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“やせやすくなるタンパク質”を発見 「増やせるの?」「薬の開発は」研究グループの教授が解説【ひるおび】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月24日 15時38分

TBS NEWS DIG

「同じ運動をしているのに自分だけ人と比べてやせにくい…」と思ったことありませんか?
そんな悩みを解消してくれるかもしれない夢のようなタンパク質が発見されました。
研究チームの神戸大学大学院教授に、詳しく聞きます。

やせやすい・太りやすい 決めるのはある「タンパク質」

同じ運動をしていても、「やせやすい人」と「やせにくい人」がいます。
これまで不明だったそのメカニズムが神戸大学・徳島大学の研究グループによって解明され、7月18日に会見が行われました。

発見されたのは、「エネルギー消費を促すタンパク質」とその機能。
このタンパク質【PGC‐1 αb/c】の量が増えやすいか・増えにくいかで、やせやすさが決まるというのです。

一般的に、運動すると筋肉の中でこのタンパク質【PGC‐1 αb/c】が増えます。
筋肉がエネルギーを消費することによって、脂肪燃焼、体重減少へと繋がっていきます。
やせにくい人は、運動してもこのタンパク質【PGC‐1 αb/c】が増えにくく、運動時のエネルギー消費が少なくなり、結果的に脂肪燃焼も少ない。だからやせにくいということなのです。

マウスを使った実験でも、通常のマウスとタンパク質生成ができないマウスの内臓脂肪を比べると大きな差が出ることが分かっています。

「タンパク質は年齢や体型で変わる?」研究者に直接質問!

番組は研究グループの小川渉教授をゲストに迎え、今回の発見について聞きました。

恵俊彰:
このタンパク質【PGC‐1 αb/c】は誰でも持っているものなんですか?

神戸大学大学院 医学研究科 小川渉教授:
はい。どんな人でも、あるいはマウスでも体の中に持っているタンパク質です。

恵俊彰:
このタンパク質によってやせやすかったり太りやすかったりするのが今回分かったということなんですね。

小川渉教授:
やせやすさ・太りやすさに関わるような物質は他にもあるかもしれませんが、これは運動したときのエネルギー消費の大きさを決めているタンパク質です。

恵俊彰:
若いときはすぐ落ちたけど、年とったら落ちなくなると実感なさっている人が多いと思いますが、このタンパク質は年齢とともに減っていくんですか?

小川渉教授:
マウスの実験では、減っていくというよりも、運動しても増えにくくなるということが分かっています。人でも増えやすい人と増えにくい人がいるということもわかりました。

恵俊彰:
増えやすい人と増えにくい人は、何かで調べられるんですか?

小川渉教授:
簡単な検査でそれを調べる方法は残念ながらありません。
我々の研究では筋肉の一部を取り出して、その筋肉の中でのタンパク質の増え方を検討しましたので、簡単にはわからないということです。

コメンテーター 友利新医師:
運動する習慣がついている人は落ちにくいですか?

小川渉教授:
今までの検討では、肥満になった方はこのタンパク質が運動しても出にくくなる。
つまり肥満するとさらに肥満しやすくなることがわかっています。
ただ、太っている方でも全く出ないというわけではなく、運動したときのやせる効率が低くなるということです。太ってしまうと、余計頑張らないとやせられないということになる。

コメンテーター 友利新医師:
やせたら元に戻るんですか?

小川渉教授:
やせたらまた元に戻ると考えられています。

‟やせる薬”の開発は?

恵俊彰:
一番いいのは【PGC‐1 αb/c】を自動的に増やしてもらえるようなお薬みたいなものがあればいいですよね。

神戸大学大学院 医学研究科 小川渉教授:
そうですね。我々は元々そういうことを目指してこの研究をしています。
肥満の解消に運動することは大変良いですが、運動したくてもできない方もいらっしゃいますし、同じだけ運動してもやせにくい人もいます。
そういう人のために、このタンパク質が運動したときによりたくさん増えるようにできれば、より良い肥満の治療に結びつくと思っています。

弁護士 八代英輝:
この食べ物を食べると増えるのにいいとか、そういったものはあるんでしょうか?

小川渉教授:
実験的に、このタンパク質を増やすような物質は見つけています。その物質が本当に薬になるかどうかは今後の検証が必要です。
その物質は、ある種の食べ物にも含まれているものですので、場合によると食べ物によってこのタンパク質を増えやすくすることも夢ではないかも知れません。

恵俊彰:
これは本当に期待が大きいんじゃないですか?

小川渉教授:
今、肥満症の治療薬は大変強力なものが発売されて広く使われるようになっていますが、全て食欲を抑制するお薬です。
このタンパク質の発現が薬の標的になったとしたら、食欲と無関係にエネルギー消費を増やすことによって肥満の治療にアプローチできる薬になる。その可能性があると思って研究を進めています。

コメンテーター 友利新医師:
運動しようというモチベーションも上がるんじゃないですか?それが上がってるんだからちょっと歩いてみようかななんて思う方もいそうですよね。

小川渉教授:
おっしゃる通りです。我々が考えているのも、何もしなくてもこのタンパク質が増える薬というよりも、運動したときにより増える薬が開発できればと思っています。

恵俊彰:
やっぱり多くの方は褒められて伸びるタイプだと思うんですけど、運動してどんどん目に見えて体重がちゃんと減れば、「よし頑張ろう」と思えますもんね。
多くの期待がかかっていると思いますので、よろしくお願いします。

(ひるおび 2024年7月23日放送より)
==========
<プロフィール>
小川渉氏
神戸大学大学院 医学研究科教授
肥満や糖尿病の研究が専門

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