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20年ぶり“新紙幣”発行、多くの人が“両替”に… 券売機など対応は?【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月3日 21時32分

TBS NEWS DIG

20年ぶりに新しい紙幣が発行され、きょうから流通が始まりました。いちはやく手に入れようと、各地の銀行には行列もできています。

「触り心地がいい」 新札をゲットした人々の感想は?

3日午前10時、埼玉の銀行にたてられたのぼりには「新紙幣お取扱いはじめました」の文字。

店内のATMはずらっと行列。全員“新紙幣”を求める人たちです。なかには、両替開始の2時間以上前から待っていた人も

一番乗りで入手した人
「1番目にここで新紙幣に触れて嬉しい。緊張と新しいものが出てくるわくわくで、ちょっと震えました」

二番目に入手した人
「新札ゲットできました。もうドキドキがすごい。誰の手にも渡っていなかったので触り心地がいい」

初めて触る新紙幣に、みな一様に笑顔です。

3日から流通が始まった新紙幣では、長らく1万円の顔を務めた「福澤諭吉」から「渋沢栄一」に、40年ぶりにバトンタッチします。

渋沢栄一に、特別な“親しみ”を感じる「英一」さんがいました。

『英一』さん
「私も実は『えいいち』って同じ名前になっていて、多少親近感がある」

ところ変わって、渋沢栄一のふるさとである埼玉県・深谷市の銀行。両替開始1分前を迎えると…

両替機の利用者
Q.あと1分ですよ
「ドキドキする。心臓がドキドキ止まる」

アナウンス
「大変お待たせしました、両替機をスタートします」

両替機の利用者
「やっと渋沢さんに出会える」

その手に握りしめた旧札10万円を、慎重に両替し…

両替機の利用者
「感動しました。手応えありました、一番に来てよかった。本物は違う」

無事、新紙幣にたどり着きました。

渋沢栄一の孫の孫は「前のお札の方が…」

職員
「それでは新しい日本銀行券の発行を開始してください」

新しい紙幣は、日銀の植田総裁が見守るなか東京の日本銀行を出発し、全国各地の銀行に続々と届き始めています。

三重県・亀山市では、この7月3日という日を特別な思いで迎えた人がいます。新1万円・渋沢栄一の孫の孫にあたる、御年73歳の岩佐光さんです。

『渋沢栄一』の孫の孫 岩佐光さん(73)
「なんかおもちゃのお札みたい。前のお札の方がありがたい気がしないでもない。母に言ったら、気持ち悪くて使うのは嫌だと」

実をいうと、岩佐さんは現金をあまり使わないキャッシュレス派。とはいうものの、おじいちゃんのおじいちゃんが1万円の“顔”となったわけで…

『渋沢栄一』の孫の孫 岩佐光さん(73)
「たんすのこやしにしてもしょうがない。ながめてから(使い道を)考えたい」

新しい紙幣は金融機関のATMで9割鉄道でも8~9割が対応しています(財務省より)。

20年前に発行されたこれまでの紙幣は、1年かかって6割ほどが新しくなりましたが、今回の新紙幣は、どれくらいの時間で私たちに浸透することになるのでしょうか。

「肖像が右を見たり、左を見たり」 紙幣への採用は世界初

小笠原亘キャスター:
7月3日に発行された新紙幣についてお伝えします。

ホラン千秋キャスター:
ホログラムもあれば、透かしもありますね。全てが新鮮です。

新一万円札を少し傾けると、ホログラムに映る渋沢栄一の肖像も動いて見えます。

井上貴博キャスター:
従来の紙幣より、少しカラフルな印象を受けます。

小笠原キャスター:
今回の肖像の人物に関してです。

千円札は、“近代日本医学の父”・北里柴三郎(きたさと・しばさぶろう)です。細菌学者でもあり、破傷風の治療法を開発した人物です。熊本県出身です。

五千円札は、女子高等教育に尽力した、津田梅子(つだ・うめこ)です。日本最初の女子留学生として渡米。現在の津田塾大学を創設した人物です。東京都出身です。

一万円札は、“日本近代社会の創造者”・渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)です。東京証券取引所などを設立した人物です。埼玉県深谷市出身です。

今回は20年ぶりの新紙幣発行ですが、偽造防止の最新技術がとにかくすごいです。

国立印刷局HPによると、主に三種類あるそうです。

一つ目は3Dホログラムです。銀行券への採用は世界で初めての技術で、3Dで表現された肖像が回転します。紙幣を傾けると、ホログラムに映る肖像が右を見たり、左を見たり、と動いて見えます。

二つ目は、高精細すき入れです。透かしのことですが、精細の上の「高精細」になりました。透かし部分の肖像の周りにも細かい模様が施されています。

井上キャスター:
世界中に紙幣がありますが、この技術は日本の匠の技で、日本にしかないということですよね。

三つ目は、マイクロ文字です。「NIPPONGINKO」(日本銀行)とアルファベットで入っていますが、カラーコピー機などで再現が困難になっています。千円札では2桁目の上付近に、五千円札では5の文字の左上付近に、一万円札では1の文字の右上付近にあります。

バス運賃箱“6割が非対応”の会社も 全国での対応割合は?

小笠原キャスター:
一方で、神奈川中央交通では、このような問題がおきているそうです。

新紙幣対応の運賃箱は、約1900台のうち約770台ということです。全体の6割が非対応という状況ですね。9月末までには、全車で入れ替わるということです。

担当者
「全ての交換が済むまでは、旧紙幣か交通系ICカードの利用を呼びかけています」

日本自動販売システム機械工業会によると、全国で、鉄道の券売機は8~9割バスの運賃箱は6~7割程度ということになっています。

井上キャスター:
(新紙幣発行は)経済効果になって、少し経済が回っていくと見るべきか、事業者からすると、また負担になるので、少し物価高に繋がるかもしれないと見るべきか、どちらでしょうか?

萩谷麻衣子 弁護士:
初期費用がかかる分、価格に転嫁される可能性は十分あると思います。

お店の人もキャッシュレスにすれば手数料が取られて大変という声も聞きます。一方で、おつりの渡し間違いがなくなる、会計の時間を減らせる、現金がないので強盗や侵入などが減ると思います。

メリットを考えると、キャッシュレス化に進むのも悪くないかと思います。

「切り替えにかかる費用は6~7年かけて」総額7000万円の見込み

小笠原キャスター:
投資しなければいけないわけです。

街中でも見る“1000円自販機”も苦戦するのではないかという見方もあります。

「トレジャーボックス」は、関東地方などで約1000台あるそうで、そのうち約7割は新紙幣に対応しているそうです。

ただ、切り替え費用は、総額7000万円になる見込みです。

トレジャーボックス 中島啓次郎 代表取締役
「切り替えにかかる費用は6~7年かけてまかなうつもりです…」

こういう問題もあります。

==========
<プロフィール>
萩谷麻衣子さん
弁護士。結婚・遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当。

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