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「2位じゃダメなんですか?」の蓮舫氏まさかの3位…一体なぜ?「無党派層」取り込めず国政復帰にも黄色信号?【東京都知事選挙】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月8日 5時0分

TBS NEWS DIG

任期満了に伴い7日行われた東京都知事選は、現職の小池百合子氏が約290万票を獲得。2位に125万票あまりの差をつける”圧勝”で3回目の当選を決めました。

投票率は60.62%と前回を大きく上回り、都民の関心の高さが表れた今回の都知事選。当初、小池氏と前参議院議員・蓮舫氏の一騎打ちになるかと思われましたが、結果を見れば、蓮舫氏はまさかの「3位」。前安芸高田市長・石丸伸二氏が急速に支持を拡大し、蓮舫氏を追い越す形となりました。

蓮舫氏の“敗因”、そして石丸氏“大健闘”の理由はどこにあるのか。JNNが行った、期日前投票を含む出口調査の結果の結果に、取材を加味して投票の動向を分析しました。

「共産党との協力のあり方を考えないと」蓮舫氏は“全面支援”の立憲支持層も7割止まり

小池氏・蓮舫氏はいずれも「無所属」として立候補していましたが、小池氏は陰に、そして蓮舫氏は陽に、組織的な戦いを展開していました。

自民党・公明党は水面下で小池氏への支援を呼び掛けた一方、裏金問題の影響を懸念し、小池氏が表立った支援を受けることはありませんでした。しかし、結果としては自民支持層の約7割、公明支持層の約8割を固め、盤石の3選となりました。

選挙期間中、一貫して“公務優先”の姿勢を崩さなかった小池氏。6日の最後の街頭演説も、都内を襲った豪雨対応のため約10分で切り上げ都庁へと戻るなど、街頭演説以外での支持固めに自信をのぞかせていました。

一方の蓮舫氏は、立憲民主党を離党し無所属として出馬しましたが、立憲民主党の全面的なバックアップを受けながらの選挙戦となりました。共産党も、精力的にビラ配りを行ったり、田村智子委員長、志位和夫議長が応援に訪れるなど、支援を惜しみませんでした。

立憲と共産の共闘は、前回衆院選で「立憲共産党」とやゆされ、立憲内部にも懸念の声はあります。ただ、立憲の都連幹部は「東京では”立憲共産党”の批判は響かない」と主張。共産党が前面に出て選挙戦を展開しました。

しかし、実際には蓮舫氏への支持は立憲・共産とも支持層の7割にとどまり、まさかの3位に沈みました。この結果をどう考えるか。「選挙戦で共産党が前に出すぎたのではないか、との指摘がある」と報道陣に問われた立憲民主党の大串博志選対委員長は「結果をよく分析、検証したい」と言葉少なに語りました。立憲の党内からは「この結果を受けて、共産党との協力のあり方を考えないといけないと思う」との声も上がっています。

ただ、蓮舫氏の敗因は、こうした立憲と他の野党との関係だけではありませんでした。最大の敗因は「無党派層の票を取れなかったこと」だと、関係者の意見は一致しています。

“最大勢力”無党派層 約4割が石丸氏支持 蓮舫氏は取り込めず3位転落の原因に

今回、選挙戦を大きく動かした「無党派層」。投票率が12年ぶりに60%を上回った今回、投票に行った人のうち無党派層は5割近くを占め、“最大勢力”となりました。

この無党派層の支持を集めたのが、石丸氏です。SNSを駆使した独自の選挙戦を展開。さらに、計200回以上の街頭演説をこなし、一気に知名度を向上させました。ボランティアの登録は5000人を超え、石丸陣営にとっても“想定外”の盛り上がりを見せたといいます。ただ、石丸氏は「完全無所属」を強調しましたが、陣営には維新などの関係者の姿もあり、選対は様々な団体を含めた“混成部隊”だったものとみられます。

結果として、石丸氏は無党派層の4割の支持を得るなどして、約165万票を獲得。年代別で見ると、30代以下の投票先としては小池氏を上回りました。支持者とともに開票を見守った石丸陣営では、出口調査2位の結果が伝えられると、支持者から大きな拍手が沸き上がりました。選対幹部は「わずか1か月の戦いの中で、これだけの得票をいただいたのはすごいこと。自信と誇りを持てると思う。次の都議選で石丸新党を結成すればかなりの議席が取れるぐらいの手応えがある」と評価しました。

一方、無党派層のうち蓮舫氏を支持した人はわずか2割弱にとどまりました。蓮舫氏が無党派層を取り込めなかったことについて、ある立憲幹部は「無名の石丸氏は評価しようがない。それよりも蓮舫氏への拒否度が高かったとしかいいようがない」と話しています。さらに、マスメディアを活かした選挙戦の展開を狙っていた蓮舫氏陣営としては、小池氏の“公務優先”によって公開討論会がほとんど開催されなかったことも大きな痛手として、悔しさを滲ませました。

神宮外苑再開発 争点化“失敗” 「反対」の人でも蓮舫氏支持伸び悩み

明治神宮外苑では、神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替え、高層ビルを建設するなど、再開発の計画が進められています。

これについて、蓮舫氏は序盤から「争点にする」と宣言。選挙期間中も神宮外苑に報道陣を集め追加公約を発表するなど、メディアを通じて「再開発見直し」を強く訴えてきました。一方、小池氏と石丸氏は「再開発の事業者は都ではない」として、争点にはならないとしてきました。

各候補者の訴えは有権者にどう受け止められたのか。出口調査の結果を見てみると、再開発に「反対」と答えた人は約7割に上りました。しかし、このうち蓮舫氏を支持すると答えた人は3割弱にとどまり、小池氏、石丸氏いずれにも及びませんでした。この結果に、「争点化に失敗したのではないか」という指摘も上がっています。

今後の政治活動 “大健闘”石丸氏は「広島1区も」 蓮舫氏は国政復帰にも“黄色信号”

約25%の得票を獲得し、“大健闘”を果たした石丸氏。今後の政治活動については「まだ決めていない」としたうえで、国政進出について問われると「選択肢としては当然考える。たとえば広島1区、岸田首相の選挙区」と笑顔で答えました。

一方の蓮舫氏は、国政復帰について「自分の中ではまだ選挙戦にピリオドを打てる気持ちではないので、もう少し考えたい」と、口を横に結び、明言を避けました。

劣勢が伝えられた選挙戦終盤、立憲の党内からは「最初から厳しい戦いだと分かっていた」と擁護する声も上がる一方、「蓮舫氏の国政復帰は、負け方次第だ」との声も日増しに強まっていました。結果を見れば、想定以上の惨敗。蓮舫氏は、ささやかれていた衆院への鞍替えに「黄色信号が灯った」とも言える状況です。

無名の新人に無党派層を奪われた今回の選挙戦。自民、立憲など既存の政党は次の衆院選に向けて「無党派層の支持獲得」という、古くて新しい課題を突きつけられています。

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