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「大卒社員だけでは…」高校生の就職“超売り手”に、求人倍率が過去最高、人材確保へ「初任給UP」「残業削減」【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月11日 21時9分

TBS NEWS DIG

少子化、さらには働き手が不足しているとあって、来年春に卒業する高校生への求人倍率が、過去最高となっています。

高校生の就職“超売り手”に 高卒の求人倍率 過去最高

加藤シルビアキャスター:
少子化・人材不足などを背景として、新卒の高校生の争奪戦が繰り広げられています。新卒の高校生の求人倍率は10年ほど前から上がり、コロナ禍を経て更に上昇しました。今は過去最高の3.98倍になっているということです。

一方、大卒の求人倍率は、そこまで変わっておらず1.71倍という状況です。

高卒人材「大卒と区切る理由ない」

加藤キャスター:
この差は一体何なのか、その背景を紐解いてみると、時代とともに高卒の採用が変化していることがわかりました。かつては大学新卒の希少価値が高く、高卒の初任給は最低賃金レベルという時代もありましたが、今は時代が変わりました。

高校生の就活イベントを主催しているジンジブ広報・ブランディングの佐藤純子次長によると「今は“大学全入時代”。大学に入りたい人は大学を選ばなければ入れる時代になったことで、企業側も優秀な人材なら大卒・高卒を区切る必要性がなくなった」と分析しています。

ホラン千秋キャスター:
求人倍率を見ると、かなり大きな差が開いていますね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
大卒や高卒を区分けして一括で採用するという日本企業の悪しき慣習です。多様な働き方・学び方という時代なので、どんどん活躍できる人は高卒でも入って、その代わりに貯金をしたり、企業の奨学金を得てもう一度大学で学び直すなど、いろいろな方法があって良いという時代になりました。

井上貴博キャスター:
“大学に行くことが全てではない”という考えはすごく良いと思います。大卒で入社すると22歳ですが、高卒だとその時点で入社4年目になっているので、主戦力として働けるのならば金の卵を早く採用したいという企業の思いがすごくわかります。

しかし、大卒偏重のため、大卒市場のような環境が高卒には整っておらずミスマッチが多いです。この部分の解消は自治体か国か、どこができるのでしょうか。

星浩さん:
企業同士で競争し合って良い人材を確保し、全体の待遇をレベルアップしていくことが必要です。最近はAIが普及しており、若い人の方がスキルアップしていきます。

大卒だけでなく高卒を採用し、入社後に能力を伸ばしていけるという時代になってきています。企業は発想の転換をしないといけません。

ホランキャスター:
もちろん各企業違いますが、どういう人が“良い人材”なのでしょうか。

星浩さん:
これからは言われたことを全部やりこなすだけではなく、新しいことにチャレンジしていくクリエイティブな部分や、イノベーションを起こしていく能力が試されると思います。

ホランキャスター:
自分発信でアイディアなどを生み出していくということですね。

人材確保へ「初任給UP」「残業削減」

加藤キャスター:
一方で、高卒者の進路状況を見ると、大学が6割、専門学校が2割、就職は14%ほどとなっています。

こういった中で企業側も努力をしています。来年入社の高卒社員の初任給を賃上げすると答えた企業が53%と半分以上になっています。また働き方についても、残業時間の削減、職場環境の整備、と答えた企業が半分くらいいらっしゃるということで、働き方の見直しをしようという動きが出てきています。

一方で、若者は何を基準に選んでいるのか、18歳〜20歳にアンケートを行いました。人生を豊かにするものはと聞かれると、1位は家族という結果になりました。

ジンジブ広報・ブランディングの佐藤純子次長によると「仕事と趣味を両立できるか、家族との時間がとれるかなど、人生をどう豊かに過ごせるかを優先する若者が増えている」ということです。

井上キャスター:
都市部以上に地方都市が厳しいのは、人材が一極集中で東京や大阪に出ていってしまうところです。地元に残ってもらうためには、自治体が就労支援を行うことも必要ですよね。

星浩さん:
自治体も働き方だけではなく、生活環境の整備や教育問題などの支援をどのように行っていくのか、今度は問われてくると思います。

==========
<プロフィール>
星 浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年

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