原爆投下当日の気温や風など「気象観測記録」が現存 原爆が炸裂した瞬間の異変も捉える 広島原爆投下79年【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月6日 11時38分
8月6日は広島に原爆が投下されてから79年となります。あの日の広島はどのような状況だったのか、それを記した貴重な資料が現存していることがわかりました。
原爆が投下された当日、気温や風などを計測した「気象観測記録」です。そこには原爆が炸裂した瞬間の異変とみられる痕跡も残されていました。
広島原爆投下から6日で79年 投下時の「気象観測記録」が現存
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5日、地元・広島で原爆で亡くなった親族らの墓参りをした岸田総理。広島への訪問は6日の平和記念式典に参列するためで、式典では、核なき世界の実現に向けたメッセージを発信する見通しです。
79年前の1945年8月6日。広島に原爆が投下されたあの日、まさにそのときの状況を克明に記した資料が現存していることがわかりました。
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「こちらが資料です。気圧と温度と降水量、湿度」
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色あせた紙を束ねた冊子の背表紙には、1945の文字。1945年(昭和20年)、広島市の気象台が行っていた「観測記録」の原本です。
気温や気圧、風速など、ゼンマイ式の機械によって計測された値が、青いインクで紙に記録されていました。原爆が投下された8月6日の記録も残されていました。
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「ちょうど8時15分ごろになると思いますが、爆風というふうな記録があって、よく見るとここも針が縦に少し上に跳ね上がったような」
記者
「当時の気象台の建物は爆心地から3.7キロほど離れた小高い山の上にあります。原爆による爆風に襲われましたが、観測機器は途絶えることなく、広島の気象データを記録していました」
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当時、気象台だった建物は、現在は博物館になっています。
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内側に曲がった窓枠のフレームや割れた窓ガラスの破片が突き刺さったままの壁。館内には、原爆の爆風による痕跡が残っています。
30年以上にわたって原爆に関する気象の資料を調べている。学芸員の脇阪さんは…
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江波山気象館 脇阪伯史 学芸員
「原本がどこかにあるんだろうなという思いはあったが、これまで私自身も原本を見たことがなくて」
「原爆による雲で日照が遮られたか」
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その8月6日の原本は、広島地方気象台に残されていました。
8月6日を含む1945年の気象観測記録は、他の資料とは別に、金庫の棚の奥にまとまった形で保管されていました。これまで外部には公開されていなかったといいます。
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江波山気象館 脇阪伯史 学芸員
「ここからが(8月)6日。8時15分くらいにちょっと針が上に振れているような。そのあと、しばらく気温が上がらなかった状況も記録されていますが、原爆の爆発によってできた雲などで日照が遮られた影響なのか」
また、風速のデータも原爆が炸裂した時間に異変を示していました。
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江波山気象館 脇阪伯史 学芸員
「ごく短い時間に(ドットが)2回打たれたと。瞬間的に強い風が吹いた事象の記録になるかもしれない。実際、原爆が落ちた時に動いていた機械についていた(記録)そのもの。生の記録を記録紙として見たのは今回初めて。非常に写しとは違って、当時の様子が伝わってくる」
気象台では、建物が破壊され、大半の職員がけがをしながらも、観測を絶え間なく続けていたのです。
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広島地方気象台 徳廣貴之 台長
「我々の先輩の職員の方々が原爆投下という非常に困難な状況下で記録を途絶えさせてはいけないという使命感が出て、こういう形できちんと残されていくというのは、ただただ頭が下がる思い。身が改めて引き締まる思いがする」
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江波山気象館 脇阪伯史 学芸員
「これからこれをみなさんにどういった形で残していくのか、伝えていくのかを考えていかないといけないなと改めて感じました」
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