円相場1ドル＝161円台から一時157円台に 一方、日経平均株価は3日連続史上最高値…街で聞いた“実感” 株高のワケは？ 記者解説【news23】

TBS NEWS DIG

アメリカの6月の消費者物価指数発表後の11日午後10時すぎに、一時1ドル＝157円台まで円高が進みました。一方で、好調の日経平均株価は3日続けて史上最高値を更新。新NISAも始まり、「投資が身近になった」という人も多くいるかもしれません。株高の“実感”はあるのでしょうか、街で聞きました。

■日経平均4万2224円　3日連続史上最高値で“実感”は？

「日経平均史上最高値、かんぱーい」

今夜、投資家が集う銀座のバーを訪ねると…

投資歴22年
「日経平均はまだ安いと思うので、さらにここから5万円とか6万円とかに上がっていく途中かなと思う」

投資歴約20年
「20年くらいやってて、いま2000万円くらいです。これから経済って発展していくものだと思ってる。短期では見てない」

今年、日経平均株価は「新たなステージ」を迎えました。2月にバブル期の史上最高値を34年ぶりに更新すると、今月に入ってからも2600円以上上昇し、きょう（11日）の終値は4万2224円。3日連続で史上最高値を更新しています。

上昇の背景にあるのは、アメリカの株高です。

ニューヨーク市場では、アメリカの中央銀行にあたるFRBの利下げ観測を受け、ナスダック総合指数が連日、最高値を更新。この追い風を受け、東京市場でも半導体関連株など幅広い銘柄の上昇につながりました。

好調な株価を受けて、街の人の“実感”は…

株式投資せず サービス業（30代）
「自分たちの生活に直接紐付いているかというとあまり実感はない。給料上がっても物が高くなったりとか、貯金とか投資に回せなくなった。ゆとりがない、自分の生活で」

株式投資せず 学生（20代）
「今のところ実感としては、そんなにないのかなという感じ。前よりもバイト代が無くなるのが早い感じがする」

最近NISA始める 会社員（20代）
「この前は一日で300円くらい上がってました。嬉しいですね」

株式投資中 会社経営（60代）
「株価に連動して生活が豊かになる層、関係ない層が二極化されていると思う」

■連日史上最高値の背景には何が？“株高”は続く？

藤森キャスター：
日経平均株価は連日、史上最高値を更新していますが、背景には何があるんでしょうか？

片山記者：
二つポイントがあって、一つ目が、“海外投資家”が日本企業に期待しているということ。今、日本企業は業績が良くなっていて、今後さらに良くなっていくんじゃないかという期待が1つ。

もう一つは、アメリカの利下げの観測です。11日は4万2224円でしたが、今、日経平均先物という取引が行われているんですが、それはちょっと下落するというような動きになっています。

藤森キャスター：
中長期的には今後どうなりそうですか。

片山記者：
これから4万5000円に向かっていくというふうに見る人もいます。ただ一方で、これからリスクがあるのではないかという不安もあります。

アメリカが少し利下げするとしても、そのままアメリカの景気が良いまま残れるのかどうかというのは不透明で、リスクシナリオとしては、アメリカの経済が悪くなるというシナリオがあります。

あともう一つ、“海外投資家”が今、日本に期待をして買っているという話ですが、これも日本に対する過剰な期待、期待先行なところがある。日本経済が今、物価も上がり賃金も上がり好循環だとは、正直、我々は実感していませんが、“海外投資家”から見ると、日本は好循環に行くんじゃないかっていう期待がある。本当に行くのかどうかはちょっとわかりませんね。

小川キャスター：
期待に実感が伴ってくるかどうかというところですが、株価が最高値更新し続ける一方で、日々の恩恵を得られているかというと「そうではない」という方も多くいます。伊沢さんはどのように受け止めていますか？

株式会社QuizKnock CEO 伊沢拓司さん：
日経平均株価も225銘柄を選んでいるわけですから、世の中の多くを占めている中小企業、日経平均株価にない企業はまだ苦しんでるわけですよね。

心が動かないとお金が動いてこないので、まずは景気が良いという実感を得て、実体経済が動くような変化を、現状とは関係なく望んでしまいますよね。

小川キャスター：
広く実感が得られるかというところですよね。

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＜プロフィール＞
伊沢拓司 さん
株式会社QuizKnock CEO
東京大学経済学部卒
クイズプレーヤーとして活躍中