1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

フェンシング・男子エペ個人で加納虹輝選手が金メダル!強さの秘密は身長差を覆す“聖域”【ゲキ推しさん】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月29日 20時46分

TBS NEWS DIG

金メダルを獲得したフェンシング・男子エペ個人の加納虹輝選手。フェンシング個人種目では日本勢初となる金メダルとなります。

フェンシング 加納虹輝 身長差を覆し金メダル獲得

齋藤慎太郎キャスター:
パリオリンピック™のフェンシング男子エペ個人で金メダルを獲得した加納虹輝選手(26歳)。小学6年生のときに『2008年北京オリンピック』で銀メダルを獲得した太田雄貴選手の試合を見てフェンシングを始めたそうです。

今回決勝で戦った相手は地元フランスの英雄、ヤニク・ボレル選手です。ボレル選手は世界ランキング4位、加納選手は同3位なのですが、加納選手にとっては完全アウェーとなる試合で見事金メダルを獲得しました。

井上貴博キャスター:
加納選手とボレル選手の身長差は20センチ以上あるそうですが、身長の低い加納選手の方が不利になることはありますか?

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
フェンシングの中でもエペはリーチの長さが重要になります。エペは先に突いた方が勝ちなので、腕が長ければ当然相手に突きやすくなるからです。加納選手はまず身長の低さを克服するところからスタートする戦いになります。

ホラン千秋キャスター:
身体的特徴でいえば、ボレル選手の方が圧倒的に有利だったということですね。

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
海外選手は身長のことを考えずに試合ができるので、加納選手も相当苦労されたのかなと思います。

強さの秘密はスピード「審判もいつ突いたかわからない」

ホランキャスター:
加納選手の強みはどこにあるのでしょうか。

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
特出するのは“二の矢”の早さです。1回目の突きを失敗しても次の矢を素早く突くスピードが早い。バスケットボールに例えると、シュートしたボールが外れて跳ね返ったボールをすぐにキャッチしてゴールするようなイメージです。加納選手はスピードがとても早く、審判もいつ突いたのかわからないという場面もありました。

身長差を覆す 加納選手の“聖域” 相手に攻めてもらう戦術とは

齋藤キャスター:
三宅さんのゲキ推しポイントは「加納選手の“聖域”」だといいますが、どのようなことでしょうか。

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
今回の試合は「身長差をどう覆すか」というところがカギになりました。フェンシングは「ピスト」と呼ばれる長さ14メートルの細長いコートで戦うのですが、加納選手は終始ピストの後方あたりで戦っていました。ここが加納選手の聖域です。

フェンシングの種目の一つ「エペ」は幅14メートルのコート上で、お互いが離れてしまうと点数にはならないのですが、基本的にお互い好きなところに行っていいとされています。

ポイントなのは「どのように近づくか」です。エンドラインと呼ばれる14メートルの一番端っこまで追い詰められるとこれ以上、下がることはできませんので、いかにして相手に攻めてもらうのかがカギとなります。

加納選手は直接攻撃をしてしまうと、やはり身長差で守られてしまうので相手に攻めてもらうのです。つまり下がらせないのです。攻めようと思っている人は下がらないので、そこを加納選手は突然飛び出して反撃の隙や、迎撃するタイミングを生み出したのが今回の勝因となりました。

井上キャスター:
映像で見ると加納選手がやり込められているように見えました。

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
実は加納選手がボレル選手に「来てみなよ」という戦術だったということです。

2008年の北京オリンピックで太田雄貴選手が銀メダルを獲得し、『フェンシングといえば太田雄貴』というイメージがありました。しかし今回、個人と団体両方で金メダルを獲得する選手が現れたことで、フェンシングの第2章が始まったなという感じがします。

井上キャスター:
日本ではまだまだフェンシング競技の環境が整っているとはいえない状況ですが、レベルは格段に上がっています。

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
そうですね。加納選手は身長というハンディキャップを、どう覆すかというのを常に考え続けてきました。自分が導き出した戦略をぶれずに戦ったことが勝因に繋がったのだと思います。

ホランキャスター:
金メダルの瞬間、どのような声を上げましたか?

ロンドン五輪 銀メダリスト 三宅 諒さん:
「わっ」です。もう加納選手が圧倒的でした。立ち上がりからボレル選手が加納選手の陣地に行くのを嫌がっているのが明らかにわかりました。ボレル選手としては「もうこれ以上できることがない、でも点数を取りに行かなくてはいけないから加納選手の“聖域”に踏み込んでいくしかない、でもやられてしまうな」という感じでしたね。

========
<プロフィール>

三宅諒さん
ロンドン五輪 フェンシング 男子フルーレ団体銀メダル
日本パラフェンシング協会理事

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください