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「水の安全」対策は?都内でも井戸水から検出…「PFAS」汚染への不安 東京都知事選の候補者はどう考える?【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月5日 14時34分

TBS NEWS DIG

人体への有害性が指摘されている化学物質「PFAS」。水や油をはじく特徴があり、フライパンのコーティングやレインコート、飲み物の容器などに使われてきました。PFASは、東京都の一部地域で水道水に使われている井戸水から検出されています。住民の不安の声にどう向き合うのか、東京都知事選の候補者に聞きました。

出生時の体重低下「関連否定できない」

東京都昭島市に住む近藤智子さん(72)は、1年前から水道に浄水器を取り付けました。

近藤智子さん
「ずっとこれ(浄水器)なしで飲んでいた。100%深層水だから大丈夫だということで、安心していっぱい飲んでいた」

2023年に夫婦が検査を受けると、血液から「PFAS」という化学物質が検出されたのです。

PFASは、有機フッ素化合物の総称で、フライパンのコーティングや泡消火剤などに使われてきました。

このうち、「PFOS」と「PFOA」と「PFHxS」の3種類は有害性があるとして、国は国内での製造や輸入を原則禁止しています。

夫の吉治さんは、PFASの血中濃度が1mLあたり17.9ng。智子さんは、1mLあたり25.1ngと、アメリカの学術機関が「健康リスクが高まる」とする指標の20ナノグラム(ng)を超えていました。

PFASは、アメリカの学術機関によると、腎臓がんや脂質異常症などとの関連が指摘されています。

先週、国の食品安全委員会は初めて健康への影響に関する評価を取りまとめました。赤ちゃんが生まれたときの体重の低下との関連は否定できないなどとしています。

近藤智子さん
「自分も非常に不安だし、娘たちとか子どもたち、孫や次世代の人たちがもっと心配になる」

横田基地で3回の漏出 都などは国に要望書提出も“立ち入り調査”求めず

体内に蓄積されたPFASはどこから来たのか。

喜入友浩キャスター
「東京都内のこちらの浄水所には水をくみ上げる井戸がありますが、高い濃度のPFASが検出されたため、5年前から使用を停止しています」

多摩地域では水道水に使われている井戸水からPFASが高い濃度で検出されています。

東京都は水道水の検査を定期的に行っていて、PFASについても一定の濃度を超える恐れがある場合には、井戸からの取水を停止しています。

停止しているのは、立川市、小平市、西東京市、国分寺市、小金井市、国立市、府中市、調布市で、8市43本となっています。

ただ、国の水道水の暫定目標値は、PFOAとPFOSの合計で1Lあたり50ng以下としています。アメリカの規制値は、いずれも4ngで、比べると高い値です。

近藤吉治さん
「別にフッ素化合物を飲んだり舐めたりしてるわけじゃないので、我々の生活感覚からいうとどうしても飲水から蓄積されたものだと思うので、その原因究明をやってもらいたいし、発生源の調査も同時にやってもらいたい」

近藤さんの自宅から2キロあまりで、汚染源として疑われているところがあります。

喜入キャスター
アメリカ軍の横田基地です。2010年1月、12年10月と11月に、PFASを含む泡消火剤が漏れ出たことが明らかになっています」

航空機の火災などで使う泡消火剤にはPFASが含まれています。

米軍側は「基地の外には流出していない」としていますが、周辺の土壌や水源への汚染が懸念されているのです。

2023年、東京都と基地周辺の6市町の自治体は、国に要望書を提出。国の責任で地下水への影響を調査することなどを求めました。ただ、基地への立ち入り調査までは求めていません

「不安材料を抱えたまま飲み続けるのも怖い」 検査費用は1万1000円

周辺の自治体の住民には不安が広がっています。

東京都昭島市の「昭島相互診療所」では、5月からPFASの血液検査を受けられるよう体制を整えました。

保険が適用されないため、自己負担で、検査費用は1万1000円です。

PFASの血液検査を受けに来た人
「安くないですけれども、自分の健康の面が気になるので、不安材料を抱えたまま、(水を)飲み続けるのも怖いですから」

PFASの血液検査を受けに来た人
「費用が高いので、割と躊躇される方が多いんですよ。希望する方が受けられるような制度ができれば」

近藤さんたちは「PFASによる汚染の実態を明らかにしてほしい」と話します。

公費による血液検査米軍基地への立ち入り調査の実現を求めています。

各候補者の「水の安全」対策は?

都知事選の候補者たちに聞きました。

現職 小池百合子氏
「健康の影響など懸念される場合は、対策なども合わせて検討していく。国として明確にどのような科学的な問題があるのかをまとめていただきたい」

前参院議員 蓮舫氏
「血液検査、基地への調査は国の責務。国がまずやるべきことで手をつけていない。ならば都のトップとしては都民の声を代弁して、国に調査や検査をやるべきだと、強く強く要望するものだと思っている」

広島県安芸高田市 前市長 石丸伸二氏
「まずは水源の調査じゃないですか。(基地の中まで調べるべきという声には)できることならやった方がいい。住民の健康に直結する話なので」

元航空幕僚長 田母神俊雄氏
「PFASで症状が出ている人がいるなら、(血液検査は)やったらいい。でも症状が出ていないのに、検査する必要は私はないと思う。(血液検査を)公費でやるかどうかは、その時の予算の状況を見ながら検討したい」

都知事選には過去最多となる56人が立候補していて、投開票は7日です。

東京都知事選挙 立候補者(届け出順)
 野間口翔氏、沢繁実氏、大和行男氏、木宮光喜氏、小池百合子氏
 内海聡氏、石丸伸二氏、小野寺紘毅氏、新藤伸夫氏、竹本秀之氏
 桜井誠氏、ドクター・中松氏、安野貴博氏、清水国明氏、AIメイヤー氏
 桑原真理子氏、後藤輝樹氏、河合悠祐氏、福本繁幸氏、黒川敦彦氏
 桑島康文氏、田母神俊雄氏、蓮舫氏、内藤久遠氏、内野愛里氏
 石丸幸人氏、尾関亜弓氏、小松賢氏、加賀田卓志氏、福永活也氏
 犬伏宏明氏、武内隆氏、遠藤信一氏、上楽宗之氏、二宮大造氏
 中江友哉氏、舟橋夢人氏、山田信一氏、加藤英明氏、草尾敦氏
 津村大作氏、久保田学氏、前田太一氏、南俊輔氏、福原志瑠美氏
 木村嘉孝氏、三輪陽一氏、松尾芳治氏、穂刈仁氏、小林弘氏
 加藤健一郎氏、ひまそらあかね氏、向後真徳氏、牛窪信雄氏、古田真氏
 相川絹二郎氏

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