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「都政もっと前進させる」小池氏圧勝の東京都知事選 “SNS戦略”石丸氏が蓮舫氏を上回る躍進【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月8日 22時12分

TBS NEWS DIG

東京都知事選挙で約290万票を獲得し、圧勝した小池百合子氏。一夜明けて、都庁で「都政をもっと前進させる」と意気込みを語りました。

圧勝の小池氏 職員からユリの花束

午後0時半ごろ、都庁に現れた小池百合子氏。都の職員から大きなユリの花束が手渡されました。出迎えた職員はおよそ200人。小池氏が話し始めても拍手はやまず…

小池百合子氏
「昨日…投票日…ありがとうございます。拍手に迎えられて、本当にありがとうございます。『3期目、任せるよ』『より改革を進めろよ』という都民の皆さま方のお声、しっかり受け止めてまいりたい」

過去最多の56人が立候補した都知事選。小池氏はおよそ290万票を獲得し、圧倒的な強さを見せつけました。

政党からの支援を受けなかった広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏。無党派層のおよそ4割の支持を得て「2位」に躍進しました。

広島・安芸高田市前市長 石丸伸二氏
「胸を張って、できることは全部やったと言い切れます」

一方、前参院議員の蓮舫氏は、石丸氏におよそ37万5000票の差をつけられ、「3位」に沈みました。

前参院議員 蓮舫氏
「私の力不足、そこに尽きる」

“圧勝”した小池氏は午後、都庁の職員に向けて訓示を行いました。

小池百合子氏
「職員の皆さま方の東京大改革3.0への大きな期待に応えて、都政をもっと前進させていきます」

今回の都知事選、自民党は表だって応援しない「ステルス支援」にとどまりましたが、きょう小池氏が挨拶に訪れると…

自民党都議
「おめでとうございます!」

大きな拍手で小池氏を出迎え、小池氏は満面の笑みを見せました。小池氏が立ち去った後には…。

自民党都議
「大歓迎だな」
「大歓迎」

続く都民ファーストの会でも“グータッチ”。一方、都議会立憲民主党では…。

小池百合子氏
「どうぞ議会のほうでも宜しくお願いします。ありがとうございました」

笑顔もなく、静かな挨拶となりました。

小池氏の3期目は今月31日にスタートします。

小池氏圧勝も「今までにない選挙戦」 今後はSNSが鍵か

良原安美キャスター:
今回の東京都知事選挙の投票率は60.62%を記録するなど、関心の高い都知事選となりました。

【東京都知事選挙 開票結果】
小池百合子氏 291万8015票 ※当選
石丸伸二氏 165万8363票
蓮舫氏 128万3262票
※2024年7月7日投開票

小池氏が291万票を獲得し、再選となりました。2位は165万票を獲得した石丸氏、3位は128万票の蓮舫氏という結果でした。

2位に浮上した石丸氏ですが、無党派層の約4割を取り込むなど躍進した形となりました。

TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
蓮舫さんは「政権批判」のイメージが強く、共産党と連携したことで「改革」と離れたイメージを持たれたということはあると思います。

それに対して石丸さんは、東京に多いITや金融、外資などで働いている無党派層をターゲットにしてうまく取り込んだ結果だと思います。

井上貴博キャスター:
これまでの選挙は、「インターネットがどれだけ盛り上がっても投票には繋がらない」と言われていた印象です。今回、石丸さんや安野貴博さんなどが伸びたのは大きな転換点だと思います。

テレビは放送法があるので、50人以上候補者が出ると平等に扱えず、報道量が激減する傾向です。ネットで大きなうねりになって、若者、無党派層が動きました。組織や既存メディアに頼らない選挙スタイルが確立されたのは、大きな意義がある気がします。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
政治の世界も考え方を変えないといけません。今回、小池さんが「今までにない選挙戦だった」と言っていましたが、戦い方そのものが変化していると思います。若い人がどれだけ入るかというのは、SNSの力ですよね。

日本に限った話ではなく、イギリスの選挙でも、2023年と比較して、各党がSNSでの発信を200%しています。トランプ前大統領は1日に約34件SNSで投稿していますが、SNSのパワーをわかっているということではなでしょうか。

日本の政治でもどんどん活用しないといけない時代になってきたということでしょう。

観衆が拡散 若者の投票先で最も多い石丸氏の“SNS戦略”

良原キャスター:
若い人が動いたということが数字にも表れています。

【10代の投票先】
・石丸氏 45%
・小池氏 34%
・蓮舫氏 11%
ほか

【20代の投票先】
・石丸氏 41%
・小池氏 26%
・蓮舫氏 15%
ほか

【30代の投票先】
・石丸氏 37%
・小池氏 32%
・蓮舫氏 12%
ほか
(JNN出口調査 ※四捨五入)

年代別の投票先は10代、20代、30代ともに、石丸氏が最も多い割合となりました。当選した小池氏よりも多い割合です。40代から80代以上では小池氏がトップとなっていました。

若者の支持を得た背景には、やはりSNSの戦略があったといえそうです。YouTubeなどSNSを積極的に活用していて、自ら「拡散してください」というビラを配っていました。また、観衆が動画を配信、SNSに投稿するなど、観衆が拡散する動きもありました。

結果的に動画を見て支持を決めた人など、ボランティア5000人以上が集まりました。日々、支持する人が増えたという印象を受けます。

JX通信社の調査で「YouTubeを投票先選択の情報源として参考にしたか」という問いに対し、石丸氏に投票した有権者の40%以上が「大いに参考にした」「ある程度参考にした」と答えていました。(調査期間:6月28日~30日)

YouTubeの登録者数も、小池氏は3660人、石丸氏は約30万人、蓮舫氏は約1万人、田母神氏は約1万4600人と、石丸氏が他の候補者と比べてかなり多いことがわかります。(7月8日午後2時時点)

この調査を行ったJX通信社の米重克洋代表取締役は、「YouTubeあるいはXを中心に情報を得ているという方々が選挙で実際に大きな影響を及ぼすようになってきている」としています。

石丸氏に投票した若者が求めること

ホラン千秋キャスター:
どのプラットフォームでどのように伝えるかも重要だと思います。10代から30代で石丸さんに投票した人は何を求めたのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
政治の刷新、若い人の声をもっと吸い上げてほしいということや、改革を求めているのではないでしょうか。

今のところ改革の目次は出ていますが、中身に踏み込んでいないようにも感じます。具体化すると既得権益の人とバッティングする可能性もあり、具体論までははっきりしなかったと言えると思います。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
石丸さんの面白いところは、「結論から言う」という点にもあると思います。。長いプレゼンの最後に「結論はこう」ではなく、結論を先に言って「だからこうしよう」と、後から説明するというのが特徴的だったと思います。

井上キャスター:
現職はどうしても組織票が強いですが、今回の石丸さんと蓮舫さんを票数を合わせれば小池さんに勝てた可能性もあります。他の戦い方があったのか、戦略を見直すことも今後の課題になるかもしれません。

==========
<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック、アース製薬の社外取締役など

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