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「もらえなかったら払った分返して」将来もらえる年金は? 5年に1度“健康診断”で国が最新試算 「分からない…」難しい制度への理解を深めるには【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月4日 12時24分

TBS NEWS DIG

年金制度の5年に1度の“健康診断”といわれる「財政検証」の結果が公表されました。将来の給付水準について最新の試算が示されましたが、街の人からは、制度の“難しさ”を指摘する声も…。理解を深めるにはどうすればよいでしょうか。

将来もらえる年金は?5年に一度の年金“健康診断”

藤森祥平キャスター:
3日、今後100年の年金支給額の見通しを示す「財政検証」の結果が発表されました。これは年金の5年に一度の“健康診断”の結果でもあります。

厚生労働省は、サラリーマンの夫と専業主婦の妻を「モデル世代」として年金を試算しています。

2024年度、受け取れる年金額は月22万6000円ですが、過去30年と同様に経済成長が続いた場合、2060年度には年金額が月21万4000円と減少する試算となっています。現役世代の平均手取りに対する給付水準も現在の61.2%から50.4%と大幅に減少する見通しです。

年齢別ではいくらもらえるのでしょうか。

【モデル年金の見通し・夫婦が65歳で受け取れる年金額】
現在60歳:22万3000円
現在50歳:21万7000円
現在40歳:21万2000円
現在30歳:21万3000円

60歳の人は月22万3000円ですが、年代が下がると月21万円台になっています。

トラウデン直美さん:
前回の試算から数字は改善しているかもしれませんが、全く不安が拭えないという感覚があります。

この先も物価を少しずつ上げていくことが目標なのかと思いますが、でも(年金の給付額は)下がってしまう試算で、物価は上がって年金は下がるというのは喜ばしい結果ではないと思います。

伊沢拓司さん:
少なくなっているという点は単純に悲しいです。しかし、年金制度は障害年金を含んでいたり、DCやiDeCoも入っていたりして、複数の視点から見る必要があると思いますから、理性では目先の金額だけを見て一喜一憂したくないという気持ちがあります。感情はまた別の問題です。

トラウデン直美さん:
モデルケースが今の時代とはずれているのかなとも思います。転職やフリーランスなど様々な働き方がありますから、あまり当事者として感じられない部分もあるかもしれません。

街の人は…「元々あまり当てにしてない」「どうやって運用されているのか」

小川彩佳キャスター:
年金を「老後の頼り」としている方もいると思います。街の人にどう思っているか聞いてみました。

50代 会社員
「年金もらえなかったら、払った分返せよって言いたい」

50代 会社員
「元々あまり当てにしてないので。死ぬまで働くしかない」

50代 会社員
設計自体が間違っている、出生率を含めて」

30代 会社員
「年金制度…なんですかね。今、働いている分から引かれている分が今使われてて、なんかそういうイメージですかね」

60歳 会社員
年金がどういう運用しているのかは分からない。結局、“ねんきん定期便”でハガキが来て、『あなたはいくらもらえますよ』というのを見るぐらい」

小川キャスター:
まず、年金制度がどういう仕組みで成り立っているのか、説明できる人はどれだけいるのでしょうか。改革を重ねて、つぎはぎのようになってるわけです。

トラウデン直美さん:
難しくてわからないので、私も「このぐらいなんだな」と思うぐらいです。

「減ってくる」という漠然とした印象があると「自分でどうにかしなきゃ」と考えるように思います。運用に回すのであれば経済が回るのかもしれませんが、貯めるとなれば経済も回さないことになり悪循環かなと思ってしまいます。

「年金制度」理解を深めるには…

藤森キャスター:
今回の検証結果について、林芳正官房長官は「働く女性や高齢者が増え、年金積立金の運用が好調。5年前と比べると、将来の給付水準は上昇した」と説明しています。

ただ、日本総合研究所の西沢和彦理事は「高齢化が進む中、給付水準は抑制しなければいけない。『この水準は確保するからあとは自助努力などで賄って』というのが国民にとっては重要なメッセージだ」と指摘をしています。

小川キャスター:
「5年前と比べて安心できるが、自分で何とかする余力を持ってください」…どういうメッセージなのでしょうか。

伊沢拓司さん:
改善はされているが、めちゃくちゃ改善されているわけではないというのはその通りかなと思います。

私は総務省の「全世代型社会保障に関する広報の在り方会議」に出席して年金広報をやっていた時期がありますが、「公的年金シミュレーター」を作るなど伝える手段は増えて、改善しているように感じます。それを多くの人に周知するという点に関しては、まだまだ追いついていない段階かなと思います。

不安は思考を曇らせますから、国の行く末が不安になってしまうと、「もう年金を止めたい」とか「うまくいっていないのではないか」と理解が進まない現状になっているように思います。

しかし、年金制度を簡単にすると、(年金制度から)こぼれる人が出てくるので、まずは年金制度という日本経済の先行きを明るく示してくれるようなリーダー像を、政治には求めたいです。

年金について「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『年金』について「みんなの声」を募集しました。

Q.将来年金だけで安心して暮らせると思う?

「安心して暮らせる」…1.9%
「暮らせると思うが不安だ」…10.0%
「年金だけでは暮らせない」…86.3%
「その他・わからない」…1.8%

※7月3日午後11時23分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは4日午前8時で終了しました。

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<プロフィール>
トラウデン直美さん
慶応大学法学部卒
環境問題やSDGsについて積極的に発信

伊沢拓司さん
株式会社 QuizKnock CEO
東京大学経済学部卒
クイズプレーヤーとして活躍中

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