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体操男子団体 奇跡の大逆転で2大会ぶり悲願の金メダル!ポイントは「着地」にあり【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月30日 20時40分

TBS NEWS DIG

奇跡の大逆転で2大会ぶりに金メダルを獲得した体操男子団体。日本代表の強さの秘訣はなんなのか、バルセロナ五輪銀メダリストの池谷幸雄さんが解説します。

2大会ぶりの金メダル獲得!“体操王者”日本代表のココがすごい

小笠原亘キャスター:
「日本のお家芸」と言われている体操男子団体が2大会ぶりの金メダルを獲得しました。メンバーは“期待の新星”岡慎之助選手(20)、“着地王子”谷川航選手(28)、“失敗しない男”萱和磨選手(27)、“あん馬と鉄棒のスペシャリスト”杉野正尭選手(25)、“絶対的エース”橋本大輝選手(22)の5人です。

体操の男子団体は、5人のうち種目ごとに3人が演技をして合計点を競います。つまり、18演技ということになってその合計点を競うということになります。

「大逆転」と言われていますが、どれだけ大逆転だったか中国との得点差を表にしてみました。「ゆか」の演技からスタートし、6種目のうち3種目「つり輪」終了時で中国が1位でしたが、日本はメダル圏外の5位。

バルセロナ五輪 体操男子団体銅メダリスト 池谷幸雄さん:
種目によりすごく得点がとれる種目があります。「跳馬」などが入っていると得点が跳ね上がるので、それで順位が浮き沈みするときがあります。

しかし、日本は少し失敗もあったので5位まで下がっていたというのもあります。中国がずっと上位にいたというのは、失敗していないからというのがあります。

小笠原キャスター:
日本は4種目目「跳馬」で4位に浮上し、5種目目「平行棒」で2位に浮上しましたが、1位の中国との差は3.267差。これはどういう差と考えたらいいですか?

池谷幸雄さん:
普通にやれば絶対覆らない、そのままの順位でいってしまう点差です。これがひっくり返った試合をほとんど見たことがない。それぐらいの点差です。東京オリンピックの金メダルと銀メダルの差は0.1ですから。それと比べると3.267差というのはものすごい大きな差です。

小笠原キャスター:
そんな中で、池谷さんが厳選した「金メダル奪還ポイント」をいくつか選んでもらいました。まずは「“ピタリ”着地がすごい!」です。

池谷幸雄さん:
やはり、「着地を止める」というのが大事で、ただ止まったらいいのではなく、止まっていても膝よりも頭が下がってたら0.1、膝よりもお尻が下につきそうなぐらい下がったら0.5減点。そこまで細かく全部減点する、というルールに変わりましたので。

ホラン千秋キャスター:
「美しい着地でなければ認めません」ということですか。

池谷幸雄さん:
姿勢が高く、足もそんなに開かず、つま先を動かさないでかかとを閉じられないと0.1減点になります。足が肩幅より広く着地してしまうと、0.3減点です。

井上貴博キャスター:
中国と比べても日本の着地のレベルは高いんですか?

池谷幸雄さん:
日本の方がよく止まってました。そういうところで点数を稼いでいます。Dスコアでは絶対かなわないところがたくさんあるので、それを「着地」で補ったというのが素晴らしいです。

積極的な声かけ「失敗をカバーするチームワーク」

小笠原キャスター:
ポイント2つ目は「失敗をカバーするチームワーク」です。橋本大輝選手がメダルセレモニー後のインタビューで「4人のおかげで最高の演技が出来た。ミスもあったが声をかけてくれて前を向けた」ということを話していました。

橋本大輝選手が決勝2種目目「あん馬」の演技途中に落下してしまう場面がありました。すかさずチームメイトが「絶対あきらめるな!いけるよ!」と声を掛けていました。

池谷幸雄さん:
順番にどんどん点数が上がっていくのが理想なので、点数を取らなきゃいけない、という位置にいて橋本選手は相当ショックだったと思います。

ホランキャスター:
落下はどの選手にもあることだと思いますが、こういった舞台で落下してしまったときの精神的なダメージはやはり大きいですか。

池谷幸雄さん:
大きいですね。得点が3人の演技の合計というところが、一人ひとりにものすごいプレッシャーがかかっているので、1人が失敗してしまうとものすごく順位が動きます。だから「つり輪」の時点で5位だったんです。

井上キャスター:
中国のチームなども声をかけ合っているように見えましたが、素人目に見ても日本は段違いな感じがしました。

池谷幸雄さん:
気合いが全然違うというか、“追う者と追われる者の違い”というのもあります。中国は追われてるので「このまま維持していこう」という感じですが、日本の場合は追うしかないので「行くぞ!行くぞ!」と言ってみんなで盛り上げながら、鼓舞しながらやっているという感じです。

ホランキャスター:
鼓舞していたところで一番力を発揮していたのはどの選手でしたか?

池谷幸雄さん:
やっぱりキャプテンの萱選手ですね。一番声も出していたし、「諦めるな!」と言っていたのは、みんなに聞こえていたと思います。

========
<プロフィール>

池谷幸雄さん
バルセロナ五輪個人ゆか銀メダル 団体銅メダル
日本体操協会元理事

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