“ほぼトラ”外交はどうなる ウクライナ侵攻への影響は?日米関係は? 世界は一体どこへ向かうのか【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月23日 12時10分
アメリカ大統領選で「ほぼトラ」という声も上がる中、トランプ氏が再選した場合、気になるのは日本にも関わる「外交」です。ウクライナ侵攻、日米同盟はどうなるのか。
「国際危機を一つ残らず終わらせる」 トランプ氏は豪語
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大統領選で勢いを増すトランプ氏。トランプ氏の“返り咲き”が現実味を帯びる中、世界はどうなるのか?
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もっとも大きな影響を受けるのが、ウクライナ情勢。トランプ氏の対ウクライナ政策について、ワシントンポストが「トランプ氏はウクライナに圧力をかけ、領土の一部を放棄させることで戦争を終わらせることができる」と語っていると報じました。
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増尾聡 記者レポート(キーウより)
「ここがまさにミサイルが着弾した場所です。建物を見てみると完全に破壊されていて、更地になっているところは、一部がえぐり取られたような状態になっています」
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キーウ市民
「トランプ氏は戦争を終わらせる代わりに、私たちにロシアが占領している領土を放棄するよう求めるでしょう。要求をのまなければ軍事支援を全て止めるでしょう。それは受け入れられません」
そのトランプ氏は…
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トランプ前大統領
「私が大統領だったら決しておこらなかったであろうロシアとウクライナの戦争も、イスラエルへの攻撃によって引き起こされた戦争も、今の政権が作り出した国際危機を一つ残らず終わらせる」
一方、日本への影響は…
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岸田総理
「バイデン大統領として政治的に最善の判断をする。そういった思いでの判断であると認識をいたします」
バイデン氏の撤退表明を受け、岸田総理は「日米同盟は外交安全保障の基軸であり、今後の動きを注視したい」と語りました。
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政府高官
「相手が代わっていくのはしょうがない。代わった相手にどう対応していくのか、(どう対応)できるのかが大切」
もしトランプ氏が再び大統領になったら、世界は一体どこへ向かうのでしょうか。
日米外交どうなる? トランプ陣営に対する日本の“秘密兵器”とは
小川彩佳キャスター:
ワシントン支局の涌井記者に聞きます。アメリカ・ファーストを標榜するトランプ氏が再選した場合、ウクライナ情勢にどう影響してくるのか、非常に気がかりですね。
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ワシントン支局 涌井文晶 記者:
トランプ氏はアメリカ・ファースト、つまりアメリカ第一主義なので、ウクライナに兵器を送る資金があるなら、その資金を国内の課題に優先して回すべきではないかという考え方を根底に持っています。
トランプ氏は、大統領に就任すればウクライナ侵攻を「24時間で終わらせる」と豪語しており、アメリカによるウクライナ支援をできるだけ早く終わらせたいという意向が強くにじんでいます。
トランプ氏はどのように侵攻を終わらせるのか具体策を示しておらず、ロシアに有利な形で終戦に持ち込もうとするのではないかともみられていて、ウクライナやヨーロッパ諸国に警戒感が広がっています。
小川キャスター:
次は星さんに聞きますが、トランプ氏の再選によって、ウクライナへの影響はどう出てくるのでしょうか。
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TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
まずヨーロッパについて考えてみると、トランプさんはウクライナからの撤退や、NATOに対する分担金をもっと増やせというようなことを言っています。
それから今、ヨーロッパではイギリス、フランス、ドイツと、どちらかというと“反トランプ”のリーダーがいます。たとえばウクライナからの撤退と、それからもう一つ、温暖化防止の枠組みからの撤退ということに対してはものすごく反発が強いので、そのあたりの摩擦は相当強まってくると思います。
小川キャスター:
こうした外交ということを考えると、日本もまさに向き合うことになるわけですが、バイデン大統領が撤退した今、その外交のシナリオに何か変化はありそうですか?
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TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
バイデン政権は、日本との関係では比較的うまくやってきました。一つは、バイデン政権は同盟重視というスタンスです。たとえば中国に向き合うのも、日本や韓国という、同盟の枠組みで向き合いましょうと。
それから、温暖化の問題も含めて、多国間の枠組みを大事にしましょうと。どちらかというと、その継続がハリス副大統領の路線なので、比較的やりやすいということです。
一方でトランプさんは、対日政策では防衛費を増やせということもありますし、交渉は同盟国と一緒にやるというよりも、たとえば“米中”や“米朝”など、二国間で解決しようと動き出します。日本の頭越しでやられる懸念があるので、そこは要注意です。
温暖化の問題などでも離脱を言い出しかねないので、そこは日本側からかなり強く説得しないといけないと思います。
藤森祥平キャスター:
トランプさんになった場合、前政権の経験を日本政府としても活かしながら、今のうちに布石を打つことはできているのでしょうか?
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TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
実は日本にも隠し玉というか、秘密兵器があります。安倍政権のときに高尾直さんという非常に優秀な外交官がいて、今は中国の日本大使館で働いているのですが、かつて高尾さんは安倍さんの通訳をやっており、実はトランプさん本人やトランプ陣営にものすごく評価されています。
この高尾さんを中国大使館からワシントンの大使館に移動させようという計画になっており、高尾さんを事実上のトランプ番にして、情報収集や説得、トランプ陣営に対する説明にあたらせようという動きがあります。
そういう点では日本だけでなく、各国とも情報収集に余念がないですし、新しいアメリカの動きがどうなっていくのか、一挙手一投足を今世界中が注目している状況です。
『米大統領選』について「みんなの声」は
NEWS DIGアプリでは『米大統領選』について「みんなの声」を募集しました。
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Q.「ほぼトラ」で日本に影響する外交政策は?
「日米同盟のあり方」…39.7%
「対 中国政策」…17.5%
「北朝鮮への対応」…4.6%
「ロシアへの対応」…34.9%
「その他・わからない」…3.3%
※7月22日午後11時25分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは23日午前8時で終了しました
小川キャスター:
こうした課題でトランプ氏と渡り合えるかどうかは、日本の総裁が次誰になるのかというところでも大きく変わってきますね。
藤森キャスター:
誰に変わっても日本の立場をしっかり示して、それに向けての準備をしっかりしてほしいということは変わりません。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年
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