどういうことかを学べる。学生起業を否定はしませんし、今はそれができる時代だとは思いますが、組織の動かし方を学ぶのは新卒のタイミングが良いかもしれないですね」

理論を学ぶだけでは危険…理論と実践のバランス

加藤さんは、経営学やMBAの取得について意外にも慎重な見解を持っている。

「皆さんの夢を壊すわけじゃないんですけど、MBAは理論なんですよね。事件は現場で起こっているんです(笑)。理論を学ぶことは決して否定しないし、無駄にはならないですけど、理論を学んだからといって『できる』と錯覚するのは危険だと思います」

加藤さん自身、「全部現場でやらせる会社」だと語るリクルート時代の経験を活かして起業したが、資格取得など特別な勉強をすることなく、現場経験、そして読書からビジネスについて学んできたという。

「本はよく読みます。例えば『WHO YOU ARE』(著・ベン・ホロウィッツ)とか。企業文化には良くも悪くも創業者の一部が反映されることが多いから、あなたは誰なのか考えよう、といった内容の本なんですけど、そういうものはよく読んだりします」

モチベーションの維持と環境の選択

また、加藤さんはリクルートを辞めた理由の1つとして「未来が見えてしまったから」と語る。高い収入や家族にも恵まれ、職場での成功を収めたものの、見えない未来の方がモチベーションも高く、ワクワクを感じられたという。

「優秀な上司と部下に恵まれ、好きな新規事業で成果を上げて、自治体の有識者として社会的信用も築いた。でも、ここから定年まで20年間、手なりの人生、耐えられないと。先が見えるとそれが心の安定に繋がる人もいますけど、見えない未来の方が自分のモチベーションが高いし、ワクワクできる。なので自分のモチベーションがどういう時に高いのか自分でよく知って、その環境を選び取っていくことが大事だと思います」

フェーズの変化と起業家の葛藤

さらに加藤さんは、スタートアップのフェーズの変化を“旅人”に例えて学生たちに説明した。

「例えば、ビジネスのフェーズを『0→1』、『1→3』、『3→7』、『7→10』に分けるとしたら、『0→1』は自分で何でもやって、自分で結果を出していくという、荒野のバックパッカーみたいな感じです。その荒野のバックパッカーがグランピング、グランピングからホテルになっていく。これが短期間に起こるのが成長するスタートアップなんですね。

ホテルになると、自分でシーツを取り替える必要はないけど、代わりにシーツを取り替えたり、料理する人を雇って、組織として運営していくことが必要ですよね。そうなると事業の手触り感は少なくなる。バックパッカーの時はご飯1つ作るのにも火起こしから自分でやっているわけだから。それが楽しいと思う自分がいて、でもホテルのマネージャーをやらなきゃいけない。そこが事業家から経営者への葛藤なんだと思います」

キャリアの選択:大企業かスタートアップか

『大企業に就職する』か『スタートアップでキャリアを始める』どちらがいいと思うか?という就活生からの質問に、加藤さんはこう答えた。

「就活生の皆さんが『一生この会社に勤める』という風に決めていないのであれば、早く成長して、早く組織の力学を学べる会社がいい。それで言うと、とにかくめちゃくちゃ働かされるところがいいと思うんですね。最初の3年間くらい働くには外資系コンサルとかもいいじゃないですか」

また、スタートアップでのキャリアスタートについては、こうアドバイスする。

「スタートアップって一言で言っても、いろんなステージの会社があって。まだバックパッカーみたいな会社もあれば、グランピングだったり、ホテル経営になり始めた企業もあるんですよね。新卒の皆さんが組織力学を学ぶには、少なくともグランピング以降だと思います。スタートアップって有象無象だから、相当選ぶのに気をつけないといけないとは思います」

山登り型か川下り型か…加藤流キャリアの登り方

加藤さんはキャリアの重ね方についても、自身の経験を踏まえてアドバイスを送った。

「キャリアって、学生の皆さんは『山登り型』を求められることが多いと思うんです。何か目標を決めて『あの山の頂上に立つぞ』って歩みを進めることを求められる場面が多いのかなって。私は全然そんなことはなく、最初、『川下り型』だったんですよね。目の前の滝壺や急流を避けながら進んでいって、ある時、登ってみたい山、『観光と地域活性』という山が見つかって、今は山登り型にシフトしている感じです。「モチベーションに貴賤なし」ですし、どちらの登り方がいいということもないので、ぜひ若い皆さんには、好奇心と興味を大切に、仕事と人生をエンジョイしていただければと思います」

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