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「痛い・怖い・通いたくない」時代の終焉…重度の歯周病でも“抜かない・切らない”新技術に“1日で終わる無痛虫歯治療”まで歯科治療の新常識【THE TIME,】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月17日 7時30分

TBS NEWS DIG

30代以上の3人に2人がかかっているという「歯周病」。
その歯周病を、“切らず・抜かず”に治せる世界初の治療器が今注目されています。
また通常1~2週間要する虫歯治療が“わずか1日で終わる”という技術まで、歯科治療の最前線を取材しました。

重度の歯周病でも抜かずに治せる「青いレーザー光」

神田橋デジタルオフィス帆足公人院長:
ブルーラジカルでの治療予約は20名ぐらい。ある程度患者から高評価をもらっている」

ブルーラジカル??
聞き慣れないワードですが、これは、すでに各地の歯科医院で導入されている歯周病治療器「ブルーラジカルP-01」のこと。
東北大学の菅野太郎教授がベンチャー企業とともに、17年かけて開発した“世界初”の治療器です。

何がスゴイのかというと、たった一回、しかも5分の治療で歯周病菌の99.99%を死滅させることができるという点。

そもそも歯周病の原因は、歯に付いた歯垢です。

この歯垢は“細菌の塊”で、歯と歯ぐきの間にたまると、炎症をひき起こしスキマに入って行くのですが、この時、痛みがないため気づきにくいんです。
そのため、「歯がグラグラする」と受診した時にはすでに“骨が溶けている”など
重度の歯周病に…。
歯ぐきを切って、歯垢を除去したり、歯を抜くしかないケースも多かったんです。

しかし、「ブルーラジカルP-01」なら切らない、抜かない治療が可能に!
まだ保険適用ではないため、1歯1~3万円かかりますが、治療方法はいたってシンプル。

▼局所麻酔をしたら、歯ぐきの隙間に先端まで穴の空いた金属ノズル「スケーラーチップ」を差し込み、超音波振動で歯石を除去

▼さらにスケーラーチップの先端から薬液と青いレーザーが出て歯周病菌を死滅させるというもの。治療にかかる時間は1歯5分ほどです。

超音波振動で歯石を除去するのは、これまでも一般的な治療法でしたが、実は次のステップの“薬液”と“青いレーザー”というのが最新かつ最大のポイント。
薬液は、切り傷の殺菌などで使うオキシドールと同じ、「過酸化水素」です。

「ブルーラジカルP-01」開発者 東北大学・菅野教授:
「口の中で使っていいとされる過酸化水素の濃度は3%とされているが、3%ではなかなか効かない。しかし過酸化水素に青いレーザー光を当てると、パクッと二つに割れて活性酸素が発生し、菌が99.99%死滅する」

つまり、光を当てた所だけが薬液の消毒パワーが上がり強力に殺菌できるということなんです。

ちなみに、ごく一部に、5分という短時間では、活性酸素が体に影響しないことは
研究や治験で検証し、承認されたといいます。

ただこの治療法は、口腔ケアとセットで初めて効果が見込まれるものなので、治療後3か月間は歯ブラシやフロスなどを使った口腔ケアが必須。「治療+口腔ケア」で重度の歯周病の歯を救える可能性もあるとのことで、機械を導入している歯科医院との相談が必要です。

また、今後の展望として「動物の歯周病にも応用したい」とのことで、すでに獣医師からの問い合わせも多いそうです。

虫歯治療が1日で完了…しかも痛くない

さらに「痛い・怖い・通いたくない」という概念を覆す、新しい虫歯治療も登場しています。通常なら1~2週間ほどかかる虫歯治療が、たったの1日で完了。ちょっとした虫歯なら2時間で終わり、しかも痛くない!というもの。

新橋歯科医科診療所 小野宇宙医師:
「1日で仕上げることによって、その2週間の間に細菌にさらされたりするリスクも少なくできる」

THE TIME,が取材した日に治療に来たのは、50代の女性。診察の結果、奥の銀歯がはずれて中が虫歯になっていました。

まずは、虫歯部分を削り取る作業ですが、使うのはあの耳障りなドリルではなく、レーザー機器。患部にレーザーをあてると…虫歯で黒くなった部分がどんどん消えていきます。

これはレーザーで虫歯を蒸発させる仕組みで、削らないので、麻酔なしでもほとんど痛みを感じないといいます。

新橋歯科医科診療所 小野宇宙医師:
「虫歯は全部取れるし、健康な歯質は残せるし、かつレーザーを当てた部分に関しては、虫歯になりにくくすることができる」

続いては、新しい詰め物を作るための型どり。ここでも、通常の手法は使いません。医師が取り出したのは、口の中をスキャンするカメラ。これで上下の歯の形を、3Dデータで正確に再現するといいます。

新橋歯科医科診療所 小野宇宙医師:
「これまでは型を取るときに、温かいガムみたいなものを口に入れて噛む。これだと温度の変化によって伸び縮みして、実際の口の中と違う模型が出来上がることもあった。3Dなら正確なピタッとした詰め物を作ることができる」

そしてスキャンされた3Dデータはすぐさま隣の技工室に送られ、技工士がパソコンで詰め物の形を設計。あとはセラミックのキューブを機械にセットすれば、設計通りに自動で詰め物が削り出されるという流れ。

出来上がった詰め物の表面を磨いて、装着すれば治療完了です。

奥の銀歯が外れて虫歯になっていた女性。セラミックの詰め物が、形もかみ合わせもピッタリとはまり、もともとの歯のような見た目に!

治療時間はおよそ3時間で、料金は約9万円でした。
(※選ぶ歯の材質・時間で料金が変わります)

安住アナも驚愕…世界初の「歯が生える」薬

スタジオでは、世界初となる「歯が生える」薬も紹介。生まれつき歯の本数が少ない患者への治療に使われ、歯の成長を抑えているタンパク質の働きを抑制するという薬。北野病院(大阪市)などの研究チームが今年9月から治験を開始し、2030年の実用化を目指しているというもの。

人間と歯の構造が似ているフェレットで実験したところ、6本だった前歯が、投薬後7本になったという結果を紹介すると、スタジオは「え~」の大合唱。
将来的には永久歯が抜けた後に、次の“新たな歯”を再生することも目指している
とのことで、安住紳一郎アナも「え~、そういう時代に、え~」と技術の進化に驚きの声を上げていた。

(THE TIME,2024年7月16日放送より)

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