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福島第一原発2号機 燃料デブリ試験的取り出し着手を断念 作業初日に準備段階でミス 遠い廃炉への道のり【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月23日 12時14分

TBS NEWS DIG

22日、13年前の福島第一原発事故で発生した“燃料デブリ”を初めて取り出す作業が行われる予定でしたが、準備作業でミスが発覚し、着手直前に延期されました。

「初歩的なあり得ないミス」燃料デブリ 取り出し着手断念

発事故から13年。ようやく廃炉に向けた正念場を迎えるはずでした。

東京電力の担当者
「押し込みパイプの一本目の接続準備をしていたところ、計画していた順番のものと異なることに気づいたため、今日の作業はここまでと」

福島第一原発の2号機で22日から始まる予定だった溶け落ちた核燃料=「燃料デブリ」の試験的な取り出し

廃炉に向けた入口の最も重要とされる作業ですが、着手直前の準備でミスがあり、22日の着手を断念しました。

関係者
初歩的なあり得ないミスだ

“初歩的なミス”はなぜ起こったのか。そもそも「燃料デブリ」とは、原発事故によって冷却機能が失われた原子炉内で、核燃料や構造物が溶け、冷えて固まったもの

これを取り出すために今回使うのが、“釣り竿型”の装置です。釣り竿型の装置を貫通部から格納容器に差し込み、釣り糸を落とすようにして底へ近づけていき、燃料デブリを回収していく工程です。

装置はつなげた5本のパイプを使い格納容器へ押し込む予定でしたが、そのパイプの並び順が間違っていたのです。

東京電力の担当者
「順番通りにやっていただけるように、作業員さんに伝えていたところではありますけれども、なかなかそこの連絡がうまくいかないというところで。確かに起こったことだけを見てしまうと初歩的なことだなと感じます」

廃炉の道険しく 東電社長「安全着実に進めてもらう」

作業の再開時期については…

東京電力の担当者
「今後、どういった形の要因が見つかるかというところで、今後の対策を打っていく形になりますので、それに合わせて再開時期が決まるものかと思われます」

東京電力 小早川智明 社長
「焦って何かを進めてより大きなトラブルになるよりは、安全着実に進めてもらうことが、地元の方の願いでもあると考えています」

ただ、心配なのは「また廃炉が遠のいたのではないか」ということ。というのも、福島第一原発の「廃炉」は最長で2051年までの完了を目指し作業が進められていますが、今回の試験採取は、当初の予定よりも3年遅れているのです。

さらに今回の試験採取は、2週間かけて行われる予定ですが、回収するのは3グラム程度。1円玉3枚分だけです。

燃料デブリは、1号機、2号機、3号機の合わせて880トンあるとみられていますが、その取り出しは、廃炉の中でも最も難しい作業と言われています。

――(中断は)2051年の廃炉の完了というところには、影響はない?
東京電力の担当者

「正直、今日明日というところで、その2051年というところに影響があるというふうには私は考えてございません。我々、その目標は変わらないというふうに考えてございます」

廃炉目標は2051年 燃料デブリの最終的な保管場所も決まらず…

藤森祥平キャスター:
試験的な燃料デブリの取り出しでしたが、結局延期になってしまいました。

プチ鹿島さん:
もう廃炉まで気の遠くなるような時間がかかります。今も故郷に戻れない方がたくさんいます。「脱炭素には原子力が有効だ」という声もありますが、一旦事故を起こすと、途方もないことになる

岸田政権が2023年に原発政策を転換を閣議決定しましたが、これも総選挙や、総裁選などで議題にあげてほしいと思います。

藤森祥平キャスター:
原発政策のあり方そのもの、さらに取り出す予定の燃料デブリ880トンの最終的な保管場所はまだ決まっていません。社会全体で考えなければいけません。

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<プロフィール>
プチ鹿島さん
新聞14紙を毎日読み比べニュースを読み解く
時事ネタを得意とする芸風

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