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“謎うなぎ” 1分で完売も広がる代替食品に異変?ヴィーガン居酒屋「伸び悩んでいる」 街の声は…「肉がほしい」「高級志向」【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月12日 15時24分

TBS NEWS DIG

本物の「肉」や「卵」と見た目や味は似ていますが、原料は大豆。こうした「代替食品」が次々と発売されています。「代替食品」の市場規模は拡大が続くと見られていましたが、いま変化が起きているようです。

「謎うなぎ」が1分で完売 代替食に異変

11日、日清食品が発売した「謎うなぎ」。大豆などの植物性原料でうなぎのかば焼きを再現した商品です。

喜入友浩キャスター
「11日正午から5000食限定の販売ということですが、もう完売しています」

販売開始1分で完売となりましたが、15日からは「謎うなぎ」を使った「謎うなぎ丼」も販売されます。

お湯を入れて5分、タレを入れると完成。その味は…

喜入キャスター
「ふわっとしていてウナギみたいな食感ですね」

代替肉の他、代替卵や代替マグロ。近年、次々と新商品が発表されている代替商品。

開幕が迫るパリオリンピックでは、選手村の食事メニューの40%がベジタリアン向けで、大豆由来の代替肉を使ったハンバーガーなどが提供されると言います。

広がる「代替食品」ですが今、ある課題に直面しています。

「謎うなぎ」完売も… ブームに陰り?

小川彩佳キャスター:
私たちも「謎うなぎ」を本番前に頂きました。

藤森祥平キャスター:
うなぎの味、しますね。噛みごたえとか、すごく工夫していますよね。

小川キャスター:
ふんわりしているところや青みがあるところとか。もちろん、本物とは違いますが美味しいなと感じました。

藤森キャスター:
企業が代替食に力を入れるのには訳があります。畜産で排出される温室効果ガスによる環境負荷の問題もあると言われていますし、今後、肉などの動物性たんぱく質が足りなくなる可能性もあります。

世界で人口が増加し、新興国でも肉食が拡大していて、2030年には動物性タンパク質の需要が供給を上回り、2050年には需要に対して30%ほど(6000万トン)足りなくなるという試算もあります。

世界的な課題であるということで、これまでも何度か取り上げてきましたが、伊沢さんは代替肉をよく食べますか?
 

QuizKnock CEO 伊沢拓司さん:
昆虫食や代替肉を積極的に選ぶとかではなく興味本位で選ぶことは結構ありますが、なんていうか「代替」という言葉がちょっと嫌ですよね。

僕はもう別の食品だと思って食べるようにしていますね。これはこれで「新しい蛋白源だな」と思わないと。「代替」というと、ちょっと落ちるイメージがあるので、それが損しているところだなと思いますね。

代替食 食べたことある?「みんなの声」は?

「みんなの声」はNEWS DIGアプリでは『代替食』について「みんなの声」を募集しました。

Q.「代替食」食べたことある?
「1週間に何度か」…3.1%
「1か月に何度か」…2.7%
「ごくたまに」…22.7%
「あると思うが『代替食』の認識なし」…30.9%
「ない」…40.6%
※7月11日午後11時15分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは12日午前8時で終了しました

藤森キャスター:
実際に「大豆ミート」の販売額を見てみても、2年前まで伸びていましたが、2023年には24%減になっています。なぜ「代替食」が広がらないのか、街の皆さんにお聞きしました。

「代替肉」使ってる?高い?味が…?伸び悩むわけとは

ーー代替肉使っていますか?

女性
「使っています。娘は喜ぶんですけど、男性陣はイマイチなので使い分けています。男性陣はやっぱり『ちゃんとした肉がほしい』と」

女性
「自分の中で興味がない。魚も肉もバランスよく食べれば良いと思っているので」

女性
「(代替肉は)高級志向のお店しかなかったりするので、意識高くいきたいなというときは『ひき肉の代わりに炒めるか』とかはありますけど、スーパーだとほぼないですよね」

一方、こちらは東京・渋谷にあるヴィーガン居酒屋「真さか」。

餃子も唐揚げも、実は全て代替肉=大豆ミートなどを使用しています。

ーー唐揚げはいかがですか?

女性
「お肉みたい。味はちょっと違うけどさっぱりしてておいしい」

店には日本人客の姿もありますが、今は客の9割が外国人だと言います。

ヴィーガン ドイツからの旅行客
「肉を食べることによって環境問題に荷担してしまう」

非ヴィーガン ドイツからの観光客
「日本食は種類が多くて味もいいのに、ベジタリアン食だけはバリエーションが足りないから、これから変わっていくといいですね」

ーー日本にはビーガンのお店は?

ヴィーガン イギリスからの留学生
「少ないと思います。東京はだいたい大丈夫ですけど田舎はちょっと大変」
 
店の担当者は日本での「代替食品」の普及について…

ヴィーガン居酒屋「真さか」広報 鈴木真由さん
「スーパーに行っても代替肉が置いてあったのがなくなったりとか、伸び悩んでいるという感じ。お肉を食べる人からすると『物足りない』という声もある。何年か前に試したときにパサパサしているというイメージがすり込まれてしまって、そこから進化しているが『前のイメージが良くなかったから食べない』という声も聞きます」

小川キャスター:
確かに、味の問題もあるでしょうし、そもそも代替食品に興味があっても手に取る機会がないという方も多いかもしれないです。

ヴィーガン居酒屋のような場所に「食べに行こう」という思いがなければ、なかなか手に取れないというところはありますよね。

お客さんの9割が外国人だという「ビーガン居酒屋」の担当者は「環境問題に興味がある人は食べる。日本人はあまり環境についての情報をとっていない」といいます。

伊沢さん:
情報をとったら食べるか?と言われると、またちょっと難しいですよね。

日本は美味しいものが多くて、「食」というのは人それぞれですし、外国の方は宗教的背景があるという中でスピードを比較してしまうと良くないかなと思います。むしろ「情報をとる」というよりは、まず視野を広げていくところから始めたいなと思っています。

仕事でSDGsの教育などをやることが多いのですが、メディアや学校も「まず身近なところで何ができるかな?」からスタートしてしまいます。でも、身近なところで環境のためにできることは、そんなにないなと…。おうちサイズで考え始めてしまうと、できる選択肢が少なくて「それで世界を変えられるの?」となってしまうわけですよね。

そういう時に「君が1億円持っていたらどうする?1人で1億円使えたら…?」と投げかけると「あの技術を応援したい」「こういう変革を促したい」など視野が広がって、そちらの方が未来を変えられる実感があるわけですよね。

そこから始めると、例えば代替肉の味が合わなかったとしても「代替肉を作っている企業さんを応援するためにどうしよう」「代替肉を出しているお店の他の商品買ってみよう」などの選択肢が広がってくるわけですよね。

環境問題を考えるときのスタート地点を、もうちょっと大きく未来志向にしてもいいのかなと。情報が入ってきて役に立つのは、その視野を広げてからだと思うので、もうちょっと環境問題に対する考え方のスタート地点を変えていった方がいいような気がしますね。

==========
<プロフィール>
伊沢拓司 さん
株式会社QuizKnock CEO
東京大学経済学部卒
クイズプレーヤーとして活躍中

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