「沖縄の痛み感じていない」米兵による少女暴行事件 “空白の3か月”に批判 国は把握も沖縄県側に知らされず…繰り返される性的暴行の歴史【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月27日 11時7分
米兵による性的暴行が繰り返されてきた沖縄。新たに発生した被害者が未成年の事件を、国は把握していながら沖縄県側に3か月伝えていませんでした。「沖縄の痛みを一切感じていない」と批判もあがっています。
起訴も、“空白の3か月” 政府が沖縄県に伝達せず
25日、怒りを隠しきれないような表情を見せた、沖縄県の玉城知事。
沖縄県 玉城デニー 知事
「女性の尊厳を踏みにじるものであり、特に被害者が未成年であることを考えれば、極めて遺憾だと言わざるを得ない。強い憤りを禁じ得ない」
またも沖縄でアメリカ軍による性暴力事件が起きました。
わいせつ誘拐と不同意性交等の罪で起訴されたのは、沖縄のアメリカ空軍所属の兵長、ブレノン・ワシントン被告(25)です。
ワシントン被告は2023年12月、沖縄本島中部の公園で16歳未満の少女に声をかけた後、車に連れ去り、基地の外にある自宅にわいせつ目的で連れ込み、同意を得ずに性的な暴行を加えたとされています。
那覇地検は2024年3月、ワシントン被告を起訴。同じ日に政府はアメリカ側に対し、再発防止などの徹底を申し入れましたが、沖縄県には情報提供をしていませんでした。
この情報を沖縄県が把握したのは25日。被告の起訴から実に3か月が経っていました。
沖縄県 玉城デニー 知事
「県に事前に情報がなかったことは非常に問題だと考えている。強く抗議・要請を行いたい」
この間には4月に岸田総理のアメリカ訪問、5月にはエマニュエル駐日大使による初めての与那国島訪問が行われていました。外務省の複数の関係者は私たちの取材に対して、これらの日程が与えた影響は「一切ない」と、明確に否定しています。
「沖縄の痛み一切感じていない」 繰り返される悲劇
沖縄での悲劇はこれまでも繰り返されてきました。
1995年、アメリカ海兵隊員の男3人が少女を暴行する事件が発生し、全県的な反基地闘争へと広がりました。
2016年には元アメリカ海兵隊員の男が、当時20歳の女性を乱暴目的で殺害し、遺体を雑木林に遺棄するという凄惨な事件も発生。
そうした中で起きた今回の事件。沖縄県に情報を伝えていなかったことについて…
林芳正 官房長官(26日)
「関係者の名誉、プライバシーへの影響、将来も含めた捜査公判への影響の有無等を考慮し、公表するか否かや、その程度、方法を慎重に判断しているものと承知している」
事件を受けて、普天間基地の県内移設に反対するオール沖縄会議は…
オール沖縄会議 糸数慶子 共同代表
「(知事に)報告すべきじゃないですか。こういうことが起こったということも含めて。それを一切無視している。なんなんですか。(沖縄で)起こる被害や、住んでいる痛みは一切感じていない」
外務省「対応は適切だった」
小川彩佳キャスター:
外務省としては「プライバシーの配慮などがあり、対応は適切だった」としていますが、沖縄では同様の悲劇が繰り返されてきました。不安を残す結果になったのは事実だと思います。国として、丁寧な説明・向き合いが必要です。
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